所属事務所と和解し再始動を予告したB.A.P。 |
昨年10月、人気絶頂の最中、突如活動を休止したボーイズグループB.A.P。日本では、12月のツアー開催と11月のアルバムのリリースが告知された後の出来事で、これらは中止になり、ファンの動揺は大きかった。直後から所属事務所とのトラブルであろうという推察はできたが、当初は「休養する」と事務所は発表。しかし、その後、11月にはメンバーが事務所に対して専属契約無効確認訴訟を提起し確執が明らかに。そうなると韓国のお約束、ギャラや条件、労働環境がこうだった、という主軸から、ささいな支払いがどうだったというようなことまでマスコミに踊る泥沼暴露合戦に発展した。
事務所とのトラブルといえば、何といっても日本でも大きな人気を博す東方神起、そしてKARAの事件が有名だ。しかし、今回のB.A.Pが彼らと違うのは、メンバー内での分裂がなかったことだ。メンバー間で意見対立、亀裂が生じてのことであれば、はっきりいって完全体での復活の芽はない。事務所側は当然、自分たちと意を同じくするメンバーを優遇することになり、溝は深まる一方となるからだ。
所属事務所と和解し再始動を予告したB.A.P。 |
しかしその後、B.A.Pメンバーは問題解決が見えないなかしびれを切らし、春ごろから移籍を画策していることが明らかになる。CJといった大手の名前も出るが、当然このようなトラブルで係争中ではどこも二の足を踏み、結果話が進まない。そして、最終的に彼らは所属事務所との和解の道を選ばざるを得なくなった。韓国国内はもとより、中華圏・日本ほかワールドワイドに活躍の場を広げていた彼らだが、それでもアイドルの賞味期限には限りがある。傷がつけば傷みも早くなるだけに、双方にあせりもあっただろう。
法廷闘争の中身によれば、かなり劣悪な条件下、仕事をこなしていたことは間違いない。今回の和解に当たり、どのような改善策・合意がなされたのかは明かされていないが、本当にどこまで円満解決なのかは疑問が残る。メンバーらは、“休養”している間にそのポジションがどんどん奪われていく危機感が募っていたことは間違いない。アイドル戦国時代だけに、それが合意の決め手になったことは推測できる。
しかし、彼らと所属事務所が“円満解決”と主張しても、そのまま日本では通用しない。日本では韓国よりはるかに、契約の条項等に関してシビアだけに、昨年の急で一方的な活動休止で日本のレコード会社やマネジメント会社の被った損害と信頼の喪失は大きい。関係の再構築がうまくいくのか、今は見守るしかない。そのためには、ファンの大きな後押しが必要であることは言うまでもない。まずは、ファンの信頼と愛を取戻すことが先決だ。以前と変わらぬ熱い思いとカリスマを感じさせるパフォーマンスを早くファンに披露し、誠意と健在ぶりを示してほしい。
THE FACT JAPAN|野﨑友子