歌手のユ・スンジュンが19日夜、香港からオンライン生中継を介して、過去自分が引き起こした兵役問題に関する心境を明らかにし、国民に謝罪した。|アフリカTV放送画面キャプチャー

 

芸能人たちの兵役問題というと真っ先に思い浮かぶ人物がいる。今は“外国人”になってしまったユ・スンジュン(38・英語名:Steve Yoo)である。
彼は13年ぶりに自分の兵役逃れによる議論と関連して心境を明らかにした。自分の過ちを反省し謝罪しながらも、自分に関する誤った情報を正し、涙で懺悔の機会を与えてほしいと訴えた。


19日夜10時30分、彼は香港から「アフリカTV」を通じて『13年ぶりの告白』というタイトルの生中継発表を行った。放送が始まると、彼は肩を振るえながら息を荒くするなど、涙を流しながら登場した。深く頭を下げてあいさつした後は、土下座をして謝罪のことばを語り始めた。自分の過ちを償う覚悟で、家族とともに韓国に戻れるよう呼びかけた。


ユ・スンジュンは、「何を言ったらいいのか分からない。謝罪する気持ちでひざを折る。これは心境告白や弁解の場ではない。みなさんに過ちを謝罪する場だ。お話をする前に、国民と法務部長官、兵務庁長、兵役義務を負っている若者たちに謝罪したい」と言って頭を下げた。


彼が13年ぶりにこのような場を設けたのは、家族のためと分析される。彼は「私の子供が韓国の地を踏むことができるようにしなければならないと思う。このままでは生きていられない。“ユ・スンジュン”という名前を取り戻したい。自分本来の独立性問題でもある」と、気持ちを変えた理由を説明した。
特に彼は、家族と関連した話をするたび涙をこぼした。昨年はアメリカの市民権をあきらめるつもりで軍に入隊するために努力したが、年齢のせいで徴兵対象から外されたことを明かし、自分の思い通りにはいかなかったと説明した。

 

今回の生中継放送を担当したシンウォンプロダクションが、オンエアを控えて公開した写真。|シンウォンプロダクション

 

そして自分を取り巻く噂や誤解などを訂正した。昔からネット中に広まっていた「兵務庁、海兵隊の広報大使活動」「海兵隊に入隊予定」という記事が出るようになった背景。故意に日本に行ったあと、アメリカで市民権を得たという噂などは、事実と異なると釈明した。


彼は1年のうち半年間は、韓国で活動していた時間を思い出しながら、「なぜ自分がこんな目にあわなければならないのかと、大人たちに対する不満があった。このような話をしたらいけないが、むしろ当時は、軍隊に行って休んだ方がいいと思っていた」と言いつつ「軍に行きたくないと思ったことはない。家族のためにアメリカの市民権をもらったが、韓国に帰って事情を説明した後、入隊するつもりだった。私のために被害を受けた方々のためにも、そうしなければならないと思った」と入隊を意図的に避けたという疑惑を解明した。


そのような計画があったにもかかわらず、行動に移さなかった理由についても説明した。彼は「アメリカにいる父の説得が大きかった。当時の私は家族を養う立場で、私が韓国に戻ろうとすると、父は“家族がアメリカにいるのに、君がそうしてはならない”と言われた。それに事務所との契約やアルバム制作の問題もあって、自分が仕事をしないことで起きる状況がもっとも大きな理由だった。最初は事態の深刻さを全く知らなかった。ただ、(入国ができないから)ようやく休めるという気持ちだけだった。後になって“私は被害者だ”と思った。プライドが許さなかった。あの時の私は、高慢で愚かだった」と反省した。
およそ1時間15分に渡る長い謝罪の時間が続いた。そのようなユ・スンジュンの姿が、大衆の心を動かしたのかどうかは未知数だ。


彼は感情に訴える主張をしたり、批判を排除できない解明を並べたりもした。しかし、今年で満38歳になった彼が、徴兵対象から外される年齢になって、このような場を用意したことは、「偶然のように時期が重なった」とは言ったものの、説得力はないように見える。そんな面で今回の放送は、むしろ彼の足を引っ張るもう一つの罠になったかもしれない。


放送後インターネットでは、彼を同情する“擁護論”と、徴兵対象外となった今年に謝罪の場を設けたこと、自から韓国籍を捨て、アメリカ国籍を取得したことなどを強調する“強硬論”が共存した。両側の対立する意見の中でも「許してもらえなくても、このような場を設けたのは正しい行動であり、真の謝罪の始まりは、これからである」という共通の意見も寄せられた。


本当に重要なのはこれからだ。ユ・スンジュンが韓国人にとって特に敏感な兵役問題を解決し、傷ついた国民の心を取り戻すことができるか、許されなくても彼の真心がまともに伝えられるかに、大衆の注目と関心が「ユ・スンジュン」という名前に集中されている。


ユ・スンジュンは2002年、自から「韓国の男なら当然軍隊に行くべき」と宣言したものの、入隊の3ヶ月前にアメリカの市民権を得て兵役逃れの疑惑に巻き込まれた。当時彼は、入国管理法第11条に基づき入国禁止処分を受け、現在もその処分は解除されていない。これまでのユ・スンジュンは、アメリカ国籍者として北米や中国などを舞台に芸能活動を続けている。


一方、ユ・スンジュンの兵役逃れ問題と関連して、韓国法務部はこの日午後、「あるメディアは、法務部(または出入国管理所)が、ユ・スンジュンの入国禁止解除と韓国籍回復が可能であると伝えたかのように述べているが、それは事実ではない」と明らかにし、「現時点で彼の入国禁止解除や国籍回復などは、まったく検討していない」と厳しい立場を示唆した。


THE FACT|オ・セフン記者
 

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