韓国造船業界ビッグ3のうち、サムスン重工業だけが、労働組合と今年賃金を交渉中だ。 |
[スポーツソウルドットコム|ファン・ジュンソン記者] 世界的な金融危機以降、造船産業の低迷が長期化する中、サムスン重工業(以下、サムスン重)を除いて、韓国の代表する造船企業の労使が協力を強めている。
29日の業界の発表によると、24日にサムスン重の巨済造船所・労働者協議会が暫定合意案に対する賛否投票を実施したが、協議会会員5642人のうち51.16%(2747人)が反対して否決された。
サムスン重の労使は、基本給3万3177ウォン(約3千円)引き上げ、一時金510万ウォン(約45万円)支給、55歳以上の労働者に生涯設計教育の実施、創業・再就職の希望者に対するサポート、協力会社に対する処遇改善などに合意した。
しかし、協議会会員の反対のため、29日から始まる夏休み前の賃金交渉を完了しようとした社側の計画は失敗した。また、労組執行部に対して反対票を投げた協議会員は、その反対姿勢をさらに大きくする見通しだ。
幸いなのは、サムスンの労働者協議会は正式な労働組合ではないということ。労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)の団体行動権を主張することができないため、操業中断はないと予想される。しかし、ライバルの他社が今年の賃金交渉を順調にけじめたことが負担になる状況だ。
現代重工業(以下、現代重)は最近、検察の原発不正捜査などで危機に陥ったが、労使の賃金協議の合意で一安心した状態。
現代重の労使は17日、基本給の3万500ウォン(約2700円)引き上げ、社内勤労福祉基金30億ウォン(約2.7憶円)設け、労働組合保養所建設の支援金20億ウォン(約1.8億円)支援、生産性向上に対する激励金200万ウォン(約18万円)支給、従業員の死亡時に遺族に対する生活費1億ウォン支援(8800千万円)などを合意し、19年連続の‘労働争議なし’が続いている。
大宇造船海洋の労使も基本給7500円(660円)引き上げ、成果配分賞与350%、会社の株式購入支援金200%、交渉妥結の激励金280万ウォン(約25万円)、社内勤労福祉基金30億ウォン(約2.7憶円)支援、協力会社の労働者の処遇改善などを盛り込んだ賃金協議案について22日に賛否投票を行い、可決させた。
最近5年ぶりに商船の受注に成功した韓進重工業も、24日、3%の賃上げを骨子とした暫定協議案を導出し、次の日の賛否投票で57.7%で可決、賃金協議を終えた。
韓国の造船業界関係者は、「今年造船業界の賃金交渉が難航すると予想されたが、現代重を皮切りに次々と合意に成功した。長年の景気低迷による危機意識が労使を団結させた形だ。これで労使とも気持ちの良い夏の休暇を過ごすことになる。しかし、サムソン重はまだ賃金交渉を終えず、すっきりしないまま夏の休暇を迎えることになった」と述べた。