河鳳基会長は「TIA Golfを世界的な高級ブランドに立ち上げる」と抱負を明らかにした。|安・ビョンチョル記者 |
[スポーツソウルジャパン|安・ビョンチョル記者] 大阪に拠点を置いてレジャーやレストラン事業などを展開している「晋陽グループ」の河鳳基(ハ・ボンギ、河本健次)会長は韓国ゴルフ産業にある疑問を持っていた。海外進出第1世代のク・オクヒ選手をはじめ、パク・セリ、パク・インビにつながる世界最高水準のゴルフ選手を輩出した韓国だが、なぜしっかりとした韓国固有のゴルフブランドは見えないのかが河会長の疑問であり悩みであった。
河会長は2011年TIA Golf(WWW.TIAGOLF.CO.KR)というゴルフ用品ブランドを立ち上げた。河会長の個人的な好みとも関連があるだろうが、日本の世界的なゴルフ用品の製造技術を融合して韓国独自のブランドを作りたいという河会長の意志でスタートした事業だ。
河会長の最終的な目標は、TIA Golfを世界的なゴルフ用品総合ブランドに育成すること。企業家の金欲に映りがちだが、“ゴルフ用品の総合ブランド育成”という目標には在日韓国人である河会長の韓国に対する愛国心と韓国ゴルフのグローバル発展という高い理想が込められている。
去る9月、「TIA第1回 ドンウォン杯ミッド・アマチュア・クラシック」を韓国で開催したことも韓国ゴルフの発展を願う河会長の夢があるからだ。TIA Golfを通じて韓国ゴルフの発展に寄与するとともに、日韓経済の架け橋の役割を忠実に履行している晋陽グループの河会長を<スポーツソウルメディアジャパン>が先月28日に直接会って、彼の理想と哲学を聞いてみた。
- TIA Golfを設立したその背景は?
韓国は有能な男女プロゴルフ選手を数多く輩出している。その韓国ゴルフ選手たちは現在、韓国国内だけでなく、日本や米国でもトップレベルの成績を収め大活躍ぶりを見せている。ゴルフ分野において先進的な役割を担っていると言っても過言ではないが、韓国のゴルフ用品業界を見てみると恥ずかしいほどその貧弱さが目にかかる。韓国選手でさえ、メイド・イン・ジャパン、メイド・イン・USAを使用しているのだ。
そういう韓国の状況から、韓国に有力なゴルフブランドがないという点に着目し、メイド・イン・コリアのゴルフ用品を提供しようと2011年に会社を設立した。多くの紆余曲折があったが、多数の施設とゴルフ関連企業や工場などを見回って商業化のためのノーハウを蓄積してきた。まだ事業は始まったばかりだが、着実に認知度を高めながらゴルフ総合ブランドとして育成していきたい。
- 既にレジャーと飲食事業を日本で展開している。今までの事業と色の違いゴルフ用品ブランドTIAを始めた理由は?
個人的にゴルフが好きだ。在日韓国人だが、韓国選手たちが世界大会で良い成績を収めると、とても楽しくなるくらい熱血な韓国ゴルフのファンだ。ところが、ゴルフ分野で韓国製品がないことが気になった。ゴルフクラブに対する国内ブランドの低い認知度や世界的なブランドとの競争によるプレッシャーなど、韓国市場での韓国ゴルフブランド事業は多くの難関に逢着している。ゴルプ用品産業については、不毛の地と呼んでも過言ではない。それでも立ち上げたのは二つの理由がある。まずは、企業家として挑戦したいという気持ちになった。成功か失敗かは後にして、挑戦する価値はある起業だと思った。また、“韓国ゴルフへの貢献”という点も大きく働いた。 “韓国ゴルフブランドのグローバル化”という夢のためにTIAゴルフのスローガンも" The World No.1 of TIA GOLF"に決めた。決して、お金を稼ぐために始めた事業ではない。この事業よりも簡単に利益を出せる事業はいくらでもあるが、メイド・イン・コリアのために残りの人生を捧げることにした。TIA GOLFは、韓国ゴルフに捧げる私の情熱と愛だ。
- TIAの主力商品と市場の反応は?
事業を始まったばかりだ。商品も今はドライバーとパットの2種類の生産にとどまっている。しかし、2014年からはすべてのゴルフ用品の製造に着手し、キャディバッグ、帽子、傘、機能性ゴルフウェア、ゴルフシューズなどを生産する計画だ。今は、より質の高い製品を生産するため、韓国のプロ選手を対象に試験的な使用を依頼している。
TIAゴルフの製品を使ってみた選手たちは大体高い満足感を表現した。自分が使っている外国製品とその差があまり感じないと言ったり、思った以上の品質に驚いたと評価したりする関係者もいた。市場の反応は一応良い手答えがあったと判断している。市場で認められるためにはやはり品質が重要だ。最近、世界シニアゴルフ大会で在日韓国人として参加して優勝したキム・ソンギル氏を会社顧問に迎え、品質改善に拍車をかけている。
- 最近、「TIA第1回 ドンウォン杯ミッド・アマチュア・クラシック」を主催した。
TIAの成功のためには認知度上昇が最先決課題だ。今もゴルフ用品にメイド・イン・コリアが貼られたら韓国人さえも信用しないのが現実だ。まずは、韓国のゴルファーがTIAの製品を使ってみることが重要だと思った。韓国も良いゴルフ製品を生産できるという信頼性と認知度を積んでいけば、総合ゴルフブランドとしての道も大きく開かれると思う。そのため、今は製品開発や認知度アップのために投資を行わなければならない時期だ。お金よりもみんなに良い製品を認められるのが最優先だと考え、今回の大会を開くことになった。もちろん、韓国アマチュアゴルフの発展に少しでも貢献したいという願いもあって、今後もこのような大会を定期的に開催する予定だ。
-今後の計画は?
韓国ゴルフの発展に貢献したいという気持ちから始めた事業であるだけに、事業初期の赤字はある程度予想した。厳しい状況だが、"Take In Advance"というTIAの名前のように止まらず前進する計画だ。その最終目的地は、日本製品にも負けない韓国固有のゴルフ用品専門ブランドになること。まずは、2020年の東京五輪で韓国選手がTIAのゴルフ製品を持って出場することに全力を尽くす。2020年までに世界を代表するゴルフブランドとして成長できるよう頑張っていきたい。