もう時間がない。

 

[スポーツソウルジャパン|編集局] 19日の未明にセウォル号沈没事故現場から150メートルほど離れたところで70代女性の遺体が発見された。また、救助活動で投入されたダイバーらが船体4階の内部で3人の遺体を確認した。しかし、沈没から4日が経ている今だにも船内からの生存者の情報は何も掴んでいない。


韓国メディア<YTN>によると、現在まで公式に集計された死亡者は29人で、そのうち18人の身元が確認された。身元が確認されていない11人のうち7人は修学旅行に行った生徒たちと推定されている。

夜の間、搭乗者と救助者の集計がまた変わった。当初475人で知られた搭乗者数は476人に、救助された人は179人から174人に訂正された。政府当局が発表してきた事故被害者の集計はこれまで、搭乗者数は4回、救助者数はなんと6回も繰り返して変更されたのだ。

 

多数の機関が救助活動を行う過程で、同一人物が重複して集計されたと釈明しているが、何度も混乱が招き、被害者の家族たけでなく国民からもひんしゅくを買っている状況。
これを受け、韓国政府は救助活動に関する発表を「事故対策本部」に一本化した。それによって今まで事故の対策に関する中央本部の役割を果たしてきた「中央災難安全対策本部」は、門を堅く閉ざしたまま、別の公式ブリーフィング計画もとっていない。

 

<YTN>は、「国家の危機管理を統括しなければならない安全行政府の中央対策本部が、セウォル号の事態と関連して右往左往する姿だけを見せた。最終的には後ろに退いた形で、今後、これに関する論議が大きくなる見込みだ」と厳しく批判した。

 

船体の引き揚げのために大型海上クレーン船4隻が投入される予定で、もう1隻が同海域を向かっている。

 

セウォル号が沈みかけた瞬間の救助活動も食い違いのだらけだった。韓国新聞<東亜日報>は、「救助通報を受けた後、海洋警察庁と海軍の救助隊がヘリコプターやボートなのに乗って出動したが、客船内への進入はほとんど出来なかった。自力で脱出したり、海に飛び込んだ乗客のみを救出することに汲々としていた。このため、300人近くの死亡・行方不明者が船体に閉じ込められて、深い海の中に沈んでいくことを直視しながらも何もできなかった」と強く非難した。


韓国の世論も迅速な救助活動を訴えると共に、緊急事態の時に現場を把握して制御する指揮統制機能がどこでも動作しなかったと憤慨している。


今回の事故は、発生から収束まで政府の災害対策システムの不始末をそのまま見せてくれた。これまで政府が叫んだ「安全韓国」はどこにもなかったという痛烈な批判もあふれている。専門家らは、中央政府や力のある機関が指揮する代わりに、現場の機関が直接指揮する方法を訴えている。


こうした中、沈没してから三日目となる18日、救助隊がはじめて船体2階の貨物区域に進入することに成功した。また、船体の中に空気を注入する作業も始めた。しかし、生存者は今も発見されていない状況。船体の引き揚げのために大型海上クレーン船4隻が投入される予定で、もう1隻が同海域を向かっている。
 

 

 

 

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