チュ・ジフン、何が彼を変えたのか?(独占インタビュー①)
入力 : 2012-07-26 17:54:07 / 修正 : 2012-07-26 17:54:07



7月23日、<スポーツソウルドットコム>社内でチュ・ジフンに会った。/イ・セロム記者

 7月23日、<スポーツソウルドットコム>社内でチュ・ジフンに会った。/イ・セロム記者


一時期は“皇太子”、また“魔王”とも呼ばれた男。カッコイイ外見と純粋な演技で20代の俳優の中でトップを走った。しかし、あっという間に人生が変わり、思いがけなく3年間の空白期を過ごした。 映画『私は王である』とSBSドラマ『5つの指』で、今年の夏スクリーンとテレビドラマを同時に狙う俳優チュ・ジフン(30)が再び跳躍する。


7月23日、<スポーツソウルドットコム> 社内で会ったチュ・ジフンは、冬時期より酷いと言われる“夏風邪”にかかっていた。猛暑にも関わらず、長袖の洋服姿で、首にはネッカチーフを巻いていた。久々に会ったチュ・ジフンはもっと背が伸びて、痩せていた。以前雑誌で見た“モデルポス”が溢れていた。しかし、インタビューを始めたら、絵のようなチュ・ジフンは無くなって、おしゃべり好きの30代男性に変わっていた。

チュ・ジフンはチャン・ギュソン監督の「私は王である」に出演し、1人2役を演じた。

 

「年を取って、もっと余裕ができたからかな」
実は、麻薬スキャンダルで社会的に物議を醸した彼の復帰時点については、ネット上では論難になっている。しかし、映画とドラマに同時出演する本人の心境はどうだろうか?チュ・ジフンは以前よりもっと余裕ができたと答えた。


「一年、また一年生きていたら、もっと余裕ができたと思います。作品を選ぶときも実際の人生に影響を及びます。いつもその瞬間が100%と確信できないから、これがベストだと思って生きています。作品でも何でも僕はいつもその瞬間に最善を尽します。」
彼の最善はチャン・ギュソン監督の映画、『私は王である』だった。8月9日韓国で公開されるこの映画は、“チュ・ジフンの復帰作”と知られているが、彼にとってはただ、『キッチン』(2009年作品)の次期作である。しかし、前作とはまったく違う姿を見せる。ジャンルも、キャラクターも“ダーク”なイメージが強かったチュ・ジフンを思えば、今回は演技変身すると期待される。 これに対し、彼はキャラクターを黒白に分けるのは間違いだと思っている。

「以前は気になっていました。“今回のキャラクターは前回と違うようだ。わざとこの役を選んだか”と質問されたときには“何でそんな質問をするんだろう?”と思いました。他の俳優たちはどう思うか分かりませんが、僕は“このキャラクターを演じてみる、そのキャラクターは絶対しない。”と思ったことはないです。多分俳優なら誰でもそう思うと思います。今はその質問に納得しています、アハハ。『私は王である』はコメディ映画ですが、『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』(以下、アンティーク)のチン・ヒョクと似ている人物です。新しいキャラクターとは思いません。『アンティーク』のときよりちょっとコミカルになっているだけだと思います。」


 『私は王である』は、王になりたくない忠寧大君 (チュンニョンデグン)と彼と同じ顔をしている奴婢 、ドックチルが入れ替わって起こるハプニングを描いた映画だ。チュ・ジフンは忠寧大君とドックチルの1人2役を演じ、その分セリフも多かった。およそ131シーンに達する撮影シーンの中で、チュ・ジフンは120シーンを演じた。約8割をチュ・ジフンが担当している。しかし、彼はこの映画の主役は本人ではなく、ペク・ユンシクとビョン・ヒボン、パク・ヨンギュ、キム・スロ、イム・ウォニなどのベテラン俳優たちだと称する。

 

「集中したくないときも撮影現場では集中するしかないです、それでこの映画はどう完成されたか、すごく気になります。ベテラン俳優一人と共演することも難しいことですが、大勢の方と共演できて光栄です。僕は撮影現場で末っ子の役割を果たしました、アハハ。キム・スロ先輩も面白い方だし、イム・ウォニ先輩もそうだし、演技も上手くて楽しいです。映画を観るときには気楽に楽しんでいただいたらと思います。」

チュ・ジフンはデビューした以来、最近が一番忙しい時期だと語った。

「デビューした以来、一番忙しいです。」
映画公開を前にしているチュ・ジフンは「デビュー以来一番忙しい日々を過ごしている」と、悲鳴をあげている。映画のプロモーションやドラマの準備、バンド練習までプライベート時間が足りない。チュ・ジフンの名を馳せたのはドラマ『宮-クン- Love in Palace』の皇太子役だった。 チュ・ジフンはその当時より現在がもっと忙しいと言いながら眩しく笑った。

 

「現在のドラマ撮影はどうなっているか分かりませんが、当時には一週間に1日は休みでした。休みの日にCMの撮影をしたりしました。それで5週間を過ごしたのに…。(溜息) そのときは、まともでいられないほどきつかったです。 しかし最近はもっと忙しいです。風邪のせいで点滴までしましたから。アハハ。」


ハツラツな青春ロマンスであるドラマ『宮-クン- Love in Palace』の主役で華麗なるスタートだったが、その後の段々暗いキャラクターを演じた。ドラマ『魔王』と映画『アンティーク』まで、明るい役とは距離があった。『魔王』は最後までダークイメージのドラマだったし、『アンティーク』は同性愛を描いた映画だった。当時20代中半だった彼は、30代の演技をした。映画『キッチン』の役がせめて無難だった。何故チュ・ジフンはスタートと違う道を歩んだか。

 

「わざと『宮-クン- Love in Palace』の役とは違う役を選んだわけではないです。そのドラマに出演したときは20代初半でした。その後『魔王』に出演しました。もっと真剣な作品を選ぶようになりました。ロマンチックコメディも好きですが、『宮-クン- Love in Palace』が成功したあと、オファーは高校生役や大学生のロマンス役ばかりでした。僕は実際その年を過ぎていたので、ストーリーに興味がなかったです。そして、生活パターンが変わったのも影響を及びました。『宮-クン- Love in Palace』に出演した当時はモデルの仕事も並行していて、若者たちと一緒に仕事していたんですが、ドラマや映画に出演したあと、中年俳優と共演するようになりました。それで精神的にもっと成長したみたいです。」

記憶に残る作品としては『キッチン』を挙げた

チュ・ジフンが出演した作品はそんなに多くはないが、出演した作品の度に“ヒット”以上はした。記憶に残る作品としては映画『キッチン』を挙げた。彼は「『キッチン』の撮影は遠足に行く子供の気持ちでした。画像も綺麗だったし、撮影現場の雰囲気がよくて、そのままスクリーンに収めていました。ミン・ギュドン監督もそうでしたが、スタッフと俳優の中が暖かかった。さらに天祐で8月に撮影したのに、雨もあまり降らなかったです。きついとは思わなかったです。」と語った。


 

長くも、短くもない俳優の道を歩んだあげく、少しは余裕が出来たみたい。 作品に対する態度も変わった。作品選択にはいつもシナリオが重要だったが、今は他のものも合わないといけない。キャラクターとストーリーに共感することがそれだ。


 

「ある時期はキャラクターに共感したが、今はストーリーに共感できればオッケーです。選択の幅が広いと言えますか?僕が本当に好きだった映画のシナリオを読む場合もあります。そのときは、シナリオは今市だったけど、撮影したらよかった映画もあります。 カメラの撮影や光加減などの演出のお蔭です。演出は重要で、この映画はシナリオから満足しましたが、シナリオが心に響かなくても監督の前作を観てから出演を決めることもできると思います。」

SBSドラマ『新社の品格』の後に放送される『5つの指』では天才の才能を持っているが悲運の家庭で育ったピアニスト役を演じる。

「僕の選択はいつもその瞬間が最善だと思います」
映画のプロモーションで忙しい日々を過ごしているが、映画だけに集中しているわけではいけない。SBSドラマ『新社の品格』の後に放送される「5つの指」で主役になったためだ。「5つの指」は非劇的な過去を持つ若者たちが不幸と逆境を乗り越え、愛と夢を求める姿を描いた作品だ。彼はこの作品で天才の才能を持ったが、悲運の家庭で育ったピアニスト役を演じる。ラブコメディの役を演じると見えたが、またダークなイメージの役だ。 再び“ダークジフン”に戻るのではないか。


 

「僕は役を演じるとき、実際の性格を投影する方です。敏感な時期にこの役を演じることになって、共感し易かったと思います。『アンティーク』でこう言います。“誰にも心の傷はあるはず。我らはその傷を抱えて生きている。”と。このドラマの役がまさにそうです。 しかし、ひいひいするタイプではありません。それも僕と似ています。今まで読んだ台本はそうです。後はどうなるか分かりませんが。アハハ。」


「この選択が最善だと思うか」の質問にはそうかも、そうではないかもと、はっきりした答えはしなかった。そして、自分の生き方についても語った。 彼は「選択と言うのは、いつもはっきりしてないです。また、それはその当時には絶対分かりません。最小限に一年が過ぎてこそ、自分の選択に対する評価ができます。満足したときもあったし、後悔するときもありますが、後悔するときがもっと多いことが問題ですよ。アハハ」と述べた。

 

映画の撮影のために鍛えた筋肉を細くしていると言う。

 映画の撮影のために鍛えた筋肉を、ドラマの撮影のために細くしている中と答えチュ・ジフンにピアノ練習はどのくらいしているかと聞いた。微笑みながら答えた彼の言葉に、うなずくしかなかった。
「ピアニストの役ですが、ドラマ撮影が近づいていて、完璧に練習することは無理です。2カ月前にドラマ編成の発表があったら…。欲張りを出せば完璧に演じたいのですが、実は無理だと思い、ピアニストの公演DVDや演奏する動画などを見て研究しています。 代役も使うらしいけど、不自然にならないように演じようと思います。指の細かいモーションをキャッチし、勉強しています。」


 

インタビューが終わった。内省的で無口でありそうな先入観は、100% 外れた。インタビューの感想を言えば、口喧しい大人チュ・ジフンの“僕についての話”。長くも、短くもない時間はチュ・ジフンを一層成長させた。「真剣に話したが、直接的に記事に出るとは思わなかった。そんなに強心臓の持ち主ではないです。」と笑うチュ・ジフン。演技に対する渇きと作品への熱情、少なくても二つについては“強心臓”を持つ男であるのは確かだった。  

 

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