「その冬…」1, 2話だけで視聴者はメロメロ!
入力 : 2013-02-15 18:27:12 / 修正 : 2013-02-15 18:27:12

 

SBS水木ドラマ「その冬、風が吹く」が、オンエア1・2話だけで多くの視聴者から高い評価を受けており、もう一つの“ウェルメイドドラマ”の誕生を予告した。| SBS「その冬、風が吹く」放送キャプチャ

 

[スポーツソウルドットコム | キム・ガヨン記者] 第1話と第2話を連続放送したことで、初回から非難の対象にはなったが、そんなむちゃな編成にも関わらずSBS新作ドラマ「その冬、風が吹く」(以下、その冬…と表記)が、たったの2回分の放送で、視聴者らを完全に掌握し、もう一つの大ヒットドラマの誕生を予告した。


「その冬」の1話と2話では、主人公のオス(チョ・インソン)とオヨン(ソン・ヘギョ)を中心に二人を巡る人物関係図が描かれた。前半から吸入力を高めて仕組みのいい展開は、視聴者の目を一時も休ませなかった。2話分が連続で放送されることで心配の声もあったが、「7~8話分まで撮っておいたので大丈夫」と言う制作陣の自信は、ただ見栄を張るのではなかった。


キム・ギュテ監督とノ・ヒギョン作家も、その名声に相応しいスタートをきった。まるで映画を見るような優れた映像美と、しっかりとしたシナリオ、宝石のようなセリフは、視聴者の目と耳を楽しませた。
微細な感情を捉えるために、クローズアップを多く使ったというキム監督の意図は的中し、チョ・インソンとソン・ヘギョが演じるデリケートな演技もキム監督は見逃さなかった。


またノ・ヒギョン作家も、その健在さを誇示するに十分だった。行き過ぎない淡泊なセリフ、感情の爆発と切除を行き来する俳優らの演技は、彼女が表現しようとする世界観を上手く伝えていた。
JTBCの「パダムパダム 彼と彼女の心拍音」(2011年作)、KBSの「彼らが生きる世界」(2008年作)、「グッバイ・ソロ」(2006年作)、「花よりも美しく」(2004年作)など、確実にマニアを作ったスター作家らしいストーリをまたも再現したのである。

 

「その冬、風が吹く」制作発表会に参加したチョ・インソン、ソン・ヘギョ、チョン・ウンジ、キム・ボム(左から) |スポーツソウルドットコムDB


何よりも視線を引くのは二人の主人公、ソン・へギョとチョ・インソンの演技だった。
この作品で視覚障害者を務めるソン・へギョは、視線の処理や手の動作、まなざし一つまで欠点のない完ぺきな演技を見せてくれた。空虚な瞳、繊細な手ぶりと眉毛の震えまで、視覚障害者のオヨンを演じる彼女は、5年というブランクが感じられない見事な芝居をみせたのだ。


ソン・へギョはドラマのオンエアに先だって開かれた制作報告会で、オヨンというキャラクターの難しさを吐露しながら、「実際に視覚障害者の方に会ってさまざまなことを研究した。その演技はしているけど、まだまだ難しい」と言いつつ、「たぶん、『その冬』の撮影が終わるまでこの悩みは続くと思う」と語った彼女だが、そんな悩みが演技にそのまま表れたようだ。


キム監督の意図も、ソン・へギョの演技に溶け込んだ。
クローズアップで人物の微細な表情を表現したかっただけに、1, 2話ではソン・へギョの顔をアップする場面が多かった。屈曲が多い人生により冷たい表情や感情を失ったまなざしで、オヨンの気持ちを表現した。
復帰作で「その冬」を選んだチョ・インソンも、断然際立っていた。彼はソン・へギョと安定的な呼吸で「その冬」をリードした。
チョ・インソンは、この作品で優しい男のイメージを捨て、強くてタフな、そして冷たい感情を持つオスをしっかりと演じながら、これまでのブランクを埋め尽くした。


チョ・インソンは、1, 2話の放送で自分の全てを見せながら、“女心”を完ぺきに捕まえた。甘い笑顔の中に隠された残酷な面貌など。相半した魅力で視聴者から好感を得た。
特に、高い身長と抜群なルックス、完ぺきなスターリングで“元祖イケメン”スターの健在さ見せびらかした。


キム・ボム、チョン・ウンジ、ペ・ジョンオクなどの脇役たちも目立っていた。
オスを実兄のように従うパク・ジンソン役のキム・ボムは、行き過ぎない演技で自分の役割を果たし、このドラマが地上波デビュー作となったチョン・ウンジは、オスの初恋の妹のムン・ヒソン役で、tvN「応答せよ、1997」とはまた違う魅力を見せてくれた。
他にも殺し屋に変身したキム・テウ、オヨンの父親の秘書であり彼女の面倒をみる謎の女、ペ・ジョンオクの正体も気になるところだ。


 “始まりは半分”という言葉のように「その冬」は順調なスタートをみせた。原作(愛なんていらねえよ、夏)と比べると弱点はある。しかしノ・ヒギョン作家とキム・ギュテ監督、そして俳優陣の個性で一丸となった「その冬」は原作との比較を拒むようだった。
最後まで好評を受けながら、“ウェルメイドドラマ”としてヒットを果たすか、共感を引き出さないただの“マニアックなドラマ”で終わるか。その判断は視聴者に任せよう。
 

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