セブンイレブンは、先月発売した「ソースをつけて食べるのり巻き」(上左)が広場(クァンジャン)市場の“麻薬のり巻き”の形とコンセプトを盗用したという主張が提起された。下の写真は、セブンイレブンの製品を見ている広場市場の商人。|シン・ジンファンインターン記者 |
[スポーツソウルドットコム|シン・ジンファンインターン記者] ロッテグループ(会長 シン・ドンビン)の子会社であるコリアセブン(以下、セブンイレブン)が、在来市場の代表的な食べ物を商人たちの了解も得ず丸ごとにコピーした製品を発売し、批判の的になっている。
問題になった商品は、先月28日にセブンイレブンが発売した「ソースにつけて食べる“コマ・のり巻き”」(コマ・のり巻き:꼬마김밥、一口で食べられる小さなのり巻き)。“コマ・のり巻き”は、マスタードソースをつけて食べるのり巻きで、ソウル・鍾路区(チョンロ・グ)にある広場(クァンジャン)市場の代表的な食べ物“麻薬のり巻き”と非常に似ている。そのため、商人はもちろん消費者からも「パックリだ」「大企業が伝統在来市場を殺している」という非難の声が高まっている。
ソウルの代表的なのり巻きとしても有名な広場市場の“麻薬のり巻き”は、ご飯に千切りしたニンジンとたくあん、ほうれん草を入れてのりでしっかりと包んだ後、ごま油を塗ったシンプルな食べ物。マスタードソースにつけて食べるのが特徴で、大きさは一口で食べられる指のサイズ。いくら食べてもまた食べたくなるという強い中毒性が評判になり、その意味で“麻薬のり巻き”という名が付けられた。
広場市場で“麻薬のり巻き”を販売する店は簡単に見つける。お店や屋台などを含めると、その数を数えられないほど広場市場を代表する人気の食べ物。 |
◆広場市場“麻薬のり巻き”vsセブンイレブン“コマ・のり巻き”!何が違う?
セブンイレブンは、“コマ・のり巻き”を発売した当時、「既存ののり巻きとは異なり、別添されたマスタードソースをつけて食べるのり巻きだ。有名市場の人気メニューをベンチマーキングして、のり巻き5個やマスタードソース、たくあんに構成されたコマ・のり巻きを発売した」と発表した。
しかし、セブンイレブンの説明とは異なり、“コマ・のり巻き”は広場市場の名物として知られている“麻薬のり巻き”をベンチマーキングしたというよりも“パックリ”に近い。世界最高を自負するセブンイレブンが広場市場の商人たちに知らせず密かに庶民が利用する伝統的な在来市場の食べ物を盗用したのではないかという批判が提起されている。
ベンチマーキング(benchmarking)とは、ある特定の分野で優れた相手を標的にして、自分の会社と成果の違いを比較しながらそれを克服するために彼らの卓越した運用プロセスを学び、絶えずの自己革新を追求する経営方法である。では、セブンイレブンの“コマ・のり巻き”は“麻薬のり巻き”のベンチマーキングなのか、パックリなのか。実際に広場市場の“麻薬のり巻き”とセブンイレブンの“コマ・のり巻き”を<スポーツソウルドットコム>の取材陣が直接購入して比べてみた。
両商品は、“マスタードソースをつけて食べる方式”と“形と構成”などで非常に似ている。“麻薬のり巻き”を売っている広場市場の商人は、「広場市場では麻薬のり巻きをかなりの前から販売してきた。広場市場の代表的な食べ物でもある。広場市場といえば“麻薬のり巻き”が思い浮かべるほど“ブランド”として位置づけているのに、韓国屈指の大企業がこのようなところまで手を伸ばすとは思わなかった」とため息をついた。“麻薬のり巻き”を販売している商人らは、セブンイレブンで“コマ・のり巻き”が販売されている事実も知らなかった。商人たちに“コマ・のり巻き”を見せると悔しさを訴え始めた。
数年間“麻薬のり巻き”を市場で商売しているチョン氏は、「広場市場と言えば“麻薬のり巻き”だ。いったい商人たちはどうしろと言うのか」と声を上げた。他の商人パク氏は、「話にならない。大企業は在来市場で商売する小さな商人の命まで奪おうとしている」とし、「不況で厳しい状況なのに、在来市場の商人を殺す気だろう」と怒りを隠さなかった。
市民も大企業の横暴に舌を巻いた。広場市場で“麻薬のり巻き”を食べていた主婦さんは、「麻薬のり巻きは、広場市場の名物だ。広場市場だけの特色あるのり巻きなので、少し遠くても直接ここを訪れている」とし、「コンビニで“麻薬のり巻き”と全く同じの“コマ・のり巻き”を売っていると、わざわざ広場市場まで来る人がいるのだろうか。心配だ」と述べた。
しかし、 “麻薬のり巻き”パックリ問題にセブンイレブン側は、「レシピから違う。ベンチマーキングしたと説明しただけだ」とパックリ論争を一蹴した。
広場市場で取材した多くの消費者は、広場市場の名物として一寸の迷いもなく“麻薬のり巻き”を挙げた。“広場市場=麻薬のり巻き”という等式が既に定着したのだ。ソウル・鍾路区(チョンロ・グ)産業振興チームのキム・テジョン主務官は、「“麻薬のり巻き”が特許商品だとすれば、法的対応をすることはできるが、そうではないため、大企業自らが自制するしか方法はない」とため息をついた。