俳優 勧修寺保都。|写真提供:YG ENTERTAINMENT JAPAN


俳優の勧修寺保都が、寺山修司作、美輪明宏主演・演出による舞台「毛皮のマリー」のメインキャスト、美少年・欣也役に抜擢された。


勧修寺保都(かんしゅうじたもつ/以下、勧修寺)は、東京都出身の19歳。
2014年、第27回JUNONスーパーボーイコンテスト・ファイナリストに選出され、現事務所・YG ENTERTAINMENT JAPANに所属し、芸能界入り。活動期間僅か半年ながら精力的にキャリアを積んでいる。
2015年11月に舞台「神様と過ごした10日間2015」で主演を飾り、俳優デビュー。続けて12月にも舞台「小さなお茶会。」に出演。企業タイアップやCMへの出演も相次いでおり、涼しげな目元とミステリアスな雰囲気が印象的な19歳の新星として注目を浴びている。
「毛皮のマリー」は、11月に出演者オーディションが実施され、メインキャストの美少年・欣也役にも多数の応募が殺到していたが、倍率約300倍の激戦を勝ち抜き、勧修寺が抜擢された。


当作品は、寺山修司が美輪明宏に書いた1967年初演の伝説的名作。2001年、2009年の二度にわたり美輪明宏演出での上演が行われ、今回(2016年)が7年ぶり三度目の美輪氏による演出・主演となる。
勧修寺は、美輪氏演じる日本一ゴージャスな美貌の男娼・毛皮のマリーに過保護に育てられ、外の世界を知らず、蝶を追いかける絶世の美少年・欣也を演じる。
12月中旬に都内でメインビジュアル撮影が行われ、代々受け継がれてきた役衣装に袖を通した勧修寺。
歴史ある作品と役の重みを実感しながらも、美輪氏のアドバイスを真摯に受け止め、喜怒哀楽の豊かな表情を見せていた。



【INTRODUCTION】
La Marie-Vision
毛皮のマリー
作寺山修司 演出・主演美輪明宏

さあ、さあ、お立会い!
鬼が出るか、蛇が出るか…
何が出るかは、
はいっ、

見てのお楽しみ!


天井棧敷『見世物の復権』の復権!寺山修司が美輪明宏に捧げた1967年初演の伝説的名作。
2001年上演で実現した美輪明宏演出。寺山修司・ハツ親子を実際に知る美輪明宏でしか紡ぎえない演出。


物語は、擬古典的に装われた贅沢な一室で繰り広げられる。
日本一ゴージャスな美貌の男娼 毛皮のマリー。応接間の大草原を捕虫網片手に蝶を追いかける絶世の美少年・欣也。
この親子の壮絶な近親愛と近親憎悪の物語。詩人の夢の世界のような物語。
この“はかなくも妖しく哀しい物語”が頽廃美あふれるゴージャスにして魅惑的な世界として描かれる。


日本一ゴージャスな男娼のマリーに、わが子以上に過保護に可愛がられ、外の世界を知らず育てられた美少年の欣也。
その前に、誘惑を企てる美少女が現れ、欣也を見たこともない未知の世界へと誘うのだが…


耽美・エロ・グロ・ロマンなど、視覚的に感覚的に、さまざまな要素をちりばめながら、家族のあり方や生きることの意味を描いており、また、母性の欠如、家族の崩壊が問われる現代にも通じる普遍的なテーマを持つ作品。


寺山修司(1935-1983)
『職業寺山修司』という言葉に代表される様に、多岐に渡る活動で、その才能を遺憾なく発揮した。
劇作や演出はもとより俳句、詩歌、小説、評論、映画監督、そして競馬ファン、ボクシングファンとそのフィールドを語るときりがない日本の誇るマルチ天才アーティスト。
また、その活動は、日本のみに留まらず、フランス、オランダ、イタリア、ポーランド、ドイツ、イギリスそしてアメリカと、世界各地で演劇活動を行ったのみならず、海外での映画賞も数多く受賞している。
その寺山修司により、1967年日本初のアングラ演劇として産声を上げた、演劇実験室◎天井棧敷。
東京オリンピックを経て全共闘、そして高度経済成長へと向かう時代の中、1967年(昭和42年)『演劇における見世物の復権』『幻想演劇による時代への告発』をテーマに旗揚げされる。
当時、美輪氏が本拠地として活動をしていた銀座七丁目のシャンソン喫茶 銀巴里。この銀巴里にも顔をのぞかせていた寺山修司は、この「天井棧敷」旗揚げに際し、美輪氏への出演依頼をする。なぜなら、美輪氏のために作品を書いたというのだ。
そうして、第一回公演作品「青森県のせむし男」が上演された。
そして更に、同年第三回公演として今回の「毛皮のマリー」が上演されたのである。
公演が行われた新宿アートシアターは連日超満員、劇場記録を塗り替え様々な伝説が生まれる。
このようにして、寺山氏とともに旗揚げから参加をし、また支えていた美輪明宏氏。(劇団員として所属していたわけではない)
寺山氏の書いたものを、美輪氏は寺山氏本人以上に理解し、彼の書くものに普遍的解釈を加えていったのである。


美輪明宏
その著書は、出せばベストセラーとなるほど人気を博している。
『紫の履歴書』を筆頭に、『人生ノート』『愛の話 幸福の話』『花言葉』……また、公式携帯サイト『麗人だより』は、携帯電話の待ち受け画面にすると良いことが起こるという都市伝説がきっかけで開かれた。
まさに現代のオピニオン・リーダーとして、世代を超え、男女を超え、老若男女幅広い支持を得ている。その核心は、ユーモアを交えて分かりやすく、しかし、はっきりと物事の本質というものを明らかにしていることによる。
繰り返し繰り返し我々に警鐘を発している美輪氏。
戦中戦後から今に続く、機能本位・経済効率・利便性信仰のみが闊歩し、日本人が昭和初期までに培ってきた人間本来が生きていくために必要な情緒・ロマンティシズム・美意識がまったくない世界が、現代の様々な問題を引き起こしていると指摘する。すべての動機と価値観がお金になっていると。更に、あのゲームセンターに代表されるような電子音の渦、コンクリート打ちっぱなしや無彩色の建築物、無意識のインテリアがこの危機の状況に追い討ちをかけていると。


美輪明宏の芝居創りは まず第一に、渋澤龍彦、川端康成、安岡章太郎、三島由紀夫など文壇のトップと対等に渡り合ってきた美輪氏の文学センス、行間を的確に読み説く理解力の深さ・鋭さによる。
第二に文学・演劇・音楽のみならず絵画・彫刻・映画など芸術全般にわたるその造詣の深さ。時代背景・社会背景をもとにしたファッション・風俗などの知識の豊富さ。すべての物事を、本質的に捉える観察力。これらの鋭い理解力・知識などを核に、無駄なく必要十分にそして変幻自在・縦横無尽に巧みな技術を使い表現するその演技術。
と同時にエンタテイメントとして、実は深遠なテーマを、分かりやすく劇的に表現し、観客を魅了してしまう演出力。
これらすべてが一体化し見るものの心を奪い、実績を積み重ねてきている美輪明宏演出作品。

1967年初演された<毛皮のマリー>の美輪明宏の超絶技巧の演技を観て、三島由紀夫は<黒蜥蜴>への出演依頼をするに至る。


パルコ劇場での1983年上演の為、製作発表で久しぶりに再会した美輪氏と寺山氏。
しかし、惜しくも寺山氏は稽古中に倒れ、そしてついに帰らぬ人となってしまった。
公演は急きょ<寺山修司追悼公演>となってしまったのである。


時代を超え現代をも言い当てる研ぎ澄まされた名台詞の数々。
「世間は何でできているか考えたことある?マドロスさん…牛肉の缶詰のレッテルだけの話じゃない、人生っていうのはみんな嘘。
…魂が遠洋航海するためには、身体のほうはいつもから騒ぎ」と人間がこの世に生まれて死ぬ輪廻転生を説く。
「歴史はみんな嘘。去っていくものはみんな嘘。明日来る鬼だけが本当。」
時の権力者によって全部都合のいいように歴史は変えられていると指摘する。
そして、明日来る鬼、つまり生きている限り避けられない現実と云うもの、逃げ場のない状況だけがやってくる。


「人生は、どうせ一幕のお芝居なんだから。
装置は世の中全部。テーマは、たとえ祖国だろうとそんなことは知っちゃあいない。
役者はただ自分の役柄に化けるだけ、化けて化けて化け抜いて、お墓の中で一人で拍手喝采を聞くんだ…」


「世間の人はあたしのことを、自然じゃないと仰るようね。
作りもので、神様の意思に逆らっているって。
でも、そういう人に限って、庭に一袋二十円の種子なんぞまき散らし、それが自然を冒とくしていることなどツユ思わない…人生には自然のままでいいものなんて一つもありゃしないんだよ。」



『毛皮のマリー LA MARIE-VISON』


【 CAST 】
美輪明宏勧修寺保都
木村彰吾若松武史梅垣義明他
東京・新国立劇場 中劇場2016年4月2日(土)〜17日(日)
東京 渋谷・パルコ劇場 2016年4月27日(水)〜5月3日(火・祝)
横浜・KAAT神奈川芸術劇場ホール2016年5月28日(土)、29日(日)
前売開始2016年1月17日(日)※パルコ劇場のみ2月7日(日)
5月-6月 仙台・郡山・新潟・浜松・名古屋・大阪・福岡にて公演あり
【企画製作】株式会社パルコ【制作協力】オフィスミワ


【STAFF 】
作寺山修司 演出・美術美輪明宏
演出補岸田良二 / 美術補松野潤 / 照明戸谷光宏 / 衣装デザインワダエミ
音響高橋巖 / 音響補鹿野英之 / 衣装コーディネイト四方修平
演出助手山下悟 / 舞台監督 佐川明紀


【PARCO公式情報ページ】
上記以外の公演、チケットに関してなど詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.parco-play.com/web/program/marie16_nntt/



◆勧修寺保都(かんしゅうじたもつ) プロフィール
1996年12月5日生まれ、東京都出身。
第27回(2014年度)ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでファイナリストに選ばれ、芸能活動をスタート。
歌やダンスを得意とし、中性的な顔立ちが印象的な19歳の若手俳優。
CM出演の他、2015年11月に初舞台・初主演。12月に脚本家・演出家のほさかよう氏に抜擢され、空想組曲「小さなお茶会。」(舞台)にも出演。
更に2016年4月~6月、美輪明宏氏の主演・演出による舞台「毛皮のマリー」美少年・欣也役に、倍率約300倍のオーディションを勝ち抜き、決定した。
これからの輝きに目が離せない、19歳の新星である。
【公式サイト】www.ygfamily.jp/actors_kansyujitamotsu.html
【Twitter】twitter.com/kansyujitamotsu



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