韓国の保健当局が「ツツガムシ病」の注意を発表した。|提供:韓国病気管理本部 |
[スポーツソウルドットコム|eニュースチーム] 韓国の保健当局が「ツツガムシ病」の注意報が発表された。
先日17日、韓国の健康保健審査評価院の通計によると、ツツガムシ病による患者は去年だけで約2万3千人となり、2011年に比べ5千人ほど増えたことが分かった。当局は特に10月と11月に患者が集中的に増加することを強調、注意報を発令した。
ちなみに、韓国での患者数は10人の中8人が50代以上、70代以上の患者は28.4%を占め最も多かった。
ツツガムシ病は、ツツガムシリケッチア(Orientia tsutsugamushi)の感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつであり、野ネズミなどに寄生するダニの一群であるツツガムシが媒介する。「新型」と「古典型」のふたつの型のツツガムシ病に分類され、日本紅斑熱と症状が酷似している。
ツツガムシ病はオーストラリア、アジアにも広く存在。刺された覚えのない発病者も多く、症状の初期はインフルエンザ様を示す事もあり、医師がリケッチア感染症を疑い早期に確定診断することが重要になる。
専門家は特に登山シーズン、農作物の収穫期である9~11月に注意を勧めている。
症状は、ツツガムシに刺されてから5~14日の潜伏期ののち、39度以上の高熱とともに発症し、2日目ころから体幹部を中心とした全身に2-5mmの大きさの紅斑・丘疹状の発疹が出現、5日目ころに消退する。低ナトリウム血症、筋肉痛、目の充血が見られることもある。皮膚には特徴的なダニの刺し口が見られる。刺し口は発赤と軽度の腫脹を呈し、水泡から潰瘍化して痂皮(かさぶた)を形成する。発熱・発疹・刺し口は主要3兆候とよばれ90%程度の患者にみられる。倦怠感、頭痛、刺し口近くのリンパ節あるいは全身のリンパ節の腫脹も多く見られる症状である。重症例では、播種性血管内凝固症候群や、多臓器不全で死亡することもある。
しかし現状では予防ワクチンは無いため、ダニに刺されないことが唯一の予防法である。方法は汚染地域に発生時期に入らないこと。長袖・長ズボン・長靴・手袋を着用し、肌の露出を減らすこと。皮膚の露出部位にはダニ忌避剤を外用する。脱いだ上着やタオルは不要意に地面や草の上に置かない。草の上に座ったり、寝転んだりしないこと。帰宅後は入浴し、脱いだ衣類はすぐに洗濯することだ。