先日13日マクドナルドのデリバリースタッフが、客が注文したハンバーガーに唾を吐いた事件が発生した。マクドナルドは被害顧客に無料サービスクーポンを提供し、公式ホームページを通じて謝罪するなど、素早く対応したが、消費者らの怒りは全く収まらない状況だ。

 

[スポーツソウルドットコム|パク・ジヘ記者] “食べ物を粗末にするな”という言葉を引っくり返すような衝撃的事件が発生した。先日13日、ソウルにあるマクドナルドの某店舗に勤めているデリバリースタッフが、ハンバーガーを注文した顧客に商品を渡した後、携帯電話で「唾吐いたの、美味しく食べた?」というメールを送って物議を醸した“唾ハンバーガー事件”だ。


事件の全貌は次の通りだ。先日8日、大学院生のキム氏は、マクドナルドのデリバリー・サービスセンターに電話をかけ、ハンバーガーセットメニューを2つ注文した。キム氏の注文はソウル・麻浦区(マポ・グ)にある某店舗に伝達された。しかしデリバリーのスタッフは、キム氏が指定した配達先をまともに把握できず、道を迷うことになった。キム氏によると通常は注文後20~30分くらいで配達が完了されるが、この日は40分が経ってからハンバーガーが到着。それまでキム氏は、デリバリースタッフに4回に及んで電話をとりながら位置を教えてあげた。

キム氏が遅れて配達されたハンバーガーをほぼ食べ終わる頃、問題のメールが彼の携帯電話に届いた。内容は衝撃的だった。「唾吐いたの、美味しく食べた?^^」
あ然としたキム氏は、デリバリースタッフが送ったメールであると直感した。


デリバリースタッフが顧客にこういうメールを送った事実が、ある日刊紙の報道により知られた後、韓国マクドナルド(以下、マクドナルドと表記)には消費者らのクレームが殺到した。問題のスタッフはマスコミから報じられる前の10日に自己退社した。またマクドナルドの副社長は、直接被害者のところへ訪問して謝罪するなど、事態をおさめようとした。
マクドナルドの関係者は「サービス教育を徹底する」とし、「すでに被害顧客には謝罪の旨を伝えており、そのお客様も理解してくれた。今後はこのようなことが二度と起こらないよう、徹底的にスタッフ教育に注意をはらうつもりだ」と付け加えた。しかしこのニュースを接したネット民たちは過激的な反応を見せている。


マクドナルドは世界的ファストフード企業。特に“清潔な食べ物”を作ることを強調するところでもある。実際にマクドナルドの厨房では、調理スタッフたちが30分ことに手を洗っており、時間別に徹底して衛生チェックを行っている。また、調理中にはまな板と手袋などを食材料によって違うものを使うほど、細かい部分までチェックする体系的なシステムで構築している。

しかし今回の事件でマクドナルドのイメージは地に落ちた。消費者たちは連日マクドナルドの衛生に対する疑問を示している。一度無くした信頼が取り戻せないことになってしまったのであろう。
事件があった後、マクドナルドを訪ねる消費者たちはまだ半信半疑な気持ちだ。大学生のユン氏(26)は、「こうして直接店舗を訪問して食べてはいるが、デリバリーは不安だからしていない」と言いつつ「仮にデリバリースタッフの気を触って、食べ物に何かしたらどうする」と苦笑いをみせた。


消費者たちの不信に火をつけたのは、マクドナルドの“対応”だった。被害者に無料サービスクーポンを提示して事態を済ませようとしたからだ。マクドナルドはそれで誠意を示したつもりだが、結果的にはクーポンが消費者らの怒りに油を注いだわけだ。すでに信頼を失ったマクドナルドが、事実上自社のハンバーガーをまた食べさせようとする“強要”にすぎないという指摘だ。


これだけではない。今回事件の深刻性とは違って、マクドナルドの謝罪は事案に比べ軽率だったという世論が強い。
マクドナルドは14日に自社ホームページを通じて「お客様に心より感謝を申し上げます」という謝罪分を掲載した。謝罪文でマクドナルドは「デリバリースタッフの不適切な顧客へのメール送信のことで、ご迷惑をおかけしたことについて、心からお詫び申し上げます。今回のことを、よりいいサービスがご提供できるためのきっかけにして、スタッフ教育及び内部の応対システムを強化するなど、最善の努力を尽くします」と述べた。

大概食べ物と関連した事件が起きる場合、該当企業のCEOが積極的に対応し、失った信頼を回復しようと努力する。CEOによる継続した謝罪は、該当企業が消費者に対してそれほど深刻に考えているという気持ちが伝わるからだ。これは企業の信頼度が回復できるきっかけにもなる。
2009年、世界的ピザブランドであるドミノピザでは、ある店舗のスタッフらがピザを調理中にいたずらするところがYoutubeに掲載され、CEOは自から頭を下げしっかりと謝罪した。


デリバリー食品の命は“信頼”だ。消費者らはその食べ物の味、鮮度、清潔などを信じて選択している。しかしマクドナルドは、今回の事件によって食べ物の清潔に対する信頼に致命打を受けた。こうした状況でマクドナルドがやるべきことは、ただのホームページによる謝罪文掲載ではなかったはずだ。

 

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