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英祖(朝鮮の第21代王)と思悼世子(荘献世子、英祖の次男)の悲劇を描くイ・ジュニク監督の新作映画「思悼(サド)」(提供/配給:SHOWBOX、制作:タイガーピクチャーズ)が11日、ソウルのCGV狎鴎亭館にて行った制作報告会を盛況裏に終えた。
映画は、あらゆる瞬間でも王でなければならなかった父の英祖と、たった一瞬でも息子でありたかった世子の思悼。歴史に記録されたもっとも悲劇的な家族史を描いている。主役は、英祖役のソン・ガンホ、思悼役にユ・アインが務めた。
制作報告では、英祖と思悼が悲惨な運命に巻き込まれる姿を描いたキャラクター予告編をはじめ、映画の制作過程をおさめた映像などが公開され、作品に対する期待を高めた。
イ・ジュニク監督は、「みんなが知っている歴史の物語だが、その裏面にある悲劇的な家族史を描きたいと考えた。息子を米びつに閉じ込めて死なせるしかなかった父親の気持ちについていくことが、この映画を導く力だと思った」と制作理由を明かした。
ソン・ガンホは、「イ監督が持っている特有の温かい視線と感性が、『思悼』を通じて花咲かせると感じた。その感性がどのように映画に盛り込まれるのかが気になって、ぜひ出演したいと思った」と出演を決めたきっかけを伝えた。
ユ・アインは、「大先輩(ソン・ガンホ)との共演は、この上のない最高の経験だった。先輩は英祖と思悼の間にある緊張感を維持されながらも、僕が楽に演技ができるように、その周りで空気を入れてくださった」と敬愛の気持ちを表した。
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英祖の40年を演じたソン・ガンホは、「もっとも現実的で人間的な英祖の姿を描くために努力した。王位の正統性に対する議論、思悼との葛藤を誇張することなく演技しながら、歳月の流れを表現するために、声と行動などをたくさん研究した」と、役柄のために励んだことを説明した。
ユ・アインは、「俳優ではなかったら、米びつに閉じ込められた思悼の感情は感じられなかったと思う。その中で極限の恐怖を感じる思悼の感情変化に集中した」と思悼を演じた感想を語った。
「王の男」(05)以来、再び本格時代劇を選んだ理由を聞く質問に、イ監督は「よく知らない物語が気になって時代劇を選んだ。悲劇的なストーリーだが、英祖と思悼の葛藤に対する共感を通じて、観客のみなさんに時代劇を身近に感じていただきたいと思った」と企画意図を伝えた。
父親によって米びつに閉じ込められ、その八日後に死をむかえた思悼世子の物語を再解釈し、英祖と思悼、そして正祖までに至る朝鮮王朝3代に渡る悲劇を描いた「思悼」は、9月に韓国で公開される予定だ。
THE FACT JAPAN