数カ月前に比べて閑散としたソウル中区のロッテ免税店。 |
中国政府が高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備への報復として自国民の韓国観光を制限した中、韓国の免税店・化粧品・観光業界の損失が可視化されている。中国の経済制裁措置が続く場合、韓国は約200億ドルに達する経済的損失を被るとの見通しも提起された。
22日、韓国産業銀行の産業技術研究センターが発表した「THAAD配備と韓中関係の悪化に伴う産業別影響」報告書によると、中国の報復措置で国内経済は深刻な打撃を受ける。報告書は、中国が現レベルの経済報復措置を続く場合、対中国輸出額は昨年比で26億ドルが減少。中国観光客を相手にする免税店と観光業界の収入も74億ドルの経済的損失が発生すると推定した。
特に、免税店と化粧品、観光業界の打撃が最も大きくなる見通しだ。中国観光客の韓国訪問が減り、中国内でも不買運動が起きると、化粧品の場合、14億3500万ドルの損失が予想される。また、中国観光客の売上割合が63%に達する免税店では53億3000万ドルが、中国観光客の割合が47%である観光業界では63億9600万ドルの収入が減少する。
実際に中国当局が韓国観光商品の販売を禁止した15日以降、免税店の売上高は急激に減っている。旅行業界も中国人の団体観光予約がなくなり、開店休業状態だ。
旅行会社の関係者は、「売上の多角化のために努力しているが、中国人の団体観光客が売上であまりにも大きな比率を占めていたため、厳しい状況だ」とし「中国人のみを対象にしていた旅行会社は、その被害をさらに大きい」と述べた。
流通業界の関係者は、「過去日本、台湾と国防・安全保障問題で衝突したとき、中国が強硬対応を継続した過去の例からみると、韓国に対する経済制裁も長期化される可能性がある。中国民間レベルでの不買運動が広がれば被害はさらに拡大するとみられる」と指摘した。
THE FACT JAPAN