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[スポーツソウルジャパン|小川典子記者] 「韓国版 花ざかりの君へ」や「根の深い木~世宗大王の誓い~」など、幅広い作品に出演し人気の俳優ソ・ジュニョンが10日、ラフォーレミュージアム六本木にて来日ファンミーティングを開催。ファンともに楽しいひとときを過ごした。
オープニング映像に続き、黒で統一された衣装で登場したジュニョン。sg WANNA BE+の「ラララ」をまずは披露。自身はMVにも出演していることと、日本でも人気があるため、この曲をセレクトしたようだ。
日本には、本人いわく「数えきれないほど」訪れているらしく、昨年の11月にも来日していた。「11月の28日から10日間、来ました」と述べる彼。予想以上の長期間の滞在に、客席が「え~」と騒然となる場面も。韓国で1月にKBSにて放送された4部作ドラマ「シリウス」の撮影に入る前に心の整理をしたいと、台本を持ちこんでの来日になったそうだ。
好きな食べ物は、カレーライス!ちなみに、これはファンには知られている事実のようで、応援グッズの中にも、“カレーの王子”などと書かれたお手製のうちわを見つけることができた。11時から材料がなくなるまで営業している渋谷のあるカレー店が、以前から気になっているようで、日本に来るたびに行列に並んでいるそうだ。いつも材料がなくなってしまい、1度も食べられなかったそうだが、「昨日、やっと食べられました!」とキラッと笑顔が飛び出すと、観客から笑いと拍手が贈られた。また、“おひとりさま”の文化が一般的ではない韓国では、一人で食事をしていると、「あの人、なんだろう…」という目で見られてしまうが、日本ではそのようなことがないので、いろいろ食べ歩きをしているとも明かしてくれた。辛いものが大好きのジュニョン。激辛で有名な神戸ラーメンのお店で、トライしてみたが、食べられなかったと、端正なマスクからは想像できない、その“チャレンジャーぶり”も発揮したらしい。
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俳優になったきっかけは、道でのスカウト。17歳の頃だった。スカウトされたときは、「どんな気分にもならなかった」らしい。マネージャーのような人に、「俳優にならない?」と声をかけられただけではなく、背が高くて、帽子をかぶり、サングラスをかけた、すごく体格のいい男の人から、突然腕をつかまれ、「明日、何時に、ここに来い!」といきなり声をかけられた。「おじさん、誰ですか?」と聞いたら、「監督だ」と…。あまりにも突然のことで、どうしようかなと思ったが、周りの後押しもあり、OKすることに。車に連れて行かれた場所で、2泊3日の撮影が待っていた。これがなんと、あのドラマ「悲しき恋歌」のMVだった。クォン・サンウの子供時代を演じていたのは、彼であったのだ。さらに驚きの事実。声をかけたその監督は、韓国のCMやMV界で、名を轟かせるチャ・ウンテク氏であった。
そこから、さまざまな作品を通じ、俳優として成長することになった。当初は、現在でも彼の担当であるマネージャーの言われるままに仕事をしていたそうだが、“ある瞬間”から、「演技がうまくなりたい!あの先輩みたいに演じてみたい!人々と気持ちを共感し合いたい!」と思い立ち、“生まれて初めての”努力をしたと、その役者魂に火がついた。かといって、身体作りなどに励んだわけでなない。“俳優に大切なことは…”と考えた結果、目力や呼吸だと自らがその答えを見いだした。「たくさんの作品を見て、練習し、マネもしました」と振り返る。
現在は、東野圭吾の「さまよう刃(やいば)」を原作にした映画を撮影中。なんと、熱血刑事役。思わず観客も「ステキ!」といった期待の拍手を贈る。実際の刑事にできるだけ近づくために、“カッコよさ”を封印し、くたびれた格好をし、山で撮影している。衣装を着たまま、その地域にいたら自分に気付く人はいないが、衣装で訪れた食堂に、今度は自前の服で行ってみたら、「僕だと気づいてくれました!」と、笑顔とピースサインが飛び出した。
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韓国語を観客に教えてあげるコーナーでは、「감사합니다/カムサハムニダ(ありがとう)」「사랑합니다/サランハムニダ(愛しています)」「행복합니다/ヘンボカムニダ(幸せです)」と、3つの言葉をフィリップに書いた。この3つは、サインを書くときにいつも添えるくらい好きな言葉。とくに、「행복합니다」は、俳優になってから、いつも他人の人生を生きている自分に、当初は“本当は幸せじゃないかも…”と苦悩したが、「自分の演技によって誰かが幸せになるのであれば、その“幸せ”で自分も幸せになることができる、と思えるようになったからです」と、その心を明かすと、会場一体が拍手喝采に包まれた。そんなリアクションに「いいから、いいから」といったように照れる場面も見られた。
ここからは、抽選で当たったファンとの交流のひとときが続いた。直接質問ができるコーナーでは、ステージに上がり、至近距離でジュニョンを目の当たりにしたファンが、「足が震えています…」と述べると、「僕もさきほど、足がガクガクでした」と優しく話しかける。また、韓国語で自己紹介をするファンには、じっと見つめて話を聞く姿も。“これから、どんな男性になりたい?”といった質問には、「俳優としては、辞めるその日まで、自分の洋服を着ているような、そんな演技をしたいですね。一人の男としては…休日に奥さんが会社に行くときには、お弁当を作ってあげたいですね!」と何とも胸キュンな応えが飛び出した。
手持ちマイクをヘッドセットに変えて、ファンと名場面を再現する”演技でデート”のコーナーでは、春から高校入学を控える15歳の少女が当選。ドラマ「あなただけよ」で、ジュニョンにバックハグをする演技に挑戦。そんなことはまったく経験のない女の子であったが、「ガンバレ~!」と客席から声援が飛ぶ中、スポットライトを浴びて、ジュニョンと目を合わせ 体当たりの演技を繰り広げ、拍手と歓声が寄せられた。
映像では、卒業校である、ソウル鍾路(チョンノ)区にある中央高等学校へ訪れる場面が映された。あの「冬のソナタ」でのロケ地でも有名なスポット。ユジンやジュンサンの卒業した高校として撮影された場所である。ここでお弁当を食べました、などと当時を振り返る彼。男子校のために、他校から追っかけの女子高生もいるそうで、「でも…僕にはファンはいませんでした…」と苦笑い。
そして、衣装をチェンジして登場したジュニョンは、イ・スンチョルの「マルリコッ(茉莉花)」を披露。バラードをストレートなボーカルで熱唱した。ちょこんとジーパンのポケットに手を突っ込み、厚い胸板を感じることができる、白いシースルーのニット姿が映える。
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ホワイトデー間近ということで、ロールケーキを使ったデコレーションケーキを、抽選で当たったファンに食べさせてあげる特別企画も実施された。リハーサルなしのぶっつけ本番というこのコーナーに、会場全体が見守る中、ホイップクリームやチョコレートやゼリーなどを駆使しながら「楽しいですね!」と、お城をイメージしたトッピングが完成!当選したラッキーなファンには、「僕たち付き合ってからずいぶん時間が経ったね…この愛を受け取ってくれ…」など、アドリブでシチュエーションを作り、ケーキを食べさせてあげる場面も見られた。
そして、ふたたび映像。生活に必要なものをプレゼントしたいということで、自身も行ったことがあるコスメショップに足を運ぶ。「根の深い木」で共演したハン・ソッキュを“世界一の人格者”だと述べる。別の作品の撮影で、ハン・ソッキュとの撮影に6時間も遅刻してしまった。当然、叱られると思ったが、「疲れただろう、少し休んだら?僕もおかげで6時間休むことができた」と優しく声をかけてくれ、涙が出るほどうれしかったとエピソードを語る。
映像が終わり、客席後方から、アメを配りながら再登場に会場は騒然となった。自腹で買った、リップクリームとハンドクリームを抽選に当選したファンへプレゼント。なんと、ハンドクリームを、実際に塗ってあげるドキドキなサプライズも飛び出した。「男の人にこんなことをしてもらうなんて、何年ぶりだろう~!」という卒倒するファン。
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そろそろ大詰めの時間。映像では「まるで反省文のようになってしまいました」と照れながら、文字を綴るジュニョン。「愛を夢見るすべての人たちへ」という書き出しで、観客に手紙の朗読の時間となった。「本当に縁は大切ですね。いつも感謝しています。デビューしてから10年経ちました。苦悩のときもありました。そのたびに最善を尽くそうと肝に銘じ、ここまで来れました。みなさんとともに喜びも悲しみも共感し、俳優ソ・ジュニョンという名に恥じぬようがんばります」と手紙を読み上げる彼に大きな拍手が贈られた。そして最後のナンバー、イム・ジェボムの「ノルル ウィヘ」を歌い上げた。ペンライトを左右に振るように誘う。
どうしても、“作られた感”が出てしまうため、あえてリハーサルをしっかりしなかったそうだ。「好きな人同士がひとつになって、同じ気持ちで楽しみたいと思ったから」らしい。それと同時に、他の俳優とは違うということを知ってほしい気持ちもあった。映画で共演するチョン・ジェヨンの“獣のような演技”を体感し、動物的な感覚で演技をしている姿を見て、「かくありたい!」と目覚めたようだ。それをふまえて、韓国に帰ってこれまでとは違う、失敗したような演技を見せても、寛大な気持ちで受け取ってほしいと語りかける。そんな言葉に聞き入る観客。「ジュンヨン氏、ファイティング!」と会場全体で心をひとつにして、その後は、参加者全員と写真撮影会が行われた。
【Information】
ソ・ジュニョン
1987年4月24日生まれ、身長:178cm 体重:65kg
公式Twitterアカウント @iamjjun0
イベント主催:KJ-net
http://www.kj-net.jp