(C)Tomoko Nozaki |
俳優ソ・ジュニョンが11月23日、東京・渋谷ユーロライブにて入隊直前のラスト・ファンミーティング「SeoJunYoung FANMEETING 2016 in TOKYO」を昼夜2回開催した。
同イベントは入隊前に日本ファンに直接、挨拶したいと自身が切に願い、自ら多くの企画に携わったイベント。現在、KBS Worldで放送中の過激すぎる愛憎ドラマ『凍える華(原題:天上の約束)』に、カン・テジュン役で出演しているソ・ジュニョンをひと目見ようと、会場には多くのファンが足を運んだ。昼夜に渡り開催されたイベントでは、トークやファンからのQ&Aをはじめ、レアな私物のプレゼントやフォトタイム、さらにハイタッチ会や2ショット撮影会など、日本のファンとともにかけがえのない時間を過ごした。
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オープニングは大きな歓声が沸くなか、客席よりファン1人1人と視線を合わせながら登場したソ・ジュニョン。会場を見渡しながら「今日はありがとうございます。一緒に楽しみましょう!」と日本語であいさつしてトークコーナーへ。冒頭には、ドラマ『花ざかりの君たちへ』(2012年)で共演したSHINeeミンホからもイベントを祝福したビデオレターが流れ、会場を沸かせた。
3年ぶりのファンミーティングにソ・ジュニョンは、「緊張する。撮影現場にも、ものすごく準備して作り込んでいくので、みんなに『緊張するな』と言われる。皆さんにはそう見えないかもしれないがものすごく緊張していて腰が痛くなるほどだ」と苦笑い。また、料理が趣味で「若い頃から1人暮らしをしているので、朝ごはんは必ず食べていく。前日どんなに遅くなっても、1時間しか寝られなくても朝は30分くらい時間をかけて食べてから出掛ける。一日中何も食べられなくても朝ごはんを食べていればかんばれるような気がする」と食に対するこだわりも見せた。
夜の部では、出演した作品後半を振り返りながらトークを展開。昼夜のイベントそれぞれのコンセプトがあるので昼の部で語ったことはMCがフォローすることもあり、たびたび会場に笑いが起こる場面も。デビュー作となった『悲しき恋歌』(2004年)のミュージックビデオで、クォン・サンウの少年期を演じた時の役名“ソ・ジュニョン”を芸名にした由来について「本名はもともと曽祖父が付けてくれたが、今の時代の名前ではないと思い、ありきたりだった本名よりもよかったから」と語り、ターニングポイントとなった作品として映画初主演作『Eighteen~旋風~』(2010年)を挙げ、「俳優人生を続けるか悩んでいた時期にこの作品のオファーがあった。演じているうちに何か心に変化が起こり、自分の中では大きな映画になった。その後に自分に起こった色々な変化を吸収できるようになったきっかけの映画」と明かした。
また、映画『Bleak Night』(2010年)では、2011年に第19回大韓民国文化演芸大賞映画部門新人演技賞を受賞。「とても大きい賞だったが、トロフィーを貰ってくるのを忘れてしまい、もう一度貰えると思ったらもらえずじまいになってしまった。経歴には残っているがトロフィーは手元にない」と衝撃的な告白も。ドラマ『シリウス』(2013年)では一人二役を演じ、「対話シーンが不自然にならないように、自分の声を録音したものを聞きながらもう一人の自分の役を演じた」と役作りでの苦労を語り、『シンデレラの涙』(2014年)ではバイオリンを披露するシーンについて、実際、小学生の頃6年ほど習っていたというエピソードも明かされた。その後も続々と出演をこなし、2017年公開予定の映画『悪の花』ではT-ARAのウンジョンと共演しているが悪態をつく役どころに「この映画が公開されたら僕のアンチファンが増えるかもしれない」とほのめかし期待を高めた。
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ファンからのQ&Aでは、俳優を目指していたという13歳の男の子の質問で「俳優になって楽しかったことは?」については「すごく良い質問。1つ目は、自分が生きたことのない人の人生を演じられること。こういう会が開けることもうれしい。勉強はしなくてもいいかと思っていたが、今はしておけばよかったと残念に思っている。何になるにしても勉強は大事」と返答し、再び俳優への夢に挑戦する勇気を与える一幕も見受けられた。
終盤は、自身が制作したという出演作の名場面を集めた映像をバックに、キム・ガンソクの『30歳頃に』を熱唱。「今までずっと続いて作品をやってきた理由は、僕のことを応援して作品を愛してくれる皆さんのために、気軽な姿ばかりをお見せしたくはなかった。皆さんの前に出ることもしてこなかったのはそういった理由があるから。でも、こうしてお会いしてみると本当に楽しいしうれしいので、そのことを力にして今まで一生懸命に走ってこられたし、これからも走って行こうと思う」と意欲を示した。
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今後の展望として「今まで韓国バラエティにはほとんど出なくて、俳優というのは演技だけをしていればいいという自分なりの考えがあった。でも、今回のファンミーティングを準備しながら本当にたくさんのことを感じ、演技は自分1人でするものじゃないんだなと今回切実に感じた。韓国でファンミはしたことがなかったが帰国したらやってみたいと思う。また、演技がうまければ、演技だけしていればいい、何か1つでもうまく出来ることがなければいけないと思っていたが、自分で思うほど演技ができていないと感じている。今後はもっと共感できるような場を作れる俳優になりたいと思う。20代について後悔はしていない。僕にとっては宝物のような皆さんとの距離を縮めてくれた作品や機会になったと思う」と思いを告げてイベントの幕を閉じた。
長編ドラマの主演もあるが、特別出演やカメオ出演の作品も多く、さまざまな作品でそのキャリアを積み重ねてきているソ・ジュニョン。しばらく会えなくなるのは残念だが、早くも除隊後に期待をしてしまう。きっと、あの笑顔でまた戻ってきてくれることだろう。
THE FACT JAPAN|射場倫子/野﨑友子