撮影:小川典子 

 

 [スポーツソウルジャパン|小川典子記者] ドイツの文豪、ゲーテの原作をもとにした、韓国オリジナルミュージカル「ウェルテルの恋~若きウェルテルの悩み~(以下、「ウェルテルの恋」)」の日本公演が11日に、赤坂ACTシアターにて幕を明けた。開演直前には、出演陣による囲み取材の機会が設けられ、主役のウェルテル役をダブルキャストで務める、キム・ダヒョンとチョン・ドンソク、そして相手役のロッテを演じる、キム・ジウが参加した。


「ウェルテルの恋」は、2000年にソウルにて初演されて以降、12回にものぼる再演を重ねている、オール韓国キャスト&スタッフによる、純正の韓国オリジナル作品。中世のヨーロッパを舞台に、ある舞踏会でウェルテルが美しい女性、ロッテに出会い、恋に落ちるところから物語は始まる。ロッテの夫、アルベルトとの確執や、友人のカインズの苦悩などを伏線に、ウェルテルの切なくも残酷な悲恋を描いている。

 

キム・ダヒョンは、時代劇ドラマ「王と私」にも出演。|撮影:小川典子

 

囲み取材の直前までドレスリハーサルに臨んでいたキャストたちが、本番での衣装をまとい登場。まず質疑応答は、日本公演についての意気込みから!ダヒョンは、「今、リハーサルが終わったばかりで、ドキドキした気持ちです」と、緊張した心境を明かしつつも、「日本のみなさんが、この作品をどのようにご覧になっていただけるのか、とても期待しています!日本語による字幕での上映ということで、不安なところもありますが、しっかりと感情を伝えられるようにがんばります」と、胸を張ったに、「でも…内容が理解していただけるようでしたら、演技の方にも集中してくださいね!」と笑いを誘った。

 

ドラマ「ロマンスが必要」などでも人気のキム・ジウ。|撮影:小川典子


また、ロッテ役のジウは、「私も日本の観客の方が、どのようにこの作品を受け入れてくださるか、一番、不安なところでもあります」と、率直な気持ちのまま、「目線ひとつにも集中して臨みたいですね!」と演技へもこだわりを見せた。みなさんには、言葉の違いを超えた“何か”を感じ取っていただけると確信しています。韓国と日本の観客の反応も楽しめたらいいですね」と意欲を見せた。昨年12月に、シアタークリエの5周年記念公演「ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL」で、すでに日本の俳優や観客とともに息を合わせているドンソクは、「日本の劇場環境は素晴らしいですね」と、経験者ならではのコメントとともに、「ゲーテの原作は皆さんご存知だと思いますので、作品の世界に浸っていただけたら…」と、目を輝かせた。 

 

「モーツァルト」「エリザベート」などの大作にも出演のチョン・ドンソク。|撮影:小川典子


また、このキャスト陣は、ブロードウェイ作品への出演も果たしているが、そろって「“韓国らしい”オリジナリティーさを感じていただけたら!」と、それぞれが自信に満ち溢れていた。なかでもドンソクは、「恋する気持ちは、世界共通のものじゃないですか?なので、難しく考えることなく、自由な気持ちで楽しんでいただける作品ですね!」と、劇中演じている、ウェルテルさながらの甘いセリフが飛びだした。そんなドンソクは、このウェルテルを演じていて、「似たような経験をしたことがあるので、昔の初恋を思い出してしまうところがツラいですね…」と語っていた。そんなウェルテルに愛されるロッテ役のジウからの、「ロッテは、みなさんからとても愛をいただく役なので、お姫様のような気分を味わえるところが楽しいですね」という、等身大のコメントにも好感が持てた。一方ダヒョンは、「演じていて、ウェルテルと自分がシンクロされるような感覚を味わえるところが、醍醐味ですね!」と、作品の世界観にどっぷりと浸っているらしい。

 

撮影:小川典子


ロッテ役のキム・ジウは、ダブルキャストであるこの2人と、それぞれ恋に落ち、ラブシーンを演じることになる。そこで2人のウェルテルについて魅力を尋ねられたジウは、「ダヒョンさんは、優しいおだやかなウェルテルですね。感情を抑制してように見えますが、すごく男らしい部分も持っています。本当に繊細で、実際に共演していても、思わず守ってあげたい気持ちになります。ドンソクさんのウェルテルの印象は、ずばり“生”です!愛に突っ走る、新鮮な演技に、相手役としても緊張感を味わっています。私より年下なのですが、劇中は、どこか慰められているような包容力も感じることがあります!」と、述べながらも、「ぜひとも、両方のウェルテル像を楽しんでほしいです!」と、鑑賞ポイントを教えてくれた。


なお、このミュージカル「ウェルテルの恋」は、1月26日まで、同会場である赤坂ACTシアターにて上演されている。

 

【Information】

「ウェルテルの恋~若きウェルテルの悩み~」公式サイト
http://wakaki-w.jp/

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