俳優のハ・ジョンウ。|チェ・ジンソク記者

 

[スポーツソウルドットコム|キム・ガヨン記者] 俳優 ハ・ジョンウ(35)の演技は、スクリーン上で実に爆発的である。おいしく食べる演技も見事に披露、“グ番”(グルメ番組を観ているようだという意味でハ・ジョンウのファンが付けた新造語)という新造語まで作り出すくらいキャラクターを120%吸収している。
ハ・ジョンウは、映画「チェイサー」、「哀しき獣」、「犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代」、「ラブフィクション」から最近の「ベルリン」まで、自己流の個性を創造しながら、“俳優 ハ・ジョンウ”を改めて証明した。


「ベルリン」(監督 リュ・スンワン)のハ・ジョンウの演技は、観客らを“じんと”させる。ゴーストと呼ばれる北朝鮮の最高秘密要員、ピョ・ジョンソンを演技した彼は、体を惜しまないアクションを披露。再び観客の心に火をつけた。
タフな素裸アクションからワイヤアクション、カーチェイス、銃撃シーンまで、ハ・ジョンウは全身を投げた。
現在700万観客を突破しながら「ベルリン」の主役として「さすが、ハ・ジョンウ」と絶賛寄せられている彼を、先週ソウル・三淸洞(サムチョンドン)にある某カフェで会った。

 

ハ・ジョンウは、映画「ベルリン」で演じたピョ・ジョンソン役を、力を抜いて演技したと語った。

 

映画「ベルリン」では、ハ・ジョンウをはじめ、北朝鮮の要員役でリュ・スンボム、チョン・ジヒョン、韓国の国家情報院の要員を演じるハン・ソッキュなどのベテラン俳優らが大挙出演する。チョン・ジヒョンは紅一点として視線を引き、リュ・スンボムとハン・ソッキュはキャラクターのカラーが濃いし性格もはっきりとしている。しかし、ハ・ジョンウが務めるピョ・ジョンソン役は、この3人より濃いキャラクターではない。彼が前作で演じた「哀しき獣」、「犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代」、「ラブフィクション」などで披露した“線が強い”姿は、「ベルリン」ではなかなか見られないのだ。
ピョ・ジョンソンというキャラクターについて、ハ・ジョンウはこう語っている。
「キャラクターの性格が強くないので、そう見られると思います。実は念頭しておいた部分なんです。他のキャラクターらが強いので、ピョ・ジョンソンまで強くいったら劇の流れや雰囲気が壊れる可能生があると考えました。みんなが目立ってしまうと、アンサンブルを作ることは難しくなります。なので私のキャラクターは静かにいくつもりで臨みましたし、今思うと返ってその方が正しい選択だったと思っています」
「観客の方に、キャラクターで強要したくなかったんですね。観客にとって考える余地をおいておくべきだと思いました。4人の俳優とリュ・スンワン監督に対する期待、関心があったはずなので、それを完ぺきに埋め尽くすと、隙がないんですよね。初めてピョ・ジョンソンを演じた時、そして『ベルリン』を演じる時、余白を作ろうと考えましたし、うまく表現できたと思います」

 

ハ・ジョンウは、ハリウッド進出も検討していると言ったが、急ぐことはないと述べた。

 

映画「ベルリン」は、アクション映画の実力派、リュ・スンワン監督の新作として大きな期待を寄せた。観客らの期待だけに、リュ監督は「ベルリン」で俳優らの演技を極限まで引き上げ、そのアクションシーン対しては、これまでの最高という評価を受けた。ハ・ジョンウはリュ・スンワン監督と作品を作ったことに感謝していた。
「リュ・スンワン監督の8本目映画に出演しただけで、すごく嬉しかったです。映画に対する情熱が溢れすぎている方なんですね(笑)。映画を本当に愛しているんですよ。もちろん他の監督さんも一緒だと思いますが、リュ・スンワン監督はよっぽどな映画好きなんです。それが違う部分ですかね。僕自身がこの映画にどれほど満足するというより、感謝しているんです。彼の作品に一緒にさせてもらっただけで、大変いい経験になっています」
この映画がハ・ジョンウにとって特別な理由は、果敢なアクション演技を試みたからでもある。これまで彼はさまざまな作品のなかで、絶え間なく体を張っていた。「チェイサー」、「哀しき獣」では準備もできてない体アクションが頻繁にあったが、「ベルリン」は違った。徹底的に準備し、それほど体は壊れていった。諸媒体では軽い負傷だと報じられたが、実は彼の体は傷だらけだった。
ハ・ジョンウは「一応、軽い負傷っていっておきましょう(笑)。そんな大したことはなかったですが、ただ転んだりぶつかったり、銃にかすれたりするくらいでした(そう語っているハ・ジョンウの手は、傷跡だらけだった)だけど、アクション演技をするのに、怪我しないでするわけにはいかなったですね。僕もそういう種類のアクションは初めてだった
ハ・ジョンウが「ベルリン」の主演に抜擢される前、ハリウッドからラブコールを受けたことはすでに知られていた。色々な状況上、ハリウッド進出より「ベルリン」に出演することが正しいと判断して、ハ・ジョンウは「ベルリン」に定着した。今年の『ベルリン国際映画祭』では、『ベルリン』が公開され、多くの海外バイヤーらの目に留まり、海外にも多く売られた。
ハ・ジョンウにハリウッド進出について尋ねると、肯定的な返答がきた。
「『ベルリン』前は2本の映画検討しましたが、色々な事情があって霧散されました。僕が検討していたその映画は、まだ進行中ですが、今は機会ではないと思ったので、もう一度韓国市場に集中したわけです。実は今も読んでいます。4ページの初稿本をもらって読んだらおもしろかったです。まだはっきり決めたことはないですが、ハリウッド進出も肯定的に考えています」

 

「ベルリン」のプロモーションと「ザ・テロ・ライブ」の撮影を終え、約2ヶ月間の休暇が与えられたハ・ジョンウは、旅行に行きたいと語った。

 

去年の夏から休まず、ずっと仕事に熱中してきたハ・ジョンウには、相変わらず休みがない。そんな彼に、お休みの日に何をしているのかという基本的な質問もできなかった。映画「ザ・テロ・ライブ」と彼の初めての演出作「ローラーコスター」が、今年の夏に公開される予定で、カン・ドンウォンとの共演が決まったユン・ジョンビン監督の新作「群盗」も撮影が始まる。ハ・ジョンウには、来月からちょうど2ヶ月間の休暇が与えられる。翌月初旬から展示会を開く彼は、その日程が終わったら、しばらく旅に出たいと言っていたが、「群盗」の準備をしなければならないとまたも笑顔をみせた。
「来月初旬に、ニューヨークでフィンランドの作家と2人展示会を開くことになりました。それが終わったら旅行に行くつもりです。ハワイに行きたいし、モルディブにも行ってみたいですが、行き先はまだ決めてないです(笑)。去年夏からずっと仕事ばかりしてきましたが、今春休みが与えられたと思っています。でも『群盗』の準備もあるので、きっとそんな長い休みにはならないんですよね」


始めてから最後まで、作品だけを考える俳優のハ・ジョンウ。なぜ彼が今もっとも脚光をあびる俳優なのかが分かるインタビューだった。

 

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