“映画祭”で変身を準備する韓流の聖地“新大久保”!
入力 : 2013-11-02 14:02:01 / 修正 : 2013-11-02 14:02:01

 

 

「新大久保ドラマ&映画祭」の李承珉(イ・スンミン)実行委員長。

 

[スポーツソウルジャパン|安・ビョンチョル記者] 日本内最大のコリアタウンであり韓流の聖地と呼ばれる東京・新大久保が、映画祭の開催を通じてイメージ変身を準備している。独島(トクド、日本表記:竹島)問題で日韓両国の対立が激しく悪化した以後、民間レベルでの初の大規模な文化交流イベントで、新大久保の活性化と真の日韓交流の場として生まれ変わろうとする意味のある動きが多くの関係者らの耳目を集中させている。


今回の映画祭の正式名称は「新大久保ドラマ&映画祭 2014」。来年3月21日に開催を予定しているだけに実務陣の動きが忙しい。10月中旬<スポーツソウルジャパン>が同映画祭の実行委員長に会うために、新大久保にある“K-PLUS韓流百貨店”を訪れたときにも実行委員会の会議が行われていた。

「新大久保映画祭」の最大の特徴は、政府や関係機関から出てきた事業ではなく、民間レベルで議論・準備されるイベントということだ。予定通りに映画祭が来年3月に開催されると、昨年の独島問題で両国関係が梗塞してから初の大規模な文化交流イベントとなる。これまで「日韓文化祭り」や「JATA観光博覧会」など両国の交流イベンはあったが、そのすべては官主導の企画だった。民間レベルでのイベント開催は一度もない状態で、日本での韓流が非常に困難な状況に追われているのを裏付けている。

 

新大久保ドラマ&映画祭」の李承珉(イ・スンミン)実行委員長。


それでは、なぜ今のような厳しい時期に民間の人々が大規模なイベントの開催に乗り出したのだろうか?「新大久保ドラマ&映画祭」実行委員会の李承珉(イ・スンミン)実行委員長は、最大の理由として“新大久保の危機”を挙げた。


李委員長は、「映画祭の開催を決定したきっかけは危機感からだった。実際に映画祭開催の話が出たのは2年前。韓流と新大久保の活気が最高潮に達した時期だったが、新大久保ならではコンテンツが不足しているとの指摘も一部で提起され、その代わりに考えたのが映画祭の開催であった。そんな中、独島問題で両国関係が最悪になった。両国の政治的対立と比例して新大久保を訪れず客足も急減し、売上高基準で半分の水準まで低下した。新大久保が再び活気を戻すためには、地域住民が力を合わせて具体的なアクションを取る必要があった。地域住民もこの考えに共感しており、数回に及ぶ意見調整と会議を通じて映画祭の開催を具体化し始めた」と映画祭を企画した背景を説明した。


しかし、映画祭開催は単に落ちた売上高を引き上げようとする営利的な目的から始めたのではない。李委員長は、新大久保が持っている固有の特性を生かすと、「両国の政治的状況に振り回されない新大久保のコンテンツの創出」が可能だと信じていた。


李委員長が語る“新大久保だけのコンテンツ”は、新大久保が持つ3つの特徴から起因する。まず、日本最大の韓流の聖地というイメージ。このイメージは日本国内の韓流ファンを一つに集結させるブランドとして発展することができる。
2番目は、コリアタウンと呼ばれる新大久保が持つテーマ性だ。日本人にとって新大久保は、東京に位置する“小さな韓国”という認識が強い。日本国内で韓国を感じることができる唯一の地域で、横浜のチャイナタウンのようなテーマ性の濃い町に跳躍することができる最適の条件を備えたとも言える。
最後に新大久保は、東京に住んでいるアジア人たちが集まる国際的な場所という特徴も持っている。韓国だけでなく、中国、ベトナム、フィリピン、タイなどアジア各地の人々が新大久保を中心に生活圏を形成していることは、多人種多文化が共存する平和の象徴として新大久保が持つイメージをさらに拡大することができる。

 

「新大久保ドラマ&映画祭」の李承珉(イ・スンミン)実行委員長(左)と原田通事務局長

 

映画祭実行委員会の原田通事務局長は、新大久保が持つ3つの特徴と映画祭をマッチすることで、新大久保映画祭を国際映画祭に移行することを究極の目標に設定していた。原田事務局長は、「映画祭は本当に多い。日本では、地域活性化のために地域ごとに多くの映画祭を開催しているが、単に人々の注目と足を引くという目的だけでは大きな成功は期待しにくい。東京国際映画祭以外には知られている映画祭がほとんどないのがその証拠。そのため、ほとんどの映画祭が単発で終わる場合が多いが、新大久保の映画祭は大きく発展する可能性が高い。この町が持つ独特の特徴が、中長期的にも事業を継続していく力を与えるからだ。もちろん初期には韓国を素材・テーマにした映画が多いだが、アジア人が共存している特性を生かすと、釜山国際映画祭のような国際映画祭へ発展することができると思っている」と今回の新大久保映画祭に対する期待感を表した。


映画祭の開催を通じて期待できる効果は3つある。地域の活性化と日韓文化交流、そしてアジア人が共存する平和のイメージの構築がそれだ。李委員長は、「もちろん、1回の映画祭開催だけでは成遂げない課題であり、夢のような効果だが、10回20回も映画祭を続ければ、実現可能な話だ。映画を通じて両国の文化交流と、アジア人がお互いの理解を深めることができる映画祭にしていきたい」と映画祭の開催と新大久保の未来像を説明した。


新大久保映画祭の開催までは、スポンサーの確保、十分な上映館の準備、地域民の協力など様々な課題が山積している。しかし、町の危機を肌で感じ取った現地の韓国人たちが自ら乗り出しただけに、その意欲と覚悟は格別な部分がある。新大久保の商人をはじめ、関連団体の参加と協力も積極的に行われているため、新大久保映画祭への期待感がますます高まっている状況だ。今までとは違う新しい色のイベントで新大久保の再跳躍を成遂げることができるのか、その推移が注目される時点だ。


一方、「新大久保ドラマ&映画祭」実行委員会は、最近人気急上昇中の韓流スターのキム・シフを広報大使に委嘱し、映画祭の開催を発表する正式な記者会見を12月に開く計画だ。映画祭は、来年3月21日から3月30日までの十日間開催される予定。

 

 

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