俳優イ・ジヌクを性的暴行の容疑で告訴したA氏が4日、弁護士とともにTHE FACTとインタビューを行った。|写真:ナム・ヨンヒ記者 |
「本当に苦しい。初めて自分の口ではっきりと言う。(性的暴行の事実を)撤回したことも、(虚偽を)自白したこともない。(虚偽)を認めたこともない。告訴状を出してから、一度も“強要された性関係だった”という事実を裏返したことはない。警察での供述もそうだった。ところが、事実と異なるように知られて、皆がそのように受け止めている雰囲気だ。今、是々非々を問いただすためにメディアとインタビューをするわけではない。すべては、これから進められる検察調査と裁判を通じて明らかになるはずだが、まずは歪曲された部分だけは正したい」
A氏はインタビューで、「自白したことがない」と明かした。 |
A氏(33)がメディアに初めて口を開いた。A氏とのインタビューは4日午後6時から、ソウル・瑞草洞にある法務法人・ダハンの大会議室で1時間30分にわたって行われた。インタビューには、彼女が自分の法律代理人として新しく選任したチョン・ジヨン弁護士が同席した。
A氏は俳優イ・ジヌクを性的暴行の容疑で告訴し、今月1日、虚偽告訴の容疑で拘束令状・実質審査を受けた。令状が棄却され、2日午前3時30分頃に身柄拘束が開放され、その2日後にTHE FACTの取材陣に会った。メディアとのインタビューは、これが初めてだ。
これまで「イ・ジヌクの性的暴行告訴事件」は、A氏が先月26日、4回目の警察調査で「性的暴行の撤回」と立場を出したことと知られ、これを根拠に警察が彼女を虚偽告訴の容疑で令状を請求したことと認識された。
しかし、この日A氏はインタビューで、「まるで私が、それ以上強姦や性的暴行を立証する自信がなくて全てを諦め、“むしろ相手(イ・ジヌク)に謝り、減刑を求める方が良さそうだ”と供述したかのように報道が伝えられた」とし、「どこから流れてきた話なのかは分からないが、全く事実と違う」と述べた。
A氏に対する拘束令状は、「疎明不足」を理由に棄却された。写真は先月17日、警察調査を受けるために出頭した時のイ・ジヌク。|写真:イ・ドクイン記者 |
イ・ジヌクの性的暴行関連事件は、現在警察調査が終わり、検察への送致を控えている。そんな中、A氏が今まで知られている内容と全く相反された立場を明かし、帰趨が注目される。
以下はA氏との一問一答
―真実は何なのか?
真実は変わらない。良心にかけて言える。(私は)はっきり最初から拒否の意思を示した。いつの間にか抵抗できない雰囲気が続いた。そして、望んでいない性関係後、女性として恥辱を感じた。
―警察では、本人の誤ち(虚偽)を自白したと知られたが、違うのか?
違う。自白したことがない。最初から最後まで、強要された性関係だという事実を変えたことがない。
―なら、今までなぜ沈黙していたのか?
沈黙ではなく、話す方法がなかった。選任した弁護士が途中で辞めていて、平凡に働く女性として、自ら前へ出てメディアに釈明するのは、簡単なことではなかった。また、卓球のように毎回いちいち釈明する必要性を感じなかった。捜査と裁判を通じて真実を明かせばと信じていた。
―考えが変わったということか?
変わっていない。相変わらずメディアへの対応を自制していて、これから行われる検察捜査に誠実に臨む。ただ、今まで間違ったことが知られ、酷く歪曲された部分については、正す必要性を感じた。
―警察調査当時の状況を話していただきたい
捜査官たちは、「認めるとも否定するとも、今の流れ上、すべてがあなたに不利で、虚偽で刑務所行きになるかもしれない」と、自白を誘導した。自白のコメントを教えてくれたりもした。そんな状況で、心理的にすごく不安ななかで「望んでいなかった性関係」という私の立場は最後まで貫いた。
―引越しの時点に対し、一部では真実をめぐる議論があった
ブラインドを設置したことと関連して出た話だと聞いている。私が同じ家に2年前から住んでいたのに、相手(イ・ジヌク)を家に呼ぶために、新しく引っ越したかのようにみせかけたという話だが、事実と異なる。新しく引っ越した家で、現住所の転入日は6月25日だ。私があの夜に彼を家に招待したこともないが、私に対する不信感を与えるために、誰かが虚偽でそのような話を作ったと見ればいい。
A氏は警察調査で、当初の供述を裏返し、虚偽告訴の容疑を受けたと知られた。 |
―告訴した当時、どんな状況だったのか?
事件を受け付けた当時、相手の身元が外部に知られないように、担当警察に何度もお願いした。保護してくれると確答ももらっていた。ところが、事件はすぐメディアに知られた。誰かが意図的に流したのではないかと思ったし、とても当惑した。
―妊娠周期と関連した話も議論になった
その部分も本当にあきれている。私が“危険な時期”ではないのに、わざと妊娠周期だと嘘を供述したというのだが、わざわざそうする理由がない。(A氏はスマホに記録されている自分の生理日をみせてくれた。カレンダーに表示された7月の生理日は3日で、性的暴行の議論となった事件の発生日は12日~13日の間だ)
―拘束令状が請求されて、令状実質審査を受けた
悲しくてたくさん泣いた。誰が加害者で誰が被害者なのか、いったい真実が何なのか悔しかった。
手錠をかけられ、腰縄をされて裁判所に向かいながら、必ず真実を明かして、悔しさを晴らしたいと念を押した。
―もし、過去にも似たような事件にかかわったことがあるのか?
私は平凡な一般人、仕事をしている人間だ。知人を介して夕食を食べたことが、こんなに困った状況につながるとは思ってもいなかった。30年間を生きながら誰かと大きく喧嘩したこともないし、警察署の近くには行ったこともない。小さい頃、捨て犬のために交番に行ったのがすべてだ。
前の弁護士が途中で受任を諦め、新しくチョン・ジヨン弁護士がA氏の弁護を務めることになった。 |
◆以下は、インタビューに同席したチョン・ジヨン弁護士と行った一問一答
―A氏の弁護はどのように受けることになったのか?
前の弁護士が途中で受任を諦めていて、A氏が警察ですべて自白したと聞いていたので、「減刑してほしい」くらいの法律処理だけをすればと思った。
―それは状況が変わったという話なのか?
そうだ。令状実質審査を控えて、A氏に会って長時間インタビューを行った結果、事実と全く違うことが分かった。警察での供述でも一貫して“性的暴行”という自分の主張を曲げず、何よりA氏には虚偽で誰かに害を与える理由がないことが分かった。
―状況をひっくり返せる決定的な証拠はあるのか?
まだ検察捜査が残っているので、今言う段階ではない。今日のインタビューがメディアを通じて真実攻防をしようとすることでもない。A氏が話したように、酷く歪曲された部分だけでも正しくしたいという趣旨だ。
―拘束令状が棄却されたが、それについてはどう思っているのか?
裁判部は令状の棄却理由として、犯罪容疑に対する疎明が足りないという意を明かした。裁判部も(A氏が)自白をしたのではないと判断ているように思われる。犯罪の重大性を考えると、虚偽に対する疎明が十分だったなら、令状は出された可能性が高い。裁判部は捜査記録と弁護人の意見書をみて、犯罪の疎明程度と拘束の必要性を検討し、合理的な判断をしたはずだ。
―A氏の無実を確信しているのか?
2人だけの空間のなかで行われたことだ。性的暴行の事実も、虚偽も立証することは難しい。確かな事実は、A氏がうその話を作って告訴したのではないことだ。これから裁判を通じて明らかになると思うが、お金を目的にしたり、当日、初めて会った相手を意図的に損ねるどんな理由もなかったからだ。
一方、A氏と彼女の法律代理を務める法務法人ダハン側の主張に対し、イ・ジヌクの所属事務所の関係者は、5日THE FACTとの電話取材で、「所属事務所の立場で簡単に申し上げる事案ではないようだ。まず、性的暴行の部分は容疑がないことになり、(A氏の)虚偽告訴容疑が認められたというのが、我々が知っているすべてだ。弁護士と相談することになるが、もう少し推移を見守る」と答えた。
THE FACT|カン・イルホン記者