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初の日本ファンミーティングのために来日した人気俳優キム・ウビン。『ゆれながら咲く花』(2012-2013)『相続者たち』(2013)などで飛躍、そして『むやみに切なく』(2016)ではそれまでのイメージと異なる役で主演し、俳優としてさらなる進化を遂げた彼にインタビューした。


――日本で初めてのファンミーティングの感想は?
「ずっと日本でファンミーティングをしたいなと思っていたのですが、(皆さんが)僕のことをあまり知らないんじゃないかと思って、待っていました(笑)。それで今回機会があって、時期もちょうどいいのではないかということで決まりました。とてもワクワクしていますし、緊張もしています」


――公式初来日ですか?
「イベントで1度東京へ来たことがあります。個人的には、最近友人と箱根の温泉へ行きました」


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――日本の印象は?
「韓国からも来やすいですし、やはり近いですよね。すぐに行ける近所のような感じもあります。日本食がとてもおいしいので、ご飯の心配をしたことはありませんね(笑)。どこに行っても、どの店もハズレがなくておいしいんですよ」


――2008年にモデルデビューし、モデルとして活躍されていましたが、そのころから俳優を目指していたのですか?
「モデルになった頃は、モデル学校の先生になるのが夢だったんです。でもモデルの仕事を始めて広告なども撮るようになって分かったのですが、撮影では演じることが必要なんですよね。いいモデルになるためには演技の勉強も必要だと思って授業を受けたら、とても面白くて。“演技が何か”なんて分かりませんでしたが、一生懸命授業を受けて、オーディションにも行くようになって…。そうして始めて、今に至るといった感じですね」


――最初は俳優になろうとは思っていなかったのですね。
「本当にまったく思ってなくて。モデル事務所に所属していた時も、もともと演技の授業はあったのですが、僕は出席したことがなかったんですよ。周りに言われても、『俳優なんてやりたくない!』って(笑)。そう言ってたのですが、授業を受けてみたらモデルの仕事となんら変わりないなって思ったんです。表現方法が違うだけで、モデルに必要な感情の込め方、想像力など似ている点が多いことが分かりました。なので何も知らない状態で、一つずつ学んでいくのがおもしろかったですね。演技をすることが、ちょっとずつおもしろくなっていきました」


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――では今は「俳優になってよかった」と思ってるんですよね?
「はい、よかったです(笑)。自分で思っていた以上によかったと思っていますね」


――ドラマデビューの『ホワイトクリスマス』(2011)はモデル出身の新人俳優さんが多数出演していましたが、ご自身にとってどういう作品でしたか?
「やはりデビュー作なので、意味はありますよね。この作品を通して、たくさんの方に僕を知ってもらうことができましたし、次の作品も決まったりと、たくさん機会をもらえたので感謝しています。今でも監督や作家さんとは連絡を取り合っていますよ。また当時一緒に出演したモデル出身の俳優たちは、ほとんどその時期に俳優を始めて今ではいい俳優になった人もたくさんいます。大きくはないですが、少しでも手助けし合える間柄になれたので、より感謝していますしうれしいですね」


――『ゆれながら咲く花』『相続者たち』で大きな人気を得ましたが、自身でターニングポイントとなったと思う作品は?
「もう少し時間が過ぎたら『この作品が僕のターニングポイントになった』と言えると思いますが、それはまだまだ先のことですね。今の状況を考えて思うのは、『ゆれながら咲く花』はたくさんの方に観ていただいた作品だったなとは思っています。実はその前に出演した『紳士の品格』で、初めてファンミーティングをしたんです。ファンミーティングまですることができたので、たくさんの方に知ってもらうきっかけになった作品だったと思います。そういう意味では、より意味があるかもしれませんね」


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――自分で人気を実感したのはどのあたりですか?
「ファンミーティングをする時に来てくださったファンの方を見て、『僕を好きな方がたくさんいるんだなあ』と思います(笑)。とても感謝していますし、ファンの方々に会うと力になりますよね。あくまで僕たちは他人じゃないですか。でも自分の家族のように僕のことを考えてくれて、心配もしてくださるので本当に感謝の気持ちでいっぱいですね」


――生活は変わりましたか?
「たくさんの方に知られるようになりましたが、僕は結構出歩くのが好きなので特に変わりませんね。家の前の中華料理店に行ってお酒を飲んだり、コンビニに行って買い物したり…。人が好きなんですよ。だからプライベートでも声をかけられたらあいさつしますし、握手やサインもしますよ。やっぱりたくさんの方に知ってもらった分、責任感が生まれてはいます。変なこともできないし、(自分の)いい姿をお見せしようと気は使っていますね」


――プレッシャーを感じたりしましたか?
「デビューしてから本当に素晴らしい出会いがあって、作品も立て続けにできて、僕が持っている能力よりも大きな役を任せてもらってきました。『僕がこんな役をやってもいいのかな?』と自分で思うくらいにいい役をいただいてきましたが、そのたびにプレッシャーというよりは、期待に応えたいという思いが強くなった感じがします」


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――それらは、演技にプラスになっているんですね?
「そうですね、そんな気がします。演技をするときの悩みにはなりましたが、それはいいことだと思っています。僕はいい機運だけもらってるような気がしますね」


――『むやみに切なく』では一番手主演ということで、ドラマを引っ張る役割となりましたが、負担はありましたか?
「負担よりは、責任感が大きくなった気がします。僕はこの仕事を20歳から始めたので、作品ではいつも一番年下だったんですよね。でもこの作品では年下が多くて、読み合わせで初めて会ったときから責任感が生まれて、この後輩たちに少しでも何かを見せなくちゃいけないという思いになったんです。ドラマでの主演は初めてでしたし。それに韓国ではドラマの撮影システムがまだまだちゃんとしていないので、夜通し撮影なんてこともよくあって。寝れないので体力的につらかったんですが、そのたびに『主人公だからみんなを引っ張っていかないと!』と思っていました。そうすると自然と自分自身にエネルギーが沸いてきて。周りに『頑張りましょう!』と声をかけながら、自分が元気をもらうみたいな不思議な感覚になりましたね。みんなと家族みたいに同じ時を過ごして作品を作るということがおもしろかったですし、意味があったと思います」


――イ・ジョンソクさんととても親しいことが知られていますが、ほかにこれまでの共演者で親しくなった方は?
「たくさんいすぎて、話してたら夜を明かしちゃいますよ(笑)。強いて言うなら…EXOのド・ギョンス(D.O)とは仲がいいですね。ギョンスは年下だし、かわいい後輩です。ギョンスを含めた10人くらいでSNSのグループトークを作っていて、ほぼ毎日連絡を取り合っています(笑)。ほかにもモデル出身の俳優はだいたいみんな仲がいいですね。ジョンソクとはモデルを始めたころからの付き合いなので、もう古いですね。作品でも共演してより仲よくなったし、いい友だちです。先ほども言いましたが僕は人が好きなので、作品で共演したりして知り合いになると、その後も関係を続けていきたくなるタイプなんですよね」


――お休みには何をしますか? 多忙ですが遊ぶ時間はあるんですか?
「最近は作品を撮ってはいないので、映画の宣伝とファンミーティングツアーをやっています。なので、今は時間はあるほうですね。運動したりお酒を飲んだり、あと絵を描くのが好きなので家で絵を描いたり、映画を見たりして過ごしています」


――最後に日本のファンにメッセージと、今年の目標をお願いします。
「日本でも年初めにお参りするじゃないですか。僕もするんですが、毎年“今年も健康で過ごせますように”と一番にお願いして、次に“仕事が楽しくできますように”とお願いするんです。今年もそうお願いしましたね。ファンの皆さんも、やはり健康が最優先だと思います。『むやみに切なく』を撮ってから、健康の大切さを特に考えるようになりました。なので健康を第一に考えて、これからも新しい作品を皆さんにお届けしますので、たくさんの応援をお願いします」


キム・ウビンは、その印象の強い容貌から、これまで問題児や屈折した青少年役が多かったこともあり、ワイルドなイメージがあるが、その素顔はとてもソフトで穏やかな好青年。演技への取り組みも、真摯ながら気負いすぎることがない。人好きだと言うが、ファンに対しても同様のようで、ファンミーティングでもそんな思いがしっかり伝わっていた。演技はもちろん、そんな人柄でさらなる光明が見えた気がした。


THE FACT JAPAN|野﨑友子/斎藤瑞希



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