在日本大韓民国民団中央本部 団長 呉公太(オ・ゴンテ)


談話文の全文


本日、参議院は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法案」を本会議で可決しました。この後に衆議院での採決が残されていますが、同法は今国会で成立する見通しとなりました。
但し、私たちが記者会見や緊急院内集会で最低限の要望と位置付けた「禁止」の文言は、一部修正された同法には加筆されませんでした。
それでもわずか一年の間に法案が与野党双方から提出され、党派を超えて議論されたことは、人権大国を標榜する日本にとって一つの前進と言えるでしょう。
また、附則に「実態等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられる」として点と附帯決議で差別的言動の適用範囲が広げられたこと、及びインターネット上における差別的言動の解消に向けた取組と施策に触れることによって条文内容が補完されたことは、何よりも本団や市民団体などの粘り強い運動の成果であると評価する次第です。
しかし、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムとの闘いはこれが終着点ではありません。私たちは今回の法律制定をあくまでも今後に向けた一里塚として捉え、運動が新しい段階に入ったものと認識しています。
それは、同法を根拠とした条例の制定や啓発活動の拡充を地方自治体に要望する活動であり、より良い内容になることをめざす法改正への取り組みであり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを視野に置いた内外人平等の共生社会づくりへの参与などです。
私たち韓国国民は、在日韓国人をはじめとする外国人住民の生命と安全を脅かすヘイトスピーチの根絶運動をこれからも粘り強く推進する一方で、日本地域社会の発展と国際親善交流に今後とも積極的に尽力して行く所存です


2016年5月13日
在日本大韓民国民団中央本部
団長 呉公太(オ・ゴンテ)



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