提供:(C)ANGELIQUE&NEGANETWORK |
[スポーツソウルジャパン|小川典子記者] 新人3人組グループLUNAFLY(ルナフライ)が、12月1日、TOKYO FM HALLにて、日本初単独公演を開催。オリジナル曲「How nice would it be」や、ジャスティン・ビーバーの「Baby」など、カバーを含む全16曲を、それぞれのオリジナルを生かしたアレンジで披露し、集まったファンと音楽を通じて、温かい交流のひとときとなった。
LUNAFLYは、リーダーのSam(サム)を筆頭にTeo(テオ)、Yun(ユン)のメンバーで、今年9月に、メンバーが作曲した「How nice would it be」で韓国デビュー。これに先立ち、iTunes World Wideを通じて公開されたこの曲は、デビュー当日に公開されるやいなや、韓国リアルタイムチャートで1位を記録。その音楽性と、ビジュアル性に富んだ個性あふれるグループである。
開演時間になると、静かに会場が暗くなり、メンバーからのビデオメッセージが流れる。初めての日本での公演ということで、期待と緊張が入り混じった様子。ジャンベの練習に熱が入りすぎて指をケガしてしまったというTeo。「みなさん、がんばって準備したので、楽しんでください!」と、これから始まるライブへの抱負を呼びかけた。まず、第1曲目は、ジャスティン・ビーバーの「Baby」のカバーから。SamとYunによるツインアコースティックギターに、Teoのジャンベがリズムを刻む。ダンサブルなオリジナルより、ぐっとしっとりとしたアレンジに、観客はのっけから彼らの世界観に引き寄せられた。
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「You got that something I need」などを披露した後、「ここからは、日本の曲をみなさんにプレゼントします」とキーボードに移動したTeoによる曲の紹介では、平井堅の「瞳を閉じて」をカバー。さきほどのビデオメッセージでは、日本語はまだまだと謙遜していたメンバーだが、見事な発音での熱唱ぶりに、観客もクギづけに。ここで、Teoのソロコーナーに。スティービー・ワンダーの「Part-Time Lover」を、弾き語りで披露した。“万能プレーヤー”と称される彼が、フックの効いた奏法で、会場をジャジーな雰囲気に彩った。
そして「今度は、ノリのいいナンバーをお届けします!」というYunのメッセージに引き続き、オリジナル曲「What’s your name?」を、アコースティックからエレキギターへと持ち替えて、疾走感のあるメロディを楽しむ。一人ひとりの観客に、サビのフレーズを客席に呼びかける。とてもうれしそうなメンバー。初舞台の手ごたえを実感しているように見えた。すっかり熱くなった会場に、Samも両手で顔をあおいでテンションが上がったようだ。続く「One more step」のサビでは観客との一体感を楽しむ。「いかがでしたか?」というメンバーに大きな拍手が贈られた。
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この日は、開演前に集まったファンから質問を受け付けており、メンバーからその答えを直接聞くことができるコーナーも設けられた。楽曲作りの方法については、どんな雰囲気の曲にしようかとまずは相談しあい、そのイメージに合わせてコードを進行していき、自由にアレンジしていくそうだ。デビューシングルに関しては、1週間、家に閉じこもっての作業だったらしい。「つらかったけど、楽しかったです!」と、Teoが笑顔を見せた。最終的に意見をまとめるのは、やはり、リーダーのSam。「リーダー!」と客席から声がかかると、他のメンバーも「カワイイ!」と“応戦”した。
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Teoが続いての質問を読み上げようと日本語にトライするが「ん…ごめんなさい!」とギブアップしてしまう場面も。好きなアーティストについては、「たくさんいるので、悩みますね…」と言いながら、Samはブラック・アイド・ピーズを挙げた。自分たちとはカラーの違うサウンドに惹かれているそうだ。ピアノが好きなTeoは、ジャズピアニストの上原ひろみやジェイミー・カラムを挙げ、小さいころからX-JAPANのファンだというYunは、他にもリンキン・パークやmaroon5に関心があると、それぞれ個性のあるコメントが述べられた。
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次に“初めて日本に来てびっくりしたことは?”という質問。初めての来日は大阪だったらしく、Yunは、自転車に乗っている人の数に驚いたとしながら、車のクラクションがソウルより激しくなく「気持ちがいいですね」と笑いを誘った。その滞在時にTeoは、たこ焼きが大変気に入ったらしく、Samいわく「たこ焼きだけで5.000円を費やした」という驚きのウラ話が飛び出した。そのSamは、イギリスで生まれ20年過ごし、韓国も滞在は1年。左側通行である車の右ハンドルが同じ日本に「ホッとします」と、意外な感想を聞くことができた。
ここで、会場から選ばれたファンがステージに上がり、歌をプレゼントするというサプライズ企画も飛び出した。ピンクのハート色にライティングされ「Just the way you are」を3人の王子様がひざまつき、目と目を合わせ、至近距離で歌う。感激いっぱいのファンに、「カワイイですね!」とメンバーたちが感謝の気持ちを伝えた。「僕の方が緊張しました…」とYunもドキドキ感をのぞかせた。Samのソロコーナーでは、Yunがドラム演奏を担当したエネルギッシュなナンバー「Break your heart」や、スピッツの「ロビンソン」のカバー、そしてYunのソロコーナー「I’m yours」が続いた。それぞれの楽曲に合った、彼らが醸し出すグルーヴィー感に、観客も身体でリズムを取り、身をまかせている。とても心地のいい空間である。
その後、プレゼントの当選者を決める際には、抽選で引いた座席の番号を日本語で読み上げようと、ふたたびトライするTeo。イチ、ニ、サン…と指を折りながら、果敢にチャレンジしている姿が印象的であった。
もう少しで、公演も終わりの時間に。Teoが「もう最後の2曲を残すのみとなりました」と、とても残念そう。「これから、もっともっと日本で公演していきたいと思います!」とうれしいメッセージを伝えた。Yunは、「こうして公演を支えてくれている、スタッフやファンのみなさんに、心から感謝します」としながら、日本語で「みなさん、ありがとうございました。愛してます!」とコメント。Teoからの「みなさんへお送りする、今日、最後のプレゼントです!」というメッセージに続き、12月5日に発売される、セカンドシングルのタイトル曲「清い日曇った日」を初披露した。そして、デビュー曲「How nice would it be」を残し、ステージを去った3人。
盛大な拍手に迎えられ、ネコ耳フードがキュートなおそろいのパーカを着て、ふたたび登場したメンバー。その衣装を指差して「カワイイ?」と聞いている。日本語の勉強で気に入ったフレーズなのだろう。そして、メンバーがステージを下りて「Jingle Bells」を、観客とともに楽しく大合唱となり、ファンとともに、ひと足早いクリスマス気分を味わった。握手をしたり、ハイタッチをしたり、3人からのプレゼントに大盛り上がりの会場。ナオト・インティライミの「今のキミを忘れない」を、最後に歌い届け、公演は終了となった。
また、ライブ終了後には、参加者全員と握手会の時間が設けられるなど、終始、貴重な機会がたくさん盛り込まれた公演になった。
〈セットリスト〉
「Baby」
「You got that something I need」
「The lazy song」
「瞳を閉じて」
「Part-Time Lover」
「Price tag」
「What’s your name?」
「One more step」
「Just the way you are」
「Break your heart」
「ロビンソン」
「I’m yours」
「清い日曇った日」
「How nice would it be」
アンコール
「Jingle Bells」
「今のキミを忘れない」