キム・スヒョンは紛れもなく、現在、アジアを代表するスターに成長した。


先日、韓国の人気ファッション誌を見て驚いた。各国別に“彼氏にしたい俳優ランキング”が発表されていたのだが、日本が外されていたのだ。韓国、中国、台湾とどう考えても、その後の流れで日本になるはずなのだが、日本がないのだ。


これは何を意味しているのか。残念ながら、韓国芸能市場は日本をもはやターゲットにしていないだけではなく、意識する国には値しない、“無視”されてしまった形である。ついに日韓のエンターテイメントのパワーバランスが逆転してしまったことを表している。


韓国、中国、台湾で1位であったキム・スヒョンは紛れもなく、現在、アジアを代表するスターに成長した。つい10年前までは考えられなかった現状だ。昔は、嵐やSMAPなど、ジャニーズを中心に俳優でも竹野内豊やオダリギジョーなど、韓国や台湾、中国で人気を博していたのだが、現在、アジアで人気がまだ衰えないのは嵐やSMAP、福山雅治ぐらいだろう。俳優に限っては、……現在、これといった爆発的に人気の人物がいない。


それもこれも、日本ドラマが中国に受け入れられていないのが原因だ。韓国では、ヒットしたドラマは中国でも放送されるのが常。キム・スヒョンの人気もチョン・ジヒョンと共演した大ヒットドラマ『星から来たあなた』が中国で放送され、人気に火が付いたことからキム・スヒョンシンドロームが巻き起こったのだ。


では、なぜ、日本のドラマは中国に受け入れなれないのだろうか。一番の要因は韓国とは違い、日本のドラマ業界が中国に目を向けていないのが原因(ようやく、フジテレビが中国メディアとの提携を開始した)だが、日本ドラマが中国社会になじまないという要因も考えられる。


その要因のひとつとして、日本ドラマのワンクールの本数が平均11回と、圧倒的に少ない。韓国ドラマは最低でも20回以上あり、長いもので100回を超えるものある。中国でも本数が多い傾向にあり、日本ドラマにとってはハードルが高いのである。
また、ストーリーを単に喜怒哀楽をつけドラマティックになぞっていく韓国ドラマと違い、日本ドラマは登場人物の背景を匂わせ、視聴者に読み取らせることに重きを置いている。前者のほうがシンプルで文化的背景がなくても、他国に受け入れやすい。


これらのことから、残念ながら、今の日本ドラマはあまり中国に受け入れられていない。よって、アジアを席巻する日本人俳優が出てこないのである。圧倒的なパワーを見せつける韓流。残念ながら日流はかなりの遅れをとってしまったようである。


THE FACT JAPAN|松庭直



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