東京ドームに一歩足を踏み入れると、ステージでは既にGINJO、Raiden、HYO(少女時代・HYOYEON)の3人がDJプレイを続け、客席を盛り上げていた。日本では3年ぶりの開催となった“SMTOWN LIVE 2022 : SMCU EXPRESS @ TOKYO”。この日を待ち焦がれた観客で東京ドームは超満員。追加公演となった8月29日も含めて全てのチケットが瞬く間にソールドアウトとなり、3日間で計15万人を動員したのだ。





タイトルにある“SMCU”とは“SM Culture Universe”の略で、現実世界と仮想世界の境界を超え、全世界が文化で繋がるという、SMが望む未来のエンターテイメント=メタバース向けコンテンツのこと。そして今回の“SMTOWN LIVE”は、その“SMCU”の世界観を運ぶ列車(EXPRESS)が世界中を巡り、そこにいる人々に“SMCU”を楽しんでもらうという公演になっていた。

その“SMCU EXPRESS”に乗り、最初に東京ドームのステージに姿を見せたのは、2020年11月にデビューしたばかりのaespa。4人がデビュー曲『Black Mamba』と『Next Level』で客席をどよめかせたのを皮切りに、続くWayVが『Kick Back (Korean version)』で、NCT DREAMが『Beatbox』と『Hot Sauce』で5万人を熱狂させたのだ。








このあとも、次々とSM ENTERTAINMENTが誇る人気グループが登場。Red Velvetは『WILDSIDE』、NCT 127は『gimme gimme』と『Sticker』を披露した。ライブ後半にはNCT Uが『Universe (Let's Play Ball)』を、NCTが『RESONANCE』をパフォーマンス。そのエネルギッシュなステージが5万人の気持ちをいっそう高揚させたのだ。

さらに現在はソロ活動をメインにしているSHINeeは、日本でのソロツアーも開催中のONEWが『DICE』を、MINHOが『Heartbreak』を、そしてKEYが『BAD LOVE』と8月30日にリリースされる2ndアルバムのタイトル曲『Gasoline』をチョイス。それぞれが持つ個性を存分に発揮してみせたのだ。






今回は4人のみの参加となったEXOもCHENがバラード曲『Beautiful goodbye』で美しい歌声を聴かせ、SUHOが茶目っ気のあるアクションも取り入れた『Hurdle』で東京ドームを沸かせる。KAIはメロウな『Peaches』で緩急あるダンスを見せ、XIUMINは『Shake』で情熱的なステージを展開。リーダーのSUHOは今年10月1日に東京体育館で初の日本ソロライブイベントも決定。EXOの変わらぬ人気を感じさせた。




そして、日本のファンが沸き上がったのが、少女時代のTAEYEONとHYOYEONのステージ。共にダンサーを従えTAEYEONは『INVU』、HYOYEONは『DEEP』を歌い踊ったのだ。少女時代はデビュー15周年を記念して、5年ぶりにアルバム『FOREVER 1』をリリース。次はグループでの来日も期待できそうだ。





SMTOWNライブでは、グループを超えたコラボレーションステージも楽しみのひとつ。今回もaespaのNINGNINGをフィーチャーしたONEWのバラード『Way』に始まり、CHANGMIN (東方神起)/ KYUHYUN (SUPER JUNIOR)/ MINHO (SHINee)がトロッコも使ったAdoのカバー『阿修羅ちゃん』のパフォーマンスで客席を熱くさせれば、NCT (SHOTARO SUNGCHAN) X SMROOKIESは『Dream Routine』でシャープなダンスを見せるという具合。さらにSMラップユニットでNCTのTAEYONG、JENO、HENDERY、YANGYANG、aespaのGISELLEが『ZOO』を、RaidenがNCTのXIAOJUN、SUNGCHANをフィーチャーして『Golden』を聴かせるなど、SMTOWNでしか見られない組み合わせのステージをたくさん繰り出し、5万人を喜ばせていた。






ライブ終盤には、ガールズユニットプロジェクト・Girls On Topの第一弾GOT the beatによる『Step Back』も飛び出し、その華やか、かつキレのいいパフォーマンスで客席の視線を釘付けに。SMアーティストの多彩さとスキルの高さを改めて感じさせたのだ。

もちろん長いキャリアを持つアーティストたちも圧巻のステージで魅了!KANGTAは9月にリリース予定のニューアルバムのタイトル曲『Eyes On You』をムーディーに聴かせ、5月に日本デビュー20周年記念アルバム『The Greatest』をリリースしたBoAは、そのタイトル曲をさすがの説得力でパフォーマンス。そして、SUPER JUNIORは、ライブには欠かせない『Sorry, Sorry (Korean version)』と『Bonamana (Korean version)』で5万人をヒートアップさせた。さらに『★BAMBINA★』では、トロッコでアリーナへ!メンバーによる振付のレクチャーもあり、観客もSUPER JUNIORと一緒にダンス!広い東京ドームがひとつになったのだ。





今回は、残念ながらYUNHOの来日が叶わなかった東方神起はCHANGMINが奮闘!ダンサーを従えて『Devil』と日本初披露となる『Fever』を存在感タップリに。彼ならではのスター性で5万人を圧倒してみせた。

ライブの最後は、SMTOWNライブのテーマ曲『Hope from KWANGYA』で締めくくり。アーティストにも観客にも笑顔があふれ、久しぶりの再会を誰もが心から嬉しく感じていることが見て取れた。また今回Soo-Man Lee統括プロデューサーも韓国から来日し、1日目は最後にアーティスト全員との集合写真に参加したり、2日目にはライブの演出等をアドバイスするなど、東京ドーム公演を盛り上げた。バラエティに富んだ43曲が味わえた3時間半。音楽が作り出す幸せな空間。これからもずっと味わえることを願いたい。


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