米国際貿易委員会(ITC)が米国内のサムスン製品の輸入禁止判決を最終的に下した。 |
[スポーツソウルドットコム|ファン・ウォンヨン記者] サムスン電子とアップルの特許侵害論争が保護貿易の論争に拡大する様相だ。米国際貿易委員会(ITC)がサムスンの特許侵害を最終的に認め、輸入禁止の判決を下した。アップル製品の輸入禁止判決には拒否権を行使したオバマ米大統領が、今回サンスンの判決にはどのような措置をとるのかに業界の関心が集中している。
◆サムスン、アップル 両社ともにITCから輸入禁止の判定を下された
ITCは、サムスンの特許侵害を認め、該当製品の輸入禁止を最終決定した。これを受けたサムスン電子は11日、「当社の主張が受け入れられるように法的方法を含めたすべての措置を取る」と抗告するという立場を明らかにした。
サムスン電子とアップルは、米国の独立準司法機関であるITCから特許侵害による輸入禁止処分を受けた。ITCは今年6月、「サムスンの通信標準特許を侵害したアップルが、ロイヤリティの交渉に誠実に取り組まなかった」とし、アップルのスマートフォンiPhone4とタブレットPCアイパッド2に対する米国内の輸入禁止を勧告した。
その後、オバマ政権は、ITCが下したアップル製品の米国内輸入禁止勧告に対して拒否権を行使した。米政府が26年ぶりに異例的に拒否権を行使したことについて、自国の企業をカバする“保護主義の復活”という批判の声が上がった。
アップル製品の輸入禁止措置に拒否権を行使した米政府が、サムスン製品の輸入禁止を受け入れた場合、公平性に対する論争が起きると予想される。
現在輸入禁止の判決を受けたサンスン製品は、ギャラクシーS、ギャラクシーS2、ギャラクシータブ10.1など。サムスンは、自社製品の輸入禁止が収容されると、米国内で特許侵害が認められた製品を販売することができなくなる。
◆米政権、“保護主義論争”払拭して拒否権行使?
業界では、サンスン製品の輸入禁止に対して、オバマ大統領が拒否権を行使する可能性は低いと分析した。アップル製品の米国内輸入禁止勧告に拒否権を行使した当時、米通商代表部(USTR)が“FRAND”の条項を適用したからだ。
当時ITCは、アップルがサムスンの特許である第3世代(3G)移動通信関連の標準特許を侵害したと判定した。標準特許は、“公平、合理的、非差別的(Fair、Reasonable、and Non-Discriminatory)”方式で使用料さえ払えば誰でも使うことができる。
米政府は、標準特許が特定の産業に不可欠であり、その理由で販売禁止や輸入禁止の措置を取るのは行き過ぎだという意見を示した。
一方、サムスンが侵害したと判断したアップルの特許は、ヒューリスティックを利用したグラフィック関連特許とヘッドセットの認識(マイク認識)方法に関する特許などの商用特許2件だ。しかし、ヒューリスティック特許が米特許庁(USPTO)から無効という予備判定を受けた状態であり、サンスンに勝算がないわけではないと業界では見ている。
一部では、アップルとの公平性などを勘案し、オバマ大統領がサンスン製品の輸入禁止決定にも拒否権を行使すると予想している。アップルとサムスンの両方に拒否権を行使することによって“保護主義”という非難を払拭したいという思惑があるからだ。
米大統領が60日間の検討を行った後、ITCの最終判決に拒否権を行使しない場合、被告側は抗告することができる。このため、サムスン電子が抗告する時期は、オバマ大統領の拒否権行使の可否が明確に現れる今年10月初めになる見通しだ。