M.C the MAX、来日初単独公演!“新人のつもりで再スタートします!”
入力 : 2012-12-03 09:17:34 / 修正 : 2012-12-03 09:17:34

 

撮影:小川典子

 

[スポーツソウルジャパン|小川典子記者] 3人組 バンドグループ、M.C the MAX(エムシーザマックス)が、11月25日に東京・原宿クエストホールにて、来日初のライブを開催。メドレーやアンコールを含む15曲を披露し、会場に集まった熱心なファンとともに、たっぷりと彼らの魅力を感じることができる時間となった。

 

撮影:小川典子


M.C the MAXは、2000年にデビューした、ユニットMoon Childを前身としたバンドグループで、ボーカル兼ギターのイス、ドラムのチョン・ミンヒョク、ベースとヴァイオリンを担当するJ・YOONの3人で構成されるバンド体制のグループ。グループ名の由来は、“Moon Child the MAX”を略したもので、アイドル色が強かった前身より、さらに音楽的最大値を引き出すという、彼らの意思が込められている。FTISLANDやCNBLUEという、今をときめく“K-POPバンドグループ”の先駆け的存在でもある。その後、軍入隊や除隊などを経て、昨年の2011年にはソウル・ヨンサンアートホールにて、除隊記念コンサートを開催し、チケットはソールドアウト状態に。根強い人気を証明させた。


オープニング映像が始まり、サポートメンバーとともにステージに登場したメンバー。いっせいに沸いた多くの歓声に迎えられながら、記念すべき、来日初単独公演の第1曲目は、疾走感のある「Returns」からスタート!のっけからスポード感のあるナンバーで、客席はオールスタンディングとなり、またたく間に熱気でいっぱいとなった。曲が終了し、ギターのコンデションが悪かったのか、イスがスタッフと調整をする場面も見られた。そこがライブらしい瞬間でもある。気を取り直して、「私はそうだ」でふたたび観客をあおっていく。ノリノリの会場からは、「超、かっこいい!」「日本に来てくれてありがとう!」と、大興奮の掛け声が聞こえた。

 

撮影:小川典子


「私は、M.C the MAXのボーカルとギター、イスです!」「ドラムのミンヒョクです!」と自己紹介を続けるなか、「はじめまして、僕が一番…」とJ・YOONが話し始めると、他のメンバーからは、「カッコイイ?」「かわいい?」とツッコミが入るなど、和気あいあいとした雰囲気の3人。


「個人的に40回くらい東京に来ましたが、公演をするために来た今回は、ちょっと気持ち的に違いますね…初めてのライブなのにこんなにたくさん来てくれて、日本の活動も一生懸命やらなくてはと思いました。今日、ここにいるみなさん、一人ひとりが、僕らには“美しい歌の歌詞”みたいです。最後まで楽しんでください!」とイスが代表して、初めての単独公演を迎えた心境を語った。


そして、J・YOONのヴァイオリンの音色が切なく響く「君は涙ぐましい」、壮大なメロディラインが印象的な「幸せにならないでよ」という、グループ初期のバラード曲をメドレー形式で披露していく。


撮影:小川典子

 

この日のMCを務めるのは、ラジオDJの古家正亨氏。古家氏に日本での初単独公演への感想を尋ねられたイスは、「今、すごく緊張しています。みなさんの拍手が必要です!」と率直な気持ちをのぞかせると、会場から激励の拍手が沸いた。

 

2002年デビューして、10年という年月が経った。「貴重な時間でした」と、これまでの活動を振り返りながら、「新人のつもりで再スタートしたいと思います」と、謙虚に日本進出へ意欲を語った。デビュー以来、日本のアーティストとも親交が深い。シンガソングライターの広瀬香美とは、2006年には、広瀬氏からのオファーにより東京フィルハーモニーとの共演が実現している。先ほどの「幸せにならないで」は、広瀬氏の「日付変更線」をカバーしたものである。次の曲も、広瀬氏から提供された「ひまわりも時々首が痛い」をボサノバやジャズのテイストを取り入れたアレンジで、グルーヴィー感を醸し出す。ひまわり色のライティングが、なんとも心憎い。


雰囲気の良いJ・YOON「正直、緊張しています…(日本語で)ドキドキ(笑)!」と胸で手を押さえながら、「みなさん、ありがとうございます!」と、感謝の気持ちを伝える。ミンヒョクも、「僕もJ・YOONさんと同じく緊張していますが、とても“気持ちのいい”緊張感ですね!」と、目を輝かせた。


カバー曲に多く取り組んでいる彼ら。「小さいころから聴いていた安全地帯の曲を挑戦したときは相当なプレッシャーを感じましたが、それよりも、“歌える喜び”の方が強かったですね」と、その安全地帯の「ショコラ」をカバーした「愛の詩」を披露した。さらに、ピアノの美しい調べに導かれて小田和正の「言葉にできない」では、エモーショナルなボーカルが、観客の胸に深く刻まれた。そんな熱唱ぶりに、「最高!」と客席から思わず声がかかる。


先ほど40回くらいは日本に来ているというイス。「今、一番行きたいところは?」という古家氏の質問に「新橋!」だと答えた。なんでも、肉そばがおいしいお店があるらしく、「ぜひ、行きたいですね!今回のスケジュールでは無理そうかな…」と、とても悔しそう。電化製品が大好きなJ・YOONは、日本に来ると、必ず秋葉原に足を運ぶそうだ。“ぜひ買いたい!”という、iphone5の件で、家電好きの古家氏と話が盛り上がる場面も。ミンヒョクは、お台場のガンダムに行くといいながら、「今は、生ビールが飲みたいですね…」と、素の部分を見せてくれた。ここで個人の技を魅せることになったのだが、J・YOONは、映画『ハウルの動く城』から「人生のメリーゴーランド」の一節を披露し、日本音楽への関心の高さをアピールしていた。


ドラマなどのOSTへの参加もさかんな彼ら。イスは、「音楽を聴いたときに、また映像への想いがよみがえってくるところが、OSTの魅力じゃないでしょうか?」としながら、「本当は、テレビを通じて僕の歌声が聴けるところですよね?」と目を輝かせた。そんなトークに続いて、ここからは、ソ・ジソプ主演の「カインとアベル」から「涙は乾かしても…」、イ・ジュンギ主演の「犬とオオカミの時間」から「愚かな心よ」という、ドラマ作品からの挿入歌を披露。後方のビジョンには、名場面がダイジェストで流れ、観客はよりいっそう楽曲に感情移入できるひとときとなった。

 

撮影:小川典子


すっかり彼らの演奏に聴きほれる観客に、「雰囲気を変えて、遊びましょうか~?」と、イスが呼びかけ、ここからは、「私は歌う」やLUNA SEAの「Tonight」など、アップテンポなナンバーをたたみかけていく。演奏をしながら、目と目を合わせ、お互いのアンサンブルを楽しんでいるメンバーたち。曲の合間にも「モシッソヨ(かっこいい)~!」「チェゴ(最高)~!」と、歓声が止まない。


そろそろ終盤に近づいた。ここでイスから「来年、日本で全国ツアーを行います!」と、うれしいニュースを聞くことができた。「少しでもたくさんのファンの方とお会いしたいと思っています」としながら、「日本語でのシングルをリリースする予定があります」とさらに驚きのお知らせが飛び出した!


ラストには、X-JAPANの「tears」をカバーした「少しだけさようなら」を、たっぷりと歌い上げた。サビの“アンニョン”のフレーズでは、客席にマイクを向け、観客との一体感を、一身に受けるイスの姿が。このように、心をひとつにした会場に、「どうもありがとうございます!」と手を振り、ステージを後にするメンバー。アンコールには、「Sixth Sence」という、2003年に発表した楽曲を披露。時が経っても色あせない初期ナンバーを、こうして最後に残していくことに、彼らのセンスが垣間見ることができる、そんな締めくくりであった。

 

撮影:小川典子

 

〈セットリスト〉
「Returns」
「私はそうだ」
「君は涙ぐましい+幸せにならないでよ」
「ひまわりも時々首が痛い」
「遠ざかって」
「愛の詩」
「言葉にできない」
「涙は乾かしても…」
「愚かな心よ」
「私は歌う」
「You’re my sunshine」
「Tonight」
「共有」
「少しだけさようなら」
アンコール
「Sixth Sence」


【Information】
M.C the MAX公式サイト http://www.sujeong-ent.com/max/
 

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