韓国の大手製麺、インスタント食品、スナック菓子製造会社の農心で、女性社員へのセクハラ行為を行った事件が発生、波紋が広がっている。|スポーツソウルドットコムDB |
[スポーツソウルドットコム|イ・チョリョン記者] 韓国最大の製麺・菓子メーカーの<農心>で、女性社員へのセクハラ事件が発生し、波紋が広がっている。
“職場内のセクハラ”が社会的問題となっている中、韓国のインスタントラーメン業界1位の農心系列社で今月初旬、男性上司による女性社員へのセクハラ事件が発生したことが、29日<スポーツソウルドットコム>の単独取材で分かった。セクハラ事件が発生した会社は、主に農心商品の広告を制作する総合広告代理店である農心企画。今年8月に農心ホールディングスから農心の子会社に編入された。
セクハラで訴えられた農心企画の局長A氏は、同じ部署の女性社員B氏と会社付近の飲み屋で酒を飲んだ。その後A氏は、B氏をタクシーで送るとしながら同乗し、タクシーの中で強制的にキスをしたと知られた。
B氏はA氏のセクハラ行為に驚き、すぐタクシーから降りて近くにあった警察署に通報した。A氏は普段からB氏に携帯メッセージなどでセクハラ行為を続けてきたという。
しかし問題は、セクハラ事件が発生してから農心側がみせた態度だ。会社側は事件を静かに処理しようと、A氏に軽い懲戒を下すつもりだった。これを知ったB氏はこれに強く反発、事態の深刻性が分かった農心側は、急遽A氏に辞職を勧告した。現在A氏は出勤していないと確認された。
職場内のセクハラの直接的原因は不道徳なA氏個人だが、根本的な原因をよくみると、セクハラに鈍感な企業文化と、そうした文化を放置する事業主も責任から逃れられない。法律は職場内のセクハラについて、事業主にもその責任を問う。男女雇用平等と、仕事・家庭の両立支援に関する法律(以下、男女雇用平等法)第13条と第14条は、使用者の職場内のセクハラ予防教育とセクハラ事件が発生した際の措置を明示して、使用者に責任を付加している。これを違反する場合、所定の罰金を払うことになる。
しかし現実的に被雇用人である被害者が、自身を雇用している会社の代表と法的訴訟までして使用者への責任を問うことは難しい。セクハラを受けたB氏も<スポーツソウルドットコム>との電話取材で、「事件の当事者として不安なこともあります。もしセクハラ事件が会社内で知られたら…」と慎重な態度をみせた。社内に知らされると2次被害が起こる可能性があるからだ。A氏にも数回電話連絡をとったが、現在電話に出ない状況だ。
一方、今回セクハラ事件と関連して、農心側の関係者は「農心企画で不祥事なことが起きて遺憾だ。会社はセクハラ事件に対する社会的関心に合わせて、その当事者を厳重に問責し、関連事件が二度と発生しないよう役職員教育を実施する計画だ。A氏は現在出社していない。10月末に退職処分される」と伝えた。