DEMIOジャパン株式会社の車鳳錫代表。|安・ビョンチョル記者 |
[スポーツソウルメディアジャパン|安・ビョンチョル] 今年5月にDEMIOジャパン株式会社(以下、デミオ)を設立した チャ・ボンソク(車鳳錫)氏は、全自動節水洗浄システムで日本トイレ文化のパラダイムを変えようとしている。DemiOの意味とは、フランス語のDemieauから由来した‘半分の水’を意味しており、50%の水の節約を象徴している。
●年収1000万と代わった事業アイテムは...
韓国代表企業S電子のモバイル事業部で11年間働いたチャ氏の当時の年収はサラリーマンなら誰もが夢見る1000万円。そんな彼が突然会社を辞めて自分の企業を立てようとした時には、周りから猛反対されたという。起業には挑戦する価値があるが、彼が選択した分野が今までのこととはあまりも距離があったからだ。
しかし、8月27日、東京新宿に位置する、DEMIOジャパン株式会社(代表・車鳳錫)を<スポーツソウルメディアジャパン>が訪れた時、チャ代表の目は成功に対する確信に満ちていた。彼は、「毎日が楽しい」と自分が選んだ起業の道に何の後悔もないことをはっきりと示した。
年収1000万を放棄するほど彼の心を奪ったアイテムは、トイレでよく見当たるただのシートカバーとビデであった。しかしこれには“世界初”という修飾語が付く。節水が画期的にできる世界初の“無電源節水トイレ洗浄システム”が製品の目玉技術だ。
チャ代表は、「日本は世界的な水不足国家だ。エコという環境運動も盛んでいる。これが今事業を選択した最大の理由」と節水トイレ洗浄システムを選んだ理由を説明した。
●節水はいくらできて、なぜトイレなのか。
デミオが市場に出した商品は「デミオ節水シート」というシートカバーで、自動節水装置が内蔵されている。人の体重と座る時間を計算することによって大便・小便を識別し、水の排水量も自動で調節して流すのが核心技術で、さらに電力も要らない無電源装置である。
チャ代表は、「建物の水使用量の中で70~80%、一般家庭の水使用量の中で25%以上がトイレでの排水量が占める。我が社の新技術を用いることによってトイレでの水使用量を50%以上削減できる」としながら、「どのような外部電源も要らない。電気を使わず節水を行うのが最大の魅力で、省エネという観点から見ても優れた新概念商品だ」と強調した。
「デミオ節水ビデ」は、「デミオ節水シート」の仕組みにビデ機能を搭載した商品。節水と利便性を基に衛生性を追求した。もちろん、省エネに相応しい電気節約(20%以上)も可能になっている。
近年日本では、環境問題対する関心が高まっている。水不足の問題も深刻だが、特に、福島原発事故以来、国を挙げて節電運動を展開していることをみると、デミオの節水トイレ洗浄システムは時代のニーズをすべて反映されたようだ。今年7月3日から三日間東京ビックサイトで開かれた「建築再生展2013」でデミオの出品作が大きな注目を浴びたのがその証。
衛生問題の解決、水の使用量も大幅に削ることができる自動節水洗浄システムは日本の自治体に一石二鳥の効果をもたらす。 |
●節水トイレ洗浄システムの無限の活用度
たった三日間でデミオのブースを訪れた客は115チーム以上だったという。1チーム当たり15分間の相談時間を考えると、大行列ができたのが分かる。日本の関係者らがこのように大きな関心を寄せたのは節電や節水などの新技術を猛アピールした結果だが、医療と介護分野での大きな活用度も期待された。
チャ代表は、「不動産関係者、建設会社、建物管理会社など三日間115チーム以上の関係者が訪れた」とし、「特に病院側や介護施設などが関心を示した。体の不自由な方にはトイレのレバーを押すことさえ難しい。そのため医療・介護分野からの関係者がたくさん来た。介護施設が発達した日本でもデミオの自動節水洗浄システムは画期的だったようだ」と述べた。
“レバーを触る必要もないし、自動的に適当量の水を流す”というのがアピールされたのは医療・介護分野だけではない。自治体の関係者にも衛生の面で大きく活用できると思い、問い合わせが殺到したという。
チャ代表は、「公共トイレの利用者は自分が直接レバーを触ることを嫌がる傾向が強い。レバーを脚で押したり、水流しをしないまま出たりすることは、“トイレは汚い”という考えがあるからだ。公共トイレの衛生問題は自治体の悩みでもあるが、それを解決すると同時に水の使用量も大幅に削る自動節水洗浄システムは自治体に一石二鳥の効果をもたらす」と公共機関からの関心の背景を説明した。
デミオは、9月中に新製品「センサー型節水装置」を発売する予定だ。「センサー型節水装置」は、既存の自動洗浄システムに人を感知するセンサーを融合した普及型節水装置。トイレの水供給部分に設置することで、洋式・和式の区別なく節水と自動洗浄ができるのが大きな特徴。特に人の動きを読み、トイレの利用者だけに反応して作動するのが印象的だ。
チャ代表は、「昨年初に開発された韓国の技術だ。画期的な節水はもちろん、無電源・節電もできる、時代が求める環境技術だと判断してすべてをかけることにした。事業を始まったばかりだが、たくさんの方が真価を評価し応援してくれた。毎日が楽しくて、この道を選んだ自分を褒めるくらいだ」と将来を明るく見込んだ。
彼は、「今具体的なことはまだ言えないが、まずは在日社会を中心にオファーが進められている。日本の大企業との連携も視野に入れている。節水だけでなくトイレに関する既存の考え方をデミオの自動節水洗浄システムを通じて少しずつ変えていきたい」と今後の事業に対する大きな抱負を示した。
車鳳錫代表の経歴
―1995年(米国)テネシー州 語学留学
―1997年(韓国)弘益大學校 卒業
―1997年 新聞奨学生として渡日
―1998年 双葉日本語学校 卒業
―2000年 日本外国語専門学校 卒業
―2000年(株)RICOH 入社し、2年間勤務
―2002年 サムスン電子ジャパン入社し、11年間勤務
―2013年 DEMIOジャパン株式会社設立