駐日本国大韓民国大使館 特命全権大使 李丙琪(イ・ビョンギ) 駐日大使。|撮影:安宰範

 

[スポーツソウルジャパン|安宰範記者] 李丙琪(イ・ビョンギ) 駐日大使は10日、再び新大久保を訪問し、毎月ここで行われている掃除ボランティア活動に参加した。


同日午後5時、李丙琪大使をはじめ、在日本大韓民国民団の中央本部、在日本韓国人連合会、新宿韓人発展委員会、在日韓国飲食店協会、在日韓国農食品連合会など、各団体の関係者ら約50人が共催で参加する「コリアンタウン・クリーン啓蒙活動」が行われた。
本格的な掃除活動が始まる前、李丙琪大使は挨拶を兼ねながら、韓日関係の冷却化による韓人社会の状況に激励の言葉を伝えた。
李大使は、「みなさま、韓人社会はまだまだ大変な状況が続いております。一日も早く韓日関係が安定して、みなさまの生業にも役立てますように、私たちも最善の努力を尽くします。いつも私が申し上げているように、この地域社会に私たちは寄与すべきであり、そうすることで韓人社会は日本社会に尊敬されると思います。この地域をきれいにすれば、韓国人はきれいで模範となる存在だという認識が広まると思います。そういう意味で私は、今日のボランティアに快く参加させていただきました」と話を切り出した。
続いて「ご存知、今回2020年東京五輪開催が決定されました。ところがここ日本では、韓国で2018年に冬季五輪が開催されることをまだ知らない人が多くいるようです。というのは2018年には韓国で冬季五輪を、20年には東京で夏季五輪が開催されるわけです。これはオリンピックの歴史上でとても珍しいことでもあります。隣する国が冬季と夏季五輪をともにすることなんです。みなさまもご存知のように、五輪の基本精神は“平和と和合”です。同じく韓日両国も、これからは平和でお互い和解しながら生きられる日を迎えるべきだと思います。そしてそういう日が早く来るように、みなさまも私たち大使館も努力すべきだと思います。今日はご多忙な中、貴重なお時間を割いてきてくださっただけに、きれいな掃除活動をお願いいたします。ありがとうございます」と韓日関係の好転に期待を示した。

 

10日、李丙琪大使をはじめ、金辰植総領事、民団中央本部の呉公太団長、在日本韓国人連合会の李玉順会長が、「コリアンタウン・クリーン啓蒙活動」に参加した。

 

「コリアンタウン・クリーン啓蒙活動」に参加した李大使は、今後も持続的な韓人社会への支援を約束した。|撮影:安宰範

 

掃除活動は、職安通りと大久保通りを中心に1時間程度で行われた。その後は掃除活動に参加した各団体の主要関係者らによる懇談会が用意された。
ここでは、先月在日本韓国人連合会の第7代会長に就任した李玉順(イ・オクスン)氏が、李丙琪大使を迎え、挨拶と今後の抱負を伝える場面がみられた。
李会長は、「みなさま、本日はお忙しいところ、貴重なお時間を割いていただきまして誠にありがとうございます。特に李丙琪大使が、今回のコリアンタウン・クリーン啓蒙活動にまたも参加してくださってとても感謝しています。またいつも居民らのために心労される金辰植総領事、民団中央本部の呉公太団長に心から感謝申し上げます。私が就任する際、みなさまに約束したことがあります。私はそれが一つ一つ実現できますように、私の信念をかけて最善を尽くします。私は本日の掃除活動をしながら、今韓人社会がおかれている状況を改めて実感しました。さきほど李大使も言われましたように、韓日関係が好転され、和合ができますように、私たちも50倍100倍努力しなければならないと思いました。駐日韓国大使館には、今後も韓人社会に持続的な関心をいただけましたら幸いです。また私たちもこの社会に貢献できますように頑張ってまいります」と語った。
これを受け、李丙琪大使は「まずは改めまして李玉順会長の就任を祝します。韓国は今、女性時代です。女子大統領が就任され、東京の韓人会長も女性の方が務められています。私は李会長に数回お会いしていますが、お考えや執念が男性に負けないくらいのものを持っておられます。そのため、今後の韓人社会はよりいっそう発展し成長していくことと信じております。私は、今日の掃除活動に参加しながら思ったことがあります。ゴミを拾って町がきれいになったように、韓日関係もよくなって“きれいな関係”になることを期待しております。9月8日にはここ新大久保でまたも右翼団体らによる“東京韓国学校補助金撤廃”を求める示威がありました。ですが、その中にはそれに対抗するレイシスト反対団体も来ていました。これは日本社会も今変わろうとしていることを意味します。みなさまには、このような現像を理解していただきながら、こういう時こそ韓人社会はお互い協力し、力を合わせるべきだと思います。そしてそうすることにより、今後の韓日関係改善も期待できるのです」と、在日同胞社会の協力を強調した。
この後は、在日本大韓民国民団の中央本部の呉公太団長による一言が行われ、「民団は今後韓人会を物心両面で助けること」を示し、これからの韓人社会のさらなる発展に期待を寄せた。


一方、この懇談会には、韓国原子力研究院から派遣された関係者も同席し、最近日本で問題化された福島第1原発の汚染水流出事故に関する事案が取り上げられ、東京と東日本地域の汚染影響などが言及。事情を聴取する時間が設けられた。

 

 

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