女優キム・ヨンエさん。|THE FACT DB


女優キム・ヨンエさんがすい臓がんの合併症により9日午前(10時58分)、死去した。享年66歳。
闘病中にも演技を続け、2月26日に終了したドラマ「月桂樹洋服店の紳士たち」(KBS2TV・全54話作)が遺作となった。
同ドラマの進行中にがんの再発と判定され入院し、医者からは演技をやめるよう注意を受けたにもかかわらず、「迷惑をかけてはならない」と、4ヶ月間は外出許可をとりながら最後までやり抜いた。


1951年4月21日、釜山生まれのキム・ヨンエさんは、釜山女子商業高校を卒業し、銀行に就職。その後、知人からの誘いで1971年に地上波MBCのタレント試験に応募し、合格した。
翌年、当時MBCの看板ドラマ「捜査班長」に出演。視線を釘付けにする美貌と安定した演技力が評判となり、2年後には、連続ドラマ「閔妃」で初主演を演じた。


これまで105作のドラマに出演し、「夜想曲」(81)、「風雲」(82)、「スンシム」(88)、「日の出」(89)、「氷点」(90)、「愛の香り」(94)、「砂時計」(95)、「兄弟の川」(96)、「愛の群像」、「波」(99)、「ファン・ジニ」(06)、「ロイヤルファミリー」(11)、「太陽を抱く月」(12)、「メディカルトップチーム」(13)、「キルミーヒールミー」(15)「ドクターズ」(16)などの大ヒット作で主助演を務めた。
映画は65本もの作品に出演し、代表作には、「深い夜に突然」(81)、「Love Me Once Again」(81)、「冬の旅人」(86)などがあり、「グッバイ・マザー」(09)、「弁護人」(13)、「明日へ」、「許三観」(14)、「Operation Chromite」、「パンドラ」(16)などの作品では、主に母親役を演じている。
1986年から1993年までは、韓国の大手食品メーカー・オットゥギのCMモデルを務めた。


「閔妃」で74年に百想芸術大賞のテレビ部門新人賞を受賞し、その後、同授賞式で3回も女子最優秀演技賞をとる。ドラマの年末授賞式では最優秀演技賞を5回受賞。映画では、「グッバイ・マザー」で大鐘賞の助演女優賞を、「弁護人」でMAX MOVIE最高の映画賞、釜日映画賞、大鐘賞、青龍映画賞の助演女優賞など、4冠を達成した。


2002年からコスメ事業に乗り出し、黄土を用いた美容パックで2年間の売上が1700億ウォンを記録する大ヒット商品となったが、07年、当時KBSのイ・ヨンドンPDが司会を務める番組「消費者告発」が、同商品から重金属が検出されたと報道。
その後、食医庁での検査で主な材料だった黄土は適合と判定され、同年の裁判でも「有害性はない」と立証されたものの、イメージは墜落し事業は廃業することになった。翌年には2人目の夫と離婚。事件によるストレスやショックなどが原因になったせいか、12年にすい臓がんと診断された。「太陽を抱く月」の撮影中には、闘病中であることを隠していたという。


病魔と闘い、最後まで命をかける渾身の演技をみせてくれたキム・ヨンエさんだっただけに、ファンはもちろん、共演していた先輩、後輩役者、音楽家、政治家、そしてメディアなど、各界の人々から追悼の声が寄せられている。

出棺は4月11日。


THE FACT JAPAN



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