「応答せよ 1998」|tvN |
ネットの発達や個人コンテンツの増加などの影響で韓国若者のテレビ離れが加速している中、ドラマ「応答せよ 1998」が高い数字を叩き出し、注目を集めている。さらに同ドラマは、地上波ではなくケーブルチャンネル。関係者らは“驚異的な現象”として、現在放送中の同ドラマの視聴率がどこまでにのぼるのか注視している。
12話まで放送されたtvNのドラマ「応答せよ1988」は先週分で平均視聴率13.8%、最高視聴率14%を記録した。回を重ねるごとにドラマの人気が増しているのを考えると今日(18日)の放送で15%台の数字を達成すると見られる。
韓国では日本と同様に、インターネットやコンテンツの多様化が進み、若年層のテレビ離れが加速している。地上波でも今頃は10%を越えるドラマは珍しく、15%を超えると大ヒット作として分類しているのが現状だ。下半期に最も話題になったドラマ「彼女はキレイだった」も最高視聴率18%で“ブームを巻き起こした”と表現するほど。30%、40%のドラマは20世紀の昔話に登場する伝説みたいなものになった。
しかも、「応答せよ1988」は地上波でもなく、2~3%が出ると大ヒットと呼ぶケーブルチャンネルのドラマだ。関係者らはケーブルチャンネルの10%は地上波の30%に相当するという。
「応答せよ1988」の人気の秘訣は、テレビ離れが最も激しいといわれる30,40代の若年層の感性を刺激したこと。「応答せよ1988」は1988年のソウル・雙門洞(サンムンドン)を舞台に5つの家族の物語を描くコミカルな家族ドラマで、「応答せよ1997」(2012年)と「応答せよ1994」(2013年)に続く「応答せよ」の新シリーズだが、シリーズ全体を貫く感性は“懐かしい”だ。今は見られない80年代のものや当時のヒット曲、流行言、ファッションなど30,40代の幼い頃を充実に再現してドラマに盛り込んだ。
もう一つの理由として、経済の不景気が影響したとの見方もある。経済関連関係者の話によると、不景気の際にはレトロ風の商品などが市場によくリリースされる傾向がある。現実がつらいだけに、“昔は良かった”、“幼い時に戻りたい”という感性が人々の心に生まれるからだという。急成長を続いてきた韓国も1990年代後半からその勢いが減速し、2000年以降は社会・経済環境が大きく変わった。今は表面的には成長を続けていると見られるが、見えない制約や格差などで若者を中心に不満と不安が増加している。久しぶりの良いドラマの登場は嬉しいが、「応答せよ1988」の人気の背景を考えると後味が少しは悪いのも否定できない。
どうあろうとも、ケーブルチャンネルとして記録的な視聴率を見せている「応答せよ1988」が15%の数字を出せるのか注目だ。
THE FACT JAPAN