ゲーム界“ミダスの手”がオンラインゲーム強国の復活に始動をかける!
入力 : 2013-10-18 22:27:19 / 修正 : 2013-10-18 22:27:19

 

㈱NSスタジオのユン・サンギュ代表は18日、<スポーツソルウドットコム>とのインタビューで、「PCオンラインゲームの強国として復活させる」と抱負を伝えた。|撮影:チェ・ジンソク記者

 

[スポーツソウルドットコム|キム・ヨンジョン記者] 朴槿惠(パク・クネ)政府の国政基調である“創造経済”の核心は、想像力と融合である。斬新なアイデアに科学技術と文化を合せ、新しい市場と仕事を抄出することだ。また話の種や音楽、そしてキャラクターなど、さまざまなコンテンツが融合された“総合創作物”であるゲームが、創造経済の“核心”として呼ばれる理由がここにあるのだ。


株式会社NSスタジオのユン・サンギュ(前NEOWIZ GAMESの代表)は、このような朴槿惠政府の“創造経済” 国政基調を設計した大統領職の引受委員会の青年委員として抜擢され活躍してきた。彼はNEOWIZ GAMESの創立メンバーとしてはじめ、NEOWIZ(NEOWIZ GAMESの持株会社)の理事を務めており、やがてはNEOWIZ GAMESの代表取締役社長として高い評価を受けた。
NEOWIZ GAMESの代表時代、FPS「クロスファイア」を中国市場に進出させ、市場シェア30%、年間売上1兆ウォン(約920億円)を達成させた中枢的役割を果たした彼は、また新しいゲームでこの世界の韓流神話を準備している。
NEOWIZ GAMESの代表職をやめ、中国とインドネシアなどの新興ゲーム市場で、“ゲーム韓流”を続けるためにベンチャーを創業した。引受委員会の委員に選任されながらゲームを含むIT全般の政策の枠を作り、次期政府5年の青写真を描いた後、自からそれを実践しているのだ。引受委員会時代にはそれまでの経験を土台に、海外就職、創業政策である「K-MOVE」の形を整えた。今はそのクリエイティブな力を源にした海外進出に乗り出したところだ。
ゲームベンチャー業界の“ミダスの手”と呼ばれるユン代表を17日、京畿道(キョンギ・ド)盆塘(プンダン)にあるAKプラザ・17階の社屋で会い、NSスタジオの作品、現在韓国のゲーム産業、そして今後のゲーム政策について尋ねてみた。約1時間半に及んだインタビューで彼は、腹を決めたかのようにNSスタジオの作品と韓国ゲーム産業の現実、問題点などを打ち明けた。

 

ユン代表は、自社が開発している正統FPS「バイパーサークル」が、PCオンラインゲーム世界の新しい韓流を巻き起こす“第2のクロスファイア”になると、期待感を示した。

 

◆正統FPS「バイパーサークル」が、第2のクロスファイア神話を作る!
引受委員会活動を終えたユン代表は、その後多忙な日々を送っている。NSスタジオの代表として、また新しいゲーム韓流神話を夢見ながら、今の仕事に拍車をかけているからだ。NSスタジオはA.V.Aなど、韓国の有名シュッティングゲームを開発したパク・ボヒョンプロデューサーと、NCソフト出身のイ・ミンピョチーム長など、韓国最高水準の開発陣を含む約90人のスタッフらが、絶えない挑戦と情熱を注いでいる会社である。
ユン代表は「NSスタジオは、NEOWIZ GAMESから分離されて半年くらい経った。主力商品は、世界オンラインPCゲーム市場を席巻しているシュッティングゲームだ」と話を切り出した。NEOWIZ GAMESの代表時代、彼はすでに「クロスファイア」を中国市場に進出させ、非常に高い業績をあげた“華麗な”履歴がある。こうした経験を生かして“第2のクロスファイア”を期待しながら「バイパーサークル」の公式オープンを準備中だ。
彼は「世界最大規模の中国ゲーム市場で、不動のシェアを記録しているクロスファイアの後続作“バイパーサークル”が、2014年の半ば頃にリリースされる予定だ。今年の3月には非公開で、第1次シミュレーションテスト(以下、CBT)と行ったが、その後半年が過ぎてからは完全に違うゲームに生まれ変わった」と述べた。
1次CBT当時は、1、3人称が混用された“SF的”な雰囲気を漂う「バイパーサークル」だった。しかし現在の「バイパーサークル」は、FPSの正統である1人称になってSF的な雰囲気も“ミリタリー”に変化した。
「1、3人称を混用した“バイパーサークル”は、実際FPSの“変種”とも言える」としながら「CBT以降、スタッフらとこんな話をしたことがある。よくプロ野球で優勝したピッチャーが“直球”を投げるようで“正統FPS”を作ろうという意見が出てきた。ゲーム開発会社のどこも“差別化”を叫んでいるものの、実際には正統FPSがないことが、その話の核心だった。考えてみたらユーザーらはむしろ“正統”に喜んでくれると思った」
彼の話を聞いてみると、最近韓国のゲーム会社が発表したFPSはなかなかないものだった。彼は「それもそのはず、多くのゲーム会社らが2009年から2011年までシュッティングゲーム開発に力を入れてきたが、その殆どが失敗を味わった。その後“リーグ・オブ・レジェンズ”が市場を掌握し、続いて期待作“ディアブロ3”が出た。これに開発会社らは、シュッティングゲームに背を向け、MMORPGやAOSの開発に取り組んだわけだ」と遺憾な気持ちを表せた。
続いて「私たちが2011年当時FPSを作ろうとした時、周りからは“どうして?”という反応だった。しかし私たちは現在のシュッティングゲームの沈滞状態がチャンスだと考えた。FPSを楽しむユーザーらにとって、FPS“バイパーサークル”の登場は、嬉しいニュース、もしくは新鮮なことだと思っている」というユン代表の目は自信に輝いていた。
彼の目標は韓国だけではない。引受委員会の時代から主張してきた海外進出、ゲーム韓流の主なターゲットである新興ゲーム市場である中国とインドネシアへの進出も準備中だ。
「“バイパーサークル”はアンリアルエンジン3を使用して、高クオリティのグラフィックが再現できる。ただアンリアルエンジン3の問題点である不自然な動きがあるが、これを最適化して、打撃感がよくカジュアルにゲームが楽しめるのが“バイパーサークル”の特徴である」と言いつつ「その他に、中国市場への進出のために、PC仕様も中国に合わせたので、全世界どこでも快適にゲームが楽しめる。韓国内1位追撃に続いて、海外市場での活躍も期待している」

 

ユン代表は、韓国のゲーム規制について「一つのゲームだけをみるのではなく、ゲーム産業の全体をみるべき」と強調した。

 

◆ゲーム“中毒”ではなく“集中”。ゲームだけではなく、ゲーム産業をみるべき
「バイパーサークル」の年齢制限を聞くと「グロ系ゲームではないので、“青少年利用可能”になると思われる」と答えた。青少年利用可能という言葉に、最近再び論争を招いた“ゲーム規制”が浮かんできた。
特に銃を使い相手を殺すFPSは、当然論争の中心になるのが現実だ。
これに、女性家族委員会で来月6日に行う国政監査では、(有)ライオットゲームズコリアのオ・ジンホ代表を証人として立たせたに続き、セヌリ堂のファン・ウショ代表は、「ゲームは社会の悪」と発言したことがある。こんな状況に対して、ユン代表の意見を尋ねた。
「ゲーム中毒と表現すること自体は行き過ぎた表現だと思う。この業界では“集中”と表現する。それが酷くなると“過集中”になるわけだ。ゲームが“4大中毒の一つ”という誤解でもない誤解をされることに、ただ残念に思うだけだ」とし「だが、そんな発言にゲーム業界が敏感に反応しないでほしい」と慎重な姿勢をみせた。
彼はすぐ、正義したいことがあると語った。ユン代表は「引受委員会時代にも言った話だ。車を例えると、車は一つの機械装置にすぎない。某メーカーの車で事故が発生した時、その車が問題なのか、または自動車産業の全体が問題なのか。ゲームも同じだ。ゲームが悪いのか?もしくはゲーム産業が悪いのか?をみるべきだ」と強調した。
韓国コンテンツ振興院によると、コンテンツ輸出でゲームは、輸出費の60%を占める高付加価値産業である。ゲーム産業が発展したことで仕事が増え、PCとモバイル事業も拡大された。これに加わってネットカフェ市場も、ゲーム産業として派生された産業の一つだ。このように諸産業とそれに関連した職業が有機的に生態系を作ったものの、ゲーム一つ一つのコンテンツだけをみて、物をいうことはおかしい。というのが彼の話だ。
彼は「こうして視野を広げると、ゲーム産業の全体が見えてくる。連結された企業も、その中で働く国民も見えるはずだ。スマートフォンの使い道もゲームを通じて多くなり、テレコムらがネットワーク構築を通じて、もっと早い通信サービスが提供できたことも、ゲームが与えた影響が大きいはずだ。しかしIT強国という韓国で、この巨大な生態系の中で大きな部分を占めるゲーム産業に、“中毒”、“4大悪”と命名することは、ゲーム産業をあまりにも小さくみているからだと思う」とし「一緒に利益創出ができる生態系を“ゲーム”一つに限ってはいけないと思っている」と強調した。

 

ユン・サンギュ代表は「私を含むスタッフ皆は、PCオンラインゲームの中で、シュッティングゲームを作っているというプライドを持っている」と強調した。

 

◆PCオンラインゲーム開発会社のモバイルゲームの転向…
ユン代表は、最近のゲーム開発会社が簡単に作られ、配布できるモバイルゲームの開発に集中され、ゲーム韓流をリードした大作PCゲームの開発が委縮されたことを恐れた。彼は「現実的な話をすると、開発会社らはすごく大変な状況だ。金融権がPCオンラインゲームを完全に無視していることが肌で感じられるくらいだ」と述べた。
ユーザーとインフラを根拠に、金融権の投資がなくなったという。彼は「ユーザーのことをいう時は、世界のユーザーのことをいうべきだ。実際韓国のゲーム市場がこれまでの成長を成し遂げたのは、国内市場ではない。海外のパブリッシャーたちが韓国ゲームでサービスをして成長し、そのおかげで韓国のゲーム会社らが成長しながら、韓国のゲーム産業の土台を築いてきたのだ」と強調した。


またモバイルゲーム市場も言及した。ユン代表は「沢山の投資者やそれ以外の連中も、PCオンラインゲームからモバイルゲームに乗り換えているところだ。しかし、易しく操作できることを利用して、乳児、子ども、中高年、老人などでゲームのユーザー層が拡大されただけで、PCオンラインゲームのユーザーらが、モバイルに移動したわけではないと思っている」と分析した。
彼は「ゲーム開発会社がモバイルゲームに専念していることをみると、“悪魔がくれた甘い果実をゲーム会社が食べてしまった”と思う。5~6年の開発期間に、投資金は最大600億ウォン(約55億円)までかかる。こうして力を注いだPCオンラインゲームに比べ、10人くらいのスタッフに半年から1年、3億~10億ウォンくらい投資したモバイルゲームは、その中でたった数個だけが成功しても、現金の回転が早くなれる部分もある。十分に“悪魔の果実”になる」と説明した。こうした点でパブリッシャーを含めたゲーム業界は、ユーザーを排除して“果実”を食べるしかないというのだ。


しかし、開発者段階で問題が発生した。魂を込めた“匠の精神”を持って、スキルで勝負する開発者、「風の国」「リニジ」などを開発した“凄腕プロデューサーのソン・ジェギョン”のような人物がいないということだ。無論モバイルゲームで勝負の鍵は“クリエイティブなアイデア”だ。しかしそれを実現できる高クオリティの開発力と、何かを継続して学んでいく成長力が、今の業界にはないというのが、ユン代表が語る問題点だった。
「以前は“A TO Z”という成長レベルがあったが、相変わらずコンソールゲーム、アーケードゲーム、PCオンラインゲームに、そういうものが存在している。しかしモバイルゲームにはそれがない。反復的で直観的な設計方法で、一定の時間がすぎると、敢えて初期開発者でなくても十分にアップデートができる」と説明した。
続いて「モバイルへの転向がいい現象ではないようだ。これから大きな問題点が発生する可能性もある。多くの海外ゲーム開発社は、スキルを育ってPCオンラインゲームの開発を続けている。しかし何故か、感国だけがモバイルゲームに偏重しているみたいだ。いわゆる“神ゲーム”のせいで、韓国人の鉄鍋のような癖が、ゲーム産業にまで影響を与えている」とため息を吐いた。


ユン代表は最後に「私も“新石器(オンラインPCゲーム)”から“青銅器(モバイルゲーム)”に乗り換えるべきか。と思ったことがある。だけど、それが進化するために方法とは思わない。NSスタジオの『バイパーサークル』、『ディーゼル』を基本にしたモバイルゲームも作れる。私と会社のスタッフ皆は、PCオンラインゲーム、その中でシュッティングゲームを制作することにプライドを持っている。私たちは韓国に限らず、海外を目指して、PCオンラインゲームの新たな強国として復活するはずだ」と抱負をみせた。

 

 

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