【コラム】海外出身者が多い韓流アイドルグループの謎
入力 : 2015-08-17 10:49:02 / 修正 : 2015-08-17 10:49:02

 

少女時代のティファニー、2PMのニックン。|THE FACT DB

 

日本人にとってはあまり馴染みがないが、韓国ではタイや中国、アメリカなど海外出身のアイドルや俳優が多くいる。有名なところでは、2PMのニックン、少女時代のティファニー、f(x)のクリスタルやビクトリア、脱退したがEXOのクリスやルハン、元SUPER JUNIORのハンギョン、SUPER JUNIOR-Mチュウミとヘンリー、元KARAのニコルなど。最近ではJYPが日本人を加入させたアイドルグループTWICEを発足させ、話題になったばかり。数えればきりがない。なぜ、こんなにも海外出身の芸能人たちが多いのだろうか。


その理由は、韓国は昔から移住が多い国だからだ。移住に慣れていない日本人とは違い、韓国人は海外出身者を受け入れることに違和感がない。私も留学していたときに、よく新聞の広告で「夢のパラダイス、オーストラリアへ行こう!」、「ニュージーランドの自然があなたを待っている!」といった謳い文句が並んでいたのを覚えている。私の元カレである韓国人の従妹もオーストラリアへ移住していたので、美容整形並に韓国ではいたって普遍的なものなのだ。
よって、女優達が「目を整形しました!」、「アゴを削りました!」とカミングアウトしても、すんなりと大衆に受け入れられるように、海外出身のアイドルたちもスルっと韓国では受け入れられ、芸能界で活躍することができるのだ。


彼らは海外でスカウトされることが多く、念願叶って韓国デビューするものの、韓国語がなかなか習得できないため、コミュニケーションが取れず、ホームシックに陥り、涙の帰国を余儀なくされるアイドルも多々いるという。元KARAのニコルもアメリカ出身で韓国に来た当初は、韓国語が離せないため韓国での生活に苦労を余儀なくされたとか。

 

CROSS GENEの日本人メンバータクヤ、M.I.Bのカンナム|THE FACT DB

 

一方、ニコルのように韓国が話せないため、クイズ番組で珍解答を連発し、レギュラーを獲得するという、一種のハンディキャップを逆手に取り芸能界のポジションを確立した海外出身アイドルも多くいる。直近では、CROSS GENEの日本人メンバーのタクヤや、M.I.Bカンナムなどが、それぞれ、個性的な話し方と韓国人男性が持ち合わせない“カワイサ”を武器に活躍中だ。
本来、海外出身者は可愛いから、カッコいいから、英語が話せるから、といった理由でグループに加入することが多かったが、最近は、“あえて”海外出身者を起用する事務所が増えている。
その理由は“マーケッティング”である。中国や日本人などを加入させておけば、韓国芸能界だけにとどまらず、事務所も海外出身者の国々でプロモーションをかけやすいし、自国出身のアイドルがいれば、その国々の人々も受け入れやすいというもの。一時は巨大なマーケットである中国を意識し、中国出身者が多かったが、最近はその流れが変わってきているようだ。
EXOやSUPER JUNIORを見てもわかるように、脱退した中国出身メンバーに立て続けに裁判を起こされ、所属事務所であるSMエンタとの議論が続いているのだ。よって、冒頭でも述べたように、日本人が最近はフィーチャーされているのである。彼女たちの活躍が、再び、日韓の架け橋になれる日も近いだろう。


THE FACT JAPAN|中西美穂
:大学卒業後、韓国の高麗大学付属語学堂へ留学し、韓国の魅力にはまる。「週刊女性」、「週刊文春」の記者を経てフリーライターに。著書「プチ韓国新大久保完全ブック」。個人ブログ<http://blog.livedoor.jp/smcnaka/>を運営中。

 

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