1兆ウォン(約を954億7千万円)を超える現金確保のために、百貨店やマートなどを海外に売却しようとするロッテの計画に、支障が生じたことが分かった。|スポーツソウルドットコムDB |
[スポーツソウルドットコム|ファン・ジニ記者] ロッテカードの顧客情報流出、57億円台の課徴金、LIG損害保険の買収難航、第2ロッテワールド建築工事の安全性議論など、災難が引き続くロッテグループの“流動性危機”が論じられているなか、百貨店やマートの店舗を海外に売却して1兆ウォン(約を954億7千万円)を超える現金を確保しようとするロッテの計画は、投資心理の悪化によって支障が生じると分析されている。
21日、関連業界によると、ロッテショッピング㈱は、韓国内の百貨店とマート(ディスカウントストア)など18店舗を売却するため、シンガポール取引所の不動産投資信託(リート)市場に上場を計画していると知られたが、先週投資家の公募需要を把握するところ、投資家らはロッテショッピングの期待とは異なって6~7%程度の利回りではなく、8%台以上を求め、取引がうまく進めなかったのが分かった。
ロッテショッピングがシンガポール取引所のリート市場に出した店舗の中には、ロッテ百貨店・一山洞(イルサン・ドン)店、釜山(プサン)センタムシティ店、ロッテマート・中渓洞(チュンゲ・ドン)店など、売上上位圏の核心店舗も一部含まれた。リートを設立して店舗を売却した後、該当リートをシンガポール取引所に上場する計画だ。
ロッテは1兆ウォンを超える不動産を海外に売却して資金を確保、確保した資金は再び売却した不動産を借りるために使用する、“二兎を追う”つもりだった。
しかし当初期待した投資需要が減少し、取引規模は1兆ウォン前後と低くなり、海外投資家の要求収益率も予想よりも2~3%以上高くなって、少なからぬ負担を抱えることになった。ロッテがもし今回の取引を継続する場合、8%台の株券収益率を保障しなければならないが、これはのちに、百貨店などを再リースするために必要な賃料の値上がりにつながる可能性があるというのが、業界の観測だ。
これにより、ロッテが流動性確保のために乗り出した不動産投資が、むしろ流動性を悪化させるという懸念が提起された。2000年代以降、ロッテはバイザウェイをはじめ、GSマート、ハイマートなどの買収に資金を注ぎ込んだ。第2ロッテワールドの建設にも約4兆ウォン(約3,818億円)を投入。
最近はロッテカードが顧客情報を流出し、営業停止された。集団訴訟によってロッテカードが弁償する損害賠償金は約33億6千万円と予想されている。また、ロッテシネマの直営売店事業などを通じた脱税や、シネマ事業に伴う利益事業を子会社だけに与えたため、57億円という史上最大の追徴金を払わなければならない。これは昨年2月に、ロッテホテルを相手に賦課された19億円台の追徴金より大きい規模だ。これとともに、ロッテがこれまで狙っていたLIG損害保険の買収代金が約572億8千万円に達すると予測され、現金確保の必要性はいっそう増した状況だ。
金融投資業界関係者は「国内の不動産はもはや上がらないと判断して、不動産を海外に売却したが、投資心理の低下と投資家らの高い収益率の要求で、計画に支障が生じたわけだ」とし「現金の確保が切実な状況だが、ロッテの投資戦略は効果がなかった」と述べた。