特許訴訟でLG科学が相次いで勝訴した中、その特許管理システムに業界が注目している。 |
[スポーツソウルドットコム|ソン・ヒョングンインターン記者] LG化学が特許権をおいて行われた訴訟で相次いで勝利した。昨年初め、アメリカのダウ・ケミカルに続き、日本の日東電工にまで勝訴し、LG化学の特許管理方式が、業界の注目を浴びている。
関連業界は5日、LG化学の酸化インジウムスズ(ITO)フィルムに関する特許権侵害訴訟を提起した日本の日東電工が、昨年12月30日に訴訟を取り下げたことが分かった。
昨年7月、ソウル中央地方裁判所に訴訟を提起してから5ヶ月ぶりに、LG化学が勝訴したのだ。
ITOフィルムは、電気が通じる透明フィルムでスマート機器のタッチスクリーンパネルを作成するために使われる重要な素材だ。LG化学は、過去2012年に独自の技術でITOフィルムを開発したが、これにおいて市場の70%を占めていた日東電工が「当社の技術を無断で使用した」と訴訟を起こした。
しかし日東電工が主張する特許技術は、実際に業界では古くから広く使われている技術として知られている。一部では敗色が濃くなると、日東電工が訴訟を取り下げたものと見ている。その結果、LG化学は独自技術でITOフィルムの製造に成功したことが立証された。
LG化学が特許訴訟で完勝したのは、今回だけではない。LG化学は2012年8月、アメリカのダウ・ケミカルが提起したエラストマーの特許侵害訴訟でも勝訴した。
エラストマーは、弾性を持った高付加価値プラスチック製品で、自動車用バンパーの衝撃補強材と、建物の遮音材などに使われる。エラストマーの市場規模は約2兆ウォン水準で、2015年には3兆ウォン以上で50%以上成長すると予想、業界の関心が熱く寄せられるところだ。
エラストマーの製造技術は、LG化学をはじめ、世界で4社のみ保有している。LG化学は全量を輸入に頼っていたエラストマーを、1999年に独自のメタロセン触媒の源泉技術を確保、2008年量産に成功した。
市場1位のダウ・ケミカルは2009年12月、ソウル中央地方裁判所にLG化学のエラストマー製品が、自社の特許を侵害したとして訴訟を起こし、裁判所は、ダウケミカルの主張を却下、 LG化学の勝訴判決を下した。
業界関係者は、LG化学の特許管理システムが、関連訴訟で勝訴するに主に作用したと解釈している。比較的に特許関連紛争が少なかった2000年代の初頭から、特許担当者が製品開発の初期段階から参加するシステムを構築したおかげという分析だ。また10年以上運営されてきた特許戦略チームも、一役買ったという評価。
LG化学関係者は、「2000年代初頭から、グローバル企業に跳躍するための準備を徹底的にしてきた。特に自社製品と関連する製造技術の確保に、企業レベルで拍車をかけた。また、特許紛争に備えるため特許戦略チームを構成し、内部プロセスを強化してきた。このような結果に、特許権関連紛争の対策がうまく整えている」と説明した。
実際にLG化学が保有している特許は、電気自動車用のバッテリー、有機発光ダイオード(OLED)材料などの先端素材の分野を合わせて、約2万5千件に達している。四半期ごとに3兆ウォン以上の研究開発費を支援し、過去5年間の特許件数が毎年10%以上増加するなど、化学業界で最も多くの研究開発費と特許出願をしている。
証券会社の関係者も「LG化学は、すでに2000年代初頭から、独自技術を確保するために研究開発費として売上高の2~3%以上を投資し、特許専門チームを組むなど、たくさんの努力をかけた。10年以上の特許関連のノウハウがたまって、関連紛争に備えがしっかりとできているはず」と述べた。
一方、今回の勝訴をきっかけに、現在進行中のLG化学とSKイノベーションの間で行われている“2次電池分離膜技術”の特許訴訟も注目を浴びている。
去る2011年12月、LG化学がSKイノベーションを相手に特許侵害訴訟を提起した以来、上告審まで行った裁判は、昨年11月に最高裁が「LG化学の特許範囲が変わったため、改めて判断しなければならない」という趣旨で破棄差戻しとなり、再審理が行われる予定だ。