今年で15周年を迎えた「a-nation」。会場をスタジアムへと移した「a-nation stadium fes. powered by dTV」が8月27日(土)東京・味の素スタジアムで開幕した。初日はヘッドライナーのBIGBANGをはじめ、超特急、DAIGO、ET-KINGなど、オープニングアクト含む14組のアーティストが出演し、5万5千人を動員。a-nation15周年を彩る豪華なパフォーマンスが繰り広げられた。
14時からOPENING ACTとして、関西出身の5人組アイドルグループ“たこやきレインボー”、ロック系女性シンガーソングライター“Raychell”、セクシーなビジュアルと高いパフォーマンス性を持ち合わせたシンガー“加治ひとみ”が登場、個性的なステージを見せた後、本編がスタートした。
2016年「a-nation stadium fes.」のトップを飾ったのは、男女混成5人組パフォーマンスグループ、lol(エルオーエル)。オープニングナンバーは2015年のデビュー曲「fire!」。アグレッシブなエレクトロサウンドとmoca、honoka、hibikiのボーカル、佐藤友祐、小見山直人のラップが絡み合い、刺激的なステージングへとつながる。さらに今年6月にリリースされた最新シングル「spank!!」。メンバーのレクチャーで振り付けの練習を行った後は、ラストの「gimme gimme」。「a-nation、みなさん楽しんでいきましょう!」(小見山)のシャウトとともに心地よい一体感を生み出した。
昨夏1年4ヵ月ぶりに活動を再開したET-KING。「a-nation初めまして! 大阪から来ましたET-KINGと言います! 何曲か歌います、聴いてやってください!」(いときん)の挨拶から「愛しい人」を披露。<おまえとおったら おもろいわ どこのどいつも かなわんわ>というフレーズが響き渡ると、観客もウチワを振りながら声援を送る。続く「ナニコレ」ではブルースハープの千賀太郎、そして千秋が登場! ファンキーなヒップホップチューンに乗って、超レアなコラボレーションが実現した。さらに夏の終わりのシーンを抒情的に描いた「Just Chillin」(9月7日リリースのニューシングル)も。ET-KINGの完全復活を印象づける濃密なステージだった。
続いては人気沸騰中のダンス・ボーカルグループ、超特急。2015年12月に国立代々木競技場第一体育館2days公演を成功させるなど活動の規模を大きく広げている7人は、シングル曲「Kiss Me Baby」からスタート。4つ打ちのEDM系ビートとエッジの効いたメロディ、華麗なフォーメーションダンスが融合したステージングからは、現在の彼らの勢いがダイレクトに感じられた。「この瞬間だけは“8号車”(超特急のファンの名称)として一緒に楽しんでいきたいと思います!」(カイ)というMCの後は祝祭感に満ちたアッパーチューン「fanfare」、さらに“ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!”というコール、途中でメンバーが“あっち向いてホイ”をやる演出も楽しい「Burn!」を披露。ダンサー5人×バックボーカル2人というユニークな編成を活かしたエンターテインメントで会場を盛り上げた。
イギリスのオーディション番組『Britain’s Got Talent』から生まれたUKのユニットBars&Melody(SHOOTING ACT)がメッセージ性の強いラップによって観客を惹きつけた後は、DAIGOが登場。
蝶をモチーフにしたド派手な衣装で現れたDAIGOはまず、煌びやかなダンスナンバー「BUTTERFLY」を歌い上げる。「あいにくの“AM”ということで。あ、雨ね(笑)。ぜひみなさん、DAIGOの時間も盛り上がっていってください!」「僕、今年“KK”いたしまして。あ、結婚ね。KKさんとKKしたんですけど、結婚式のときにサプライズで披露した曲を歌いたいと思います」というDAI語交じりのMCのあとは「K S K」を夏フェス初披露。さらに「ここにいるみんなと一つになれる曲を歌います。人の曲だけど歌います!」と「世界に一つだけの花」をなんと木村拓哉、GACKT、福山雅治、桑田佳祐、hydeのモノマネで披露。オーディエンスも笑顔で声援を送った。ラストはBREAKERZのメンバーSHINPEI、AKIHIDEも登場した「SUMMER PARTY」で、最高の盛り上がりを演出。最後はもちろん「a-nation最高~ウィッシュ!」。やはりDAIGOは魅力的なエンターテイナーだ。
卓越したダンススキルとボーカル力によって圧倒的な評価を得ている三浦大知は、重力を感じさせないハイレベルのダンス、エモーショナルに溢れた歌がひとつになった「I’m On Fire」、最新鋭のエレクトロサウンドとソウルミュージックのテイストを融合させた「Right Now」を続けざまに披露し、その実力を存分にアピール。一流ダンサーたちとの驚異的なシンクロ率を誇るステージングも最高だ。さらに「music」、「みなさんの声の力をお借りしたいです!」とシングアロングを生み出した「SING OUT LOUD」、そして、質の高いアカペラから始まる最新シングル「Cry & Fight」も。まさに世界標準と称すべき、圧巻のアクトだった。
“メイド イン ジャパンのアーティストがアジアで活躍する”ことを目標に掲げた8人組男性グループ“SOLIDEMO”(SHOOTING ACT)、NON STYLEの井上裕介、DJ KOOによる「dTV STAGE」(本日のライブが10月にVR/ヴァーチャル・リアリティ撮影で配信決定!)を挟み、和楽器バンドのステージへ。
今年7月に初の北米単独ツアーを成功させるなど世界規模で活動している彼らは、いきなり代表曲「千本桜」を演奏。ミュージックビデオの再生回数が4500万回を突破しているこの曲は、クールジャパンを象徴する名曲。ヘビィロックと和楽器を融合したアンサンブル、美しい和装に身を包んだ鈴華ゆう子のボーカルが響き渡り、スタジアム全体を“和”に染め上げる。さらに「和楽器バンドならではの冒頭に詩吟が入っている曲です」(鈴華)という「暁ノ糸」、テレビ東京系リオ五輪中継応援ソングに起用された「ミ・ラ・イ」、ドラム、太鼓によるコール&レスポンス「Dr和太鼓バトル」、三三七拍子を取り入れた緊張感あふれるアンサンブルが印象的な最新シングル「起死回生」も。高い演奏能力と日本情緒あふれるビジュアル、絢爛豪華なステージングはまさに唯一無二だ。
夕闇に包まれた味の素スタジアムに登場したのは、a-nation 5年連続出演となるソナーポケット。高揚感に満ちたEDM系トラックと純粋なラブソングが共存する「Promise~365日のラブレター。」によって、観客も楽しそうに身体を揺らし始める。「この雨を恵みの雨に変えていこうぜ!」「限界を超えていこう!」(eyeron)というシャウトも気持ちいい! 「いまdTVで生中継してるからさ! この盛り上がりを伝えて!」(eyeron)というMCに続いてはライブの定番曲「ソナポケ☆DISCO」。DJのmattyがギターを弾き、ko-daiが力強いボーカルを響かせると観客のテンションもさらにアップ。ラストは「みんなの悲しい思い出、つらい出来事を僕ら3人が持って帰ろうと思います」(ko-dai)というバラード「好きだよ。~100回の後悔~」。いまやa-nationに欠かせない存在となったソナポケの幅広い魅力が伝わるステージだった。
すっかり雨も上がり、初日もついにクライマックスへ。まずはBIGNBANGの系譜を継ぐ次世代のスーパーグループ、iKON。赤いライトに照らされながらメンバーが登場した瞬間、凄まじい歓声が沸き起こる。オープニングは「RHYTHM TA」。続いてアグレッシブなビートを軸にした「SINOSIJAK」。本格的なヒップホップを誰もが楽しめるエンターテインメントへと導くセンスには本気で驚かされる。これが初めてのスタジアムとなるメンバーのテンションも最高潮だ。
「a-nationのステージに立つことができてホントに光栄です。最後まで思い切り楽しんでください!」(B.I)「パワフルなボーカルとパフォーマンスを見せますので、みなさんもパワフルについてきてください!」(ジュネ)「こんなに大きなステージは初めて。ワクワク、ドキドキしています」(ドンヒョク)というMCのあとはメロウな雰囲気の「MY TYPE」へ。さらに9月28日(水)にリリースされる最新シングル「DUMB & DUMBER」も披露。無限のポテンシャルを感じさせる大充実のステージだったと言えるだろう。
「a-nation stadium fes. powered by dTV」初日のヘッドライナーはもちろんBIGBANG(V.Iはスケジュールの都合で不参加)。昨年11月から今年2月にかけて海外アーティスト初となる3年連続の日本ドームツアー「BIGBANG WORLD TOUR 2015~2016 [MADE] IN JAPAN」を開催、7月にはヤンマースタジアム長居でデビュー10周年を記念したスタジアムライブを成功させるなど、世界的スーパーグループと呼ぶにふさわしい活躍を続ける彼ら。白を基調した衣装に身を包んだメンバーは、最初のナンバー「BANG BANG BANG」から圧巻のパフォーマンスを展開。「TONIGHT」「HANDS UP」といった人気曲のパフォーマンスの精度もさらにアップ。会場には地鳴りのような歓声が響き渡っているが、メンバーのボーカル、ラップ、ハーモニーはまったくブレることがない。自由に動きながら、グループとしての一体感をキープしているところも素晴らしい。
「雨のステージもいいですね! でしょ」(G-DRAGON)「みなさんの晴男、D-LITEです!」(D-LITE)「グッド・イブニング、東京! 今日も最後まで楽しんでいきましょう」(T.O.P)「みなさん、準備できましたか?!」(SOL)というMCの後は、切なさ全開のバラードナンバー「IF YOU」、G-DRAGONのラップ、SOLのアカペラにリードされた「BAD BOY」。快楽的なグルーヴと深いメッセージ性を同時に伝えるセンスはここにきて確実に向上している。
「今日1日雨だったのに、BIGBANGになったら晴れ!」(D-LITE)「いまV.Iがいたら、どんなMCをするか知ってますよ! “いま盛り上がってる人だけ、イエイ!”(笑)」(SOL)「今日の雰囲気は“ダイキス”ですね…まちがえた“大好き”です」(TOP)「この瞬間を満喫したいし、この4人で写真を撮りたい(笑)」(G-DRAGON)といった楽しいやりとりを挟み、ついにライブは最後のクライマックスへ。最大の盛り上がりを生み出したのは、もちろん「FANTASTIC BABY」。激しさ、美しさ、楽しさが増幅していくこの感覚は、BIGBANG以外では味わえない。
さらにフロートで会場を1周しながら「MY HEAVEN」「WE LIKE 2 PARTY」「声をきかせて」などの人気曲を披露、約5万5千人のオーディエンスの熱狂はピークに達した。スケールアップしたステージで「a-nation stadium fes. powered by dTV」初日のファイナルを飾ったBIGBANG。ライブ中に「僕たちBIGBANGを10年間愛してくれて、ありがとうございます。その感謝を伝えたいです」(T.O.P)「素敵な音楽、素敵なパフォーマンスで戻ってきます。これからもよろしくお願いします」(G-DRAGON)とこの先のビジョンを語った彼らは11月から4年連続となる日本ドームツアーをスタートさせる。BIGBANGの栄光のストーリーはまだまだ続いていくことになりそうだ。
28日(日)は、a-nation皆勤賞で大トリの浜崎あゆみをはじめ、AAA、Acid Black Cherry、防弾少年団、Da-iCE、倖田來未、SKE48、テミン、TRFらが会場を盛り上げる。
(取材・文/森 朋之)