左からパク・シフ、キム・ヒョンジュン、イ・ビョンホン、リュ・シウォン。|THE FACT DB

違法賭博に詐欺、麻薬、賭博……などなど、日本芸能界より、はるかに多い韓国芸能界の裁判沙汰。数値で見てみると、韓国では国民一人当たりの裁判の数が日本の二倍以上に上る裁判大国でもある。
昨今では妊娠・流産・暴行で元カノから提訴されているキム・ヒョンジュン、ようやく終結したが恐喝未遂事件で訴えられたイ・ビョンホンなどがあげられる。

日本と韓国の違いは、裁判の多さもさることながら、提訴されたり、罪を犯したものが、マスコミの前に姿を現し、インタビューを受ける点だ。特に罪を犯した者に対しては容赦しないのが韓国社会。

芸能界ではないが、昨今ではナッツリターン事件のチョ・ヒョナ元大韓航空副社長が記憶に新しい。逮捕された直後、大衆の眼前でお詫びさせられる姿を韓国のテレビニュースで目撃した人も多いだろう。最初は副社長らしく、キリッとしたキャリアウーマン風の出で立ちだったが、日に日に、髪の毛はボサボサ、服装はルンペンとなり、やつれていく姿が目を見張った。あれこそ、見せしめにされる、さらし者の姿だ。

チョ・ヒョナ元大韓航空副社長。|THE FACT DB

ニュースを見ていると、日本では送検される姿などをチラッと写真や動画で見るのが精いっぱいだ。管轄する警察署によっては顔さえも見られないことが多々ある。しかし、韓国では一転。犯罪者は眩いほどのフラッシュがたかれる前でインタビューに答えさせられるのが習わしとなっているようだ。
芸能人もしかり。裁判所の前で「御迷惑おかけして申し訳ございません。もう二度としません!」と涙ながらに訴える姿を何度見たことか。犯罪者ではないが、提訴された冒頭のイ・ビョンホンもキム・ヒョンジュンも、パク・シフもリュ・シウォンもみ~んな謝ってきた。

日本の芸能界を振り返ってみると、昨今では、ASKAが記憶に新しいところ。ASKAも大衆の前でお詫びをしたが、ポツリと答えたのみ。韓流スターほど根掘り葉掘り聞かれず、いやマスコミは畳みかけるように聞いているのだが、スルーして行ってしまう(行ってしまえることが許されるのが日本芸能界社会)。

余談だが、韓国では、犯罪者に対しては徹底的に人権無視で(日本人の私もそれに対しては同感だ)、街中にはその地域で罪を犯した人物の顔が張り出され、危険を促すために、地域の住民にさらし者にされる。私はこのシステムを、日本でも取り入れるべきだと思う(そうすれば、大阪で起こった寝屋川中一殺人遺棄事件も防げたのではないかと思う)。

日本の法律は犯罪者を守るための法律と言われており、色々しがらみがあって厳しいのだとは思うのだが。お国によって、こんなにも違う日韓芸能界。俯瞰すれば、また違った韓国芸能界の裏事情を知ることができるのだ。

THE FACT JAPAN|中西美穂
「週刊女性」、「週刊文春」の編集・記者を経てフリーライターに。専門は韓流。大学卒業後、韓国の高麗大学付属語学堂へ留学し、韓国の魅力にはまる。著書「プチ韓国新大久保完全ブック」。

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