LGグループが自動車部品事業に拍車をかけている。|スポーツソウルドットコムDB

 

[スポーツソウルドットコム|ファン・ウォンヨウン記者] 「未来を変えろ」具本茂(ク・ボンム)LG会長の‘特命’で、LGグループ全体が動き始めた。LG は、4月に自動車関連技術と自動車部品設計の専門会社、‘V-ENS’の株100%を170億円(約15億円)で買収し、今月1日には自動車部品事業を担当するVC(Vehicle Components)事業本部を新設・改編した。


LGグループは今年、設備部門に14兆ウォン(約1.2兆円)、R&D部門に6兆ウォン(約5.3千億円)など過去最大規模の20兆ウォン(約1.7兆円)を投資し市場をリードしていく計画だ。特に自動車部品産業に力を注ぎ、新たな市場を創出するという意志を固めている。


◆"新しい市場"への動き
「勝負する市場とビジネスに集中し、人より先に、着実に技術を確保しなければならない」
具・LG会長は先月、ソウルのLGツインタワーで開かれた第2四半期の役員セミナーで、生存戦略としての市場リードの意志を再び強調した。


具・会長が強調した市場創出の商品は、電気自動車用バッテリーなどの自動車部品。電気自動車が新たな市場として浮上しているうえに、エネルギー貯蔵装置(ESS)などの新しい市場も形成しているためだ。LG電子がこれまで、携帯電話やノートパソコンに使用されるリチウムイオン電池を生産しながら広範囲の基礎技術や基盤技術を確保していることも、具・会長が言及した「市場創出型商品」と合致するところがある。


それと連動するように自動車部品事業を拡大しようとするLGの動きが速くなった。今年の下半期に推進する事業をみると、M&A、自動車部品基地の完成、米国内の工場稼働など骨太の事業が次々を挙げられる。また、LG電子、LG化学、LG CNS、LGイノテック、LGディスプレー、LG化学など主要LG系列社のほとんどは、電気自動車や自動車部品産業に集中している。

 

業界では、グローバル自動車業界で物量を受注するなど、LGグループが自動車事業に力を入れる様子に対し、「LGグループは今後、エコカー時代の主導権を握るための競争力を備えていく」と予想した。具・会長も「商品の改善も重要だが、市場を創出する商品で既存の市場を再編したり、新しい市場を創らなければならない」と強調した。LGの関係者は、「自動車部品事業に積極的に挑戦している」とし、「部品事業に集中するが、完成車事業には進出しない」と述べた


◆LG系列社が総動員...下半期を狙う
LGは、関連系列社を介して電気自動車、スマートカーなど次世代自動車産業のためのさまざまな部分とソリューション開発事業を展開している。今年の下半期からは、これまで基礎を固めてきた自動車部品事業で実を結ぼうとする姿勢だ。


LG電子は、自動車部品の設計会社V-ENSを買収し、今月1日にVC事業本部として新設した。LG電子は、自動車部品の関連組織を統合して自動車部品事業の力量を強化していくと説明した。VC事業本部では、車のインフォテインメント部品と電気自動車用のモーター、インバーター、コンプレッサーなどを生産する予定だ。

これとともに、LGイノテック、LG化学、LGハウシス、LG CNSなどのLG系列社も電気自動車用のモーターやバッテリー、車の内外装材、充電インフラ構築など自動車部品関連事業を展開している。

LGイノテックは、電気自動車のモーター、ステアリング装置、センサーなどの主要部品を生産している。ABSモーターとEPSモータなどで韓国市場シェア1位を占めるなど、成果も悪くない。LGが力量を集中している電気自動車部門でもLGイノテックの役割が目立つ。LGイノテックは、電気自動車のバッテリーセルをチェック・電子制御してバッテリーの安全性を高める‘BMS’を量産している。今後、電気自動車のワイヤレス充電モジュールとBluetooth•無線LANなどを利用した複合通信モジュールなども開発する計画だ。


LG化学は、電気自動車の主要部品であるバッテリーを生産し、現在、GMやフォード、ルノー、現代・起亜車など10社以上の企業に電気自動車のバッテリーを供給している。2011年、韓国の中部に年間電気自動車の20万台分のバッテリーのを供給できる、世界最大規模のバッテリー工場を竣工し、7月からは米国のミシガン州にあるバッテリー工場を本格稼動する。


自動車ディスプレイから、センサー、バッテリー、内装用生地までLGグループは、自動車部品事業の全分野に進出している。世界の自動車内装用の生地市場で3位を占めているLGハウシスは、蔚山(ウルサン)工場とともに2011年に完成した中国の天津工場を通じて自動車の内外装材や生地などを生産・供給している。


また、LGはインフラ構築事業にも乗り出した。LG CNSは、2009年から電気自動車の充電ソリューション開発と充電インフラ構築事業を展開している。子会社エバーオンを介して電気自動車のシェアリングサービスを開始し、ソウル市と首都圏の自治体に充電インフラ構築事業を、済州島(チェジュ・ト)では充電器およびオペレーティング・システムの構築などを進めてきた。


2011年9月に仁川(インチョン)市の産業団地で着工した電気自動車の部品基地も、今年下半期に完工を控えている。9万6885㎡(3万坪)規模で造成された仁川電気自動車の部品基地には、LG電子の自動車部品R&Dセンターと電気自動車のバッテリーパック工場などが入る予定だ。


「未来を変えろ」という具・会長の‘特命’で、LGグループ全体が素早い動きを見せている。LGグループの自動車産業が、期待するほどの成果を収めるかに世間の関心が集中されている。
 

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