リュック・ベッソン監督の新作映画「LUCY」のマスコミ試写会・記者懇談会が、ソウル市内にあるCGV龍山で20日、行われた。写真は、映画の主役の一人である俳優チャ・ミンシク(左)とリュック・ベッソン監督。|キム・スルギ記者 |
リュック監督: チェ・ミンシクさんを尊敬している。
チェ・ミンシク: 監督との作業は、初めて味わうスリルだった!
映画「LUCI」(リュック・ベッソン監督)のマスコミ試写会・記者懇談会が、ソウル市内にあるCGV龍山(ヨンサン)で20日、行われた。
会見には3年ぶりに韓国を訪れたリュック・ベッソン監督(55)と、映画の主役の一人である韓国俳優のチェ・ミンシク(55)が出席した。
「LUCI」は、平凡な人生を生きていた女LUCI(ルシ)が、闇の世界でもっとも酷悪と知られているミスター・チャンに突然攫われ、体の中に強力な合成薬物を埋め込んで運ぶことになり、予期せぬ衝撃でその薬物が体内に浸透。人間の脳活動をはるかに上回る能力、他人の身体を自由自在にコントロール、物理的現象まで操ることができる不思議な力が与えられ、チャンへの仕返しを描いた作品。女主人公のLUCIはスカーレット・ジョハンソン(29)、ミスター・チャンはチェ・ミンシク、LUCIを助力する大学教授ノーマン役にはモーガン・フリーマン(77)が務めた。
リュック監督は、チェ・ミンシクをミスター・チャン役として抜擢した理由を「彼の才能を知っているからだ。国籍や外部的要因は考えなかった」と説明した。彼は「チェ・ミンシクという俳優を昔から尊敬している。もし彼が僕のオファーを拒んだなら、彼を殺して他の役者と作品を作ったかもしれない」と笑いを誘った。
リュック監督のことばにチェ・ミンシクも「死なないためにLUCIに出演した」と答え、現場は爆笑の渦となった。これまで海外映画に出演しなかった彼が、なぜ「LUCI」をハリウッド進出作にしたのかを聞くと、「ご存知だと思うが僕は英語ができない人だ。自然な演技がしたいけど、言語が自由でなければ演技もうまくできない。そんな自然な演技ができない状況じゃ、外国映画には出演したくなかった」としながら「しかしLUCIは韓国語で演技ができたし、何より巨匠と呼ばれるリュック監督が韓国までわざわざいらして、2時間以上をかけて映画のことを説明してくれた。有名監督は傲慢で気取っているかと思ったけど、彼の意外な面貌に感動した」と出演を決めた理由を語った。
彼は自身の演技を「失望した」と自評して視線を集めた。「今作を新しい挑戦だと考えて臨んだが、たくさんの悔いが残っている。僕の演技が恥かしく思うくらいがっかりした」と打ち明けた。続いて「撮影終始、リュック監督をたくさん苦しめた。惜しい部分をどうしても満たしたい気持ちが大きかった」と付け加えた。
このコメントにリュック監督は「私を苦しめたと思っていない。監督として俳優が監督と違う考えを持ち、“こうして撮りたい”“こういうやり方はどうだ?”と提案してくることは、すごく感動的な部分だ。この場を借りて情熱的に取り組んでくれたチェさんに、感謝の気持ちを伝えたい」と答えた。
二人のベテランは会見が終わるまで、互いの才能を絶賛しながら、次期作でもう一度会うことを慎重に約束した。リュック監督は、主演作「鳴梁」で韓国映画史上1500万人の観覧客突破させたチェ・ミンシクに「次回の作品では、李舜臣(イ・スンシン)将軍の物語でともにしよう」と愉快な冗談を伝えた。
構想まで10年間をかけた「LUCI」のリュック監督。俳優の道を長い時間黙々と歩んできたチェ・ミンシク。二人は頭を深く下げながらあいさつし、劇場内は彼らに対する熱い拍手に包まれた。
一方、先月25日、アメリカを含め世界各地で公開された映画「LUCI」は、8月中旬に1億ドル以上の興行収入を記録しており、韓国では9月4日に全国公開される。(日本は8月29日公開)
THE FACT|ソン・ジヨン記者xスポーツソウルジャパン|編集局