まだ10代だが、大人の俳優に劣らない果敢な演技を見せたヨ・ジングに映画「ファイ」の撮影過程について聞いた。|チェ・ジンソク記者 |
[スポーツソウルドットコム|キム・ガヨン記者] 映画「ファイ」に出演したヨ・ジングは1997年生まれ。今年で16歳である。10代の子役俳優だが、ヨ・ジングの活動領域は大人の俳優に劣らない。濃い愛情シーンはもちろん、暴力性の強いシーンまでやり切っている。特に映画「ファイ:怪物を飲み込んだ子」でヨ・ジングは、爆発的なエネルギーを見せる。
ヨ・ジングは映画で、5人の犯罪者の父を持つ男ファイ役を務めた。自分の過去を知らないファイは、5人の父と自分に隠された秘密を知り、心の葛藤と苦しみで段々変っていく。ヨ・ジングは、今回の映画で過激なアクションシーンを見せ、男らしい姿を披露する。
殺人と暴力を犯すファイを演じたヨ・ジングはまだ10代の少年。撮影後の彼の心理状態が懸念された。最も活発な子役俳優として活動している彼に撮影のプロセスと、子役俳優についての考えを聞いてみた。
ヨ・ジングは、「映画『ファイ』の感情線は複雑で、そのまま受け入れようとした。共演者のみんなが大俳優なので、撮影現場に立つと自然に演技に集中することになった」とし、「ファイという子供は強い。彼の心も強い。自分と似ていると点も多いが、違った点もあったので、ファイを客観的に見ることができた。近く感じることもありながらも、遠くから見ているような感じだった」と打ち明けた。
続いて、「むしろファイのキャラクターが非常に強く、観客の立場から見ることができた。役が置かれている環境が僕と似ていると、撮影が終わった後に元の自分に戻ることが難しい場合があるが、ファイだけでなく、MBC「太陽を抱く月」などでの役は僕の姿と異なったので、役の感情からすぐに抜け出すことができた」とし、「ファイの演技をして、僕の心理を心配してくださる方が多い。幸いにすぐ自分に戻ることができたし、後遺症もなかった」と付け加えた。
心理的な不安感はなかったのかという質問には、「周りの方々がとても心配してくれた」と笑いながら、「現場では、僕のため、色々の事を配慮してもらた。監督と多くのパパ(ヨ・ジングは、共演したキム・ユンソク、チャン・ヒョンソン、チョ・ジンウン、キム・ソンギュンをパパたちと呼んだ)も、僕が傷つかないように気を配ってくれた。撮影後には精神検査も受けたが、“完全正常”という結果が出た」と笑った。
ヨ・ジングは、「映画『ファイ』では、過激なシーンが多かったため、血がたくさん必要だった。もちろん本物の血ではない。水飴に色素を加えたもので、とても甘い血だ。それで、撮影中には血という概念がなかった」とし、「過激なシーンを撮影しても“カット”という監督の声で終わると、いつそうしたかのように無かった事にする。子役俳優への配慮が非常に良かった」と打ち明けた。