東京証券取引所の李大閣(イ・デガク)部長(左)が10日、「2014年 海外就職博覧会」で主催した“就職トークショー”に参加し、就職活動をしている人たちにアドバイスをした。|パク・ジヘ記者 |
[スポーツソウルドットコム|パク・ジヘ記者] 「有名な大企業中心ではなく、韓国と取引を望む企業を目指せば、成功する可能性が上がる」
東京証券取引所に韓国人として初めて足を踏み出した李大閣(42、イ・デガク)部長が、韓国の就活生たちのために「日本で就職するために知っておくべき必須事項」について、講演を行った。
最近、韓国では就職難がますます深刻になり、就活の幅が「海外市場」にまで拡大している。このため、韓国内では毎年、“海外就職博覧会”が開かれるほど、海外就職に対する熱気が若者を中心に熱くなっている。 <スポーツソウルドットコム>は去る10日、ソウル・江南(カンナム)COEXで開かれた「2014 海外就職博覧会展」で、成功的な就職のために頑張っている人々に深みのあるアドバイスをした東京証券取引所の李大閣部長に、日本の就職市場に関する具体的な話を聞いてみた。
◆日本での就職、日韓の特殊な関係...文化の違いを克服するのが“重要”
李部長は2011年、東京証券取引所に最初に入社した“韓国人”。彼は同博覧会に参加し、「外国で仕事することについて、その良さを最大限に話そうと努力した」とし、「そのために私が体験した個人的な経験をたくさん説明した」と語った。続いて彼は、「世の中のすべての仕事は難しい。特にそれが外国であれば、文化の違いもあって、さらに多くの努力が必要だ」としながら、「だから彼らには最大限、良いアドバイスをしてあげたかった」と微笑んだ。
彼は就職博覧会で、「海外の企業が韓国人を雇用したのは、韓国企業との取引がほしいという意味」とし、「外国で働くことになれば、韓国という国とビジネス的な連携を自分自身が繋ぐことになる。それと共に、韓国のことを外国に知らせる媒介体の役割も一緒にすることになる」と海外就職の“一石二鳥”の利点を強調した。
李部長は、海外就職の準備をするなら、韓国との取引を希望する企業を攻略しなければならないと説明した。彼は、「一部の有名大企業を中心に就職を準備することより、韓国との取引を希望する中小企業のようなところを攻略することが最善の方法だ」と付け加えた。李部長は、「私も、韓国を主要取引国と判断した東京証券取引所が、韓国企業の誘致に力を入れる過程で、就職することができた」とし「目指す企業が韓国とどのくらい関わっているかを必ず把握しなければならない」と強調した。
また、彼は、就職した後には“文化の違い”を克服する努力が必要だとも強調した。李部長は、「特に日本で就職するためには、日本に対する敵対的な感情をまず捨てなければならない」と説明した。実際に就職博覧会では日本での就職と関連して、“文化の違い”、“韓国と敵対的な関係”などの質問が多く見られた。
李部長は「20年前、初めて日本にきた時は、日本と韓国の特殊な関係でたくさん苦しんだ。今は韓流のような文化的な風が吹いて、韓国が有名になったが、当時は韓国に対する関心がなく、無視されることが殆んどだった」と語った。続いて「このようなことを克服するために、日本に対する敵対的な感情ではなく、客観的な姿勢を維持するのが何より重要だ。私も日本人と仲良くなるために多くの努力を注いだ」と付け加えた。
続いて、外国で成功的なキャリアを築くためには“人脈”が最も重要であると説明した。人脈の形成が職務の成功にも直結するからだ。
彼は「東京証券取引所で働きながら、自分なりの人脈を築くためにわざわざ韓国人が運営する韓国系企業を訪ねた」と言いつつ、「初めには会ってくれなかったので、何時間も座って待っていたことも多かった。しかし、今では韓人会の理事を務めるほど、厚い人脈を築き上げた」と述べた。
◆就職、「高スペックより、“人性”が重視される社会を」
東京証券取引所の李大閣(イ・デガク)部長(左)は「文化の違いを克服しなければならない」と語った。 |
彼は、就職で最も重要なことについて、“必ず就職する”という決意だと言い切った。やりたい夢があれば、それに合う職場に必ず入らなければならないという目標を設定する、そういう覚悟が必要だという意味。しかし、韓国ではこのような心の誓いが、特定の集団に集中している。彼はそれを問題点として挙げた。
李部長は、「韓国の既成世代は、ソウル大学こそ良い就職を保証すると信じ切っている。また、必ず大企業に入るべきだという認識を学生に与えるのも一流の大学だけ。このため、就活生の90%が大企業だけを目指している」と指摘した。彼は「日本は、各地方ごとに一流大学があるため、韓国のように“スカイ大学(韓国の3代大学:ソウル大・延世大、高麗大)”だけに執着しない」とし、「地方大学や専門学校に対する認識が韓国のように否定的ではなく、就職率はむしろ専門学校の方が良い」と説明した。
特に給料と生活の質が直結されていることの違いを説明した。彼は「日本はお金をたくさん稼ぐほど、大変な仕事をする人という認識がある。また、社会的な権力を持っている人ほど、稼ぎが少ないという認識もある。しかし、韓国の一部の企業では労働の量が少ないにも、高い給料がもらえる。韓国の就活生はそこを狙う就職活動で、躍起になっているようだ」と指摘した。
また、“高スペック”だけを重視している韓国企業も変わらなければならないと指摘した。彼は「日本企業で最も重視するのは“人性”だ」と強調しながら、「日本企業の就職試験は、どこでも同じ試験問題で基本的なテストを行う。この試験は中学生レベルで、よほどないと皆受かる」と説明した。続いて、「“人性”試験も同様のスコアが出るので、2次〜3次の面接を数ヶ月に渡って行う」と語った。
彼は最後に「国内では、基本的に仕事があまりにも足りなくて、安定した雇用の創出が必要だ」とし、「青年を海外に送るだけでは、根本的な解決策にならない」と韓国の雇用環境について批判した。