財閥トップの経済犯罪に対する韓国裁判所の相次ぐ実刑判決について、財界からは経済萎縮を懸念する声が出ており、これから行われる財閥総師の裁判結果に注目を集めている。|スポーツソウルドットコムDB |
[スポーツソウルドットコム|ソ・ジェグン記者] 「あまりにもひど過ぎる。“捕まえたら死ぬ”という言葉まで出ている」。数日前に会ったある大手企業の関係者が言った言葉だ。最近韓国財界では、“経営空白”と“経済萎縮”への懸念と同時に、裁判部の強行姿勢に対する不満の声が高い。
財界がこのように気をもんでいるのは、大企業の総帥らに対する韓国司法部の相次ぐ実刑判決が大きく作用したからだ。昨年から今年まで、1審と控訴審をあわせLIG、ハンファ、CJ、SK、泰光(テグァン)など5社にも及ぶ大企業の総帥一家8人が実刑を宣告された。そのため、最近の財界は“嵐の前の静かさ”のような緊張感が漂っている。
数年前までは、経済犯罪の容疑で法廷に立った大企業の総帥はほとんど2審で執行猶予判決を受けた。1000億ウォン台(約98億円)の脱税容疑が認められた李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長、数百億ウォン規模の裏金を造成した容疑で起訴された鄭夢九(チョン・モング)現代自動車グループ会長に至るまで、財閥トップの裁判は、文字通り“執行猶予のための宴会”だった。
一つ面白いのは、彼らみんなは経済の発展に貢献した点と韓国経済への影響が大きいという理由で“懲役3年、執行猶予5年”の刑を受けたということだ。これを受けて一部では、“3・5公式”という言葉まで出ていた。
しかし、昨年8月、背任の疑いで起訴された金升淵(キム・スンヨン、61)ハンファグループ会長が1審で懲役4年の実刑を宣告されたのを皮切りに、具滋元(ク・ジャウォン、77)LIGグループ会長、崔泰源(チェ・テウォン、53)SK会長などが続々と懲役3〜4年の法廷拘束され、慣習的に続いてきた“執行猶予の時代”もその幕を閉じた。
特に先月27日に開かれた崔泰源会長の控訴審判決公判は、財閥の経済犯罪に対する司法部の態度変化を最も確実に見図れるものになった。公判が開かれる一日前に金升淵(キム・スンヨン)会長の破棄差戻しのニュースが伝えられ、司法部の態度に変化が生じる可能性もあるとの見方が出てきたが、むしろ裁判所は、崔会長はもちろん崔再源(チェ・ジェウォン、50)SK副会長まで懲役3年6月の実刑を宣告し、総師兄弟を拘束した。
考えてみると最近行われた財閥の相次ぐ拘束はそれほど驚くことではない。数百から数千億ウォンに達する会社のお金を横領し、数千人もの罪のない個人投資家や従業員に被害を与えた疑いが認められた被告人に、実刑が宣告されたのは極めて当然のことだ。
むしろ“国内経済への影響を考慮する”という理由で執行猶予を乱発した過去の裁判所の行動に驚くべきだった。当時の裁判所の判決の通り、国内経済を牛耳るほどの影響力を持つ人なら誰よりも責任のある行動をするべきだった。そのような面からみると、経済犯罪に対して一罰百戒しようとする司法部の態度変化はうれしい限りだ。
最近財界の最大の課題は、東洋グループ事態だ。詐欺性の社債とコマーシャルペーパー(CP)を発行した玄在賢(ヒョン・ジェヒョン、64)東洋グループ会長に対し、検察は数千人の個人投資家に損害を与えた疑いで捜査を開始すると8日、発表した。
先月に詐欺性CP発行容疑で具滋元会長が法廷拘束されてからひと月も経たないうちに、同じ犯罪行為が再び水面上に上がったのだ。総師一家の無責任な行動が2000人以上の犠牲者を生み出す現象が目の前で繰り広げられる状況で、“経済危機”、“経営空白”などを理由に“執行猶予時代”へ回帰するのは理不尽そのものだろう。