俳優のチョ・インソン。|撮影:チェ・ジンソク記者

 

[スポーツソウルドットコム|キム・ガヨン記者] 韓国を代表する美男スターのひとり。チョ・インソン(32)はデビュー以来ずっとトップスターとして注目を浴びてきた。
優れたルックス、高い身長、女心をくすぐるキラースマイルなどがその理由でもある反面、演技に対しては正直いまいちな評価もある。
彼は地道に役者人生を歩んでいるが、最悪の俳優として選ばれることまであった。しかし、SBSドラマ「バリでの出来事」の大ヒット以来、映画「卑劣な街」、「霜花店」などで高い評価を受けるようになり、その演技力もだんだん認められる俳優になってきた。
先日3日終映したSBS水木ドラマ「その冬、風が吹く」(以下、その冬…と表記)は、そんな彼にとって深い意味をもつ作品になっているようだ。
「その冬…」でギャンブラーのオ・ス役を務めた彼は、冷静と情熱の間を行き来しながら、オ・スという人物を表現するために努力した。
当初、ノ・ヒギョン作家の作品には、チョ・インソンが合わないという声も多かったが、チョ・インソンは、“自分らしさ”でそうではないオ・スを演じ、結果的に評価はよかった。
チョ・インソンらしいということばは、彼が持っている特有の表情、いいざま、視線などを指す意味で、彼ができるお芝居のパターンを意味する。
チョ・インソンは数編の作品に出演しながら、自身の演技世界を完成した。ここで“チョ・インソンらしい”という意味は、時々得になれば時には損にもなる。しかし本人は、それについて大きく気にしないようだった。


先日5日、チョ・インソンは、ソウル市内にある某ホテルにて記者陣に会い、「その冬…」の終映と自身の演技哲学について語りながら、「チョ・インソンらしいことを捨てたら、自分を捨ててしまうことになりますから、そうはいきませんね」と明るく笑っていた。
「大先輩たちは、自分の作品の中で、似たようなパターンの人物を演じることがありますが、それぞれの雰囲気が異なるんです。正直僕の場合、まなざし、言い方、行動などがキャラクターに溶け込んでいないところがあるので、僕に対する評価が悪いとは思わないです」
「実際にもこのような悩みがあって、ノ・ヒギョン作家に言ったんです。彼女は僕に“チョ・インソンらしい何かがある”と言っていました。なんかリアリティがあるというか“とんとん”と飛ぶような演技がそうと言われましたね。その感情を忘れないでほしいと助言してくださったんです。毎年歳をとるたびに、意図しなくても変わる部分がきっとあるはずだと言われました」
「俳優として、僕も自分らしさがあるべきだと思います。自分のことを捨てたら何もないです。歳をとることによって感じる部分が必ずあると思います。「その冬…」も以前僕が演じたキャラクターらと似たところがあるのですが、視聴者の方にはちょっと違った感じでみえたようです。そんな理由があったからですかね」
2000年、KBS2ドラマ「学校」で本格的に役者の道をはじめた彼は、地道に芝居をやってきた。視聴率がよかったり興行に成功したりという作品はむしろ少なく、彼に対する酷評が続いた。そうしながらチョ・インソンは少しずつ強くなった。

 

チョ・インソンは、「その冬、風が吹く」を通じて、これまでの評価を覆す見事な演技をみせてくれた。|撮影:チェ・ジンソク記者


彼は、これまでの役者人生について、「『マドレーヌ』、『ラブストーリー』を撮った時が僕の演技人生の中でもっとも大変だった時でした。たぶん最悪の俳優として選ばれたこともあるはずです。その時思いましたね。もう二度とお芝居はできないだろうって。そんな時ターニングポイントとなる作品に出会いました。『バリでの出来事』です。当時は演技に対する切実な気持ちが信じられないくらいでした。だからもっと演技に集中できて自分らしい演技がやっとできたと思っています。そんな厳しかった経験があったおかげで、今の僕は少しでも成長していると思います。これからはもっと成長して“これがチョ・インソンらしい演技”だと誰もが認める役者になりたいです」と述べた。


 

 

 

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