ATTACK。|小川典子記者

 

[スポーツソウルメディアジャパン|小川典子記者] 新人ポップグループATTACK(アタック)が、日本で初めての単独公演を実施。10月29日の初日から、東京・中野の野方区民ホール、高円寺 Studio Kと会場を経て、11月1日には、下北タウンホールにて最終日を迎え、大盛況に幕を閉じた。


ATTACKは、“会いに行けるK-POPスター”をコンセプトに、東京・新大久保のライブハウス『K-POP LIVE』から輩出されたアイドル、KINO(キノ)、SOS(エス・オー・エス)の出身メンバーを中心に結成された、ジヨン、ソンファン、ジョンフン、A、チャンウで構成された5人組のポップグループ。


今年6月には、彼らが日本で活動する姿とデビューまでの軌跡を描いたドキュメンタリー映画『コリスタ THE MOVIE』が、東京、名古屋と日本全国順次に公開され、話題を呼んだ。この作品は、CS局エンタメ~テレによる韓国エンタメ番組「コリスタ」の製作によるもので、SOSのデビューから1年の密着取材によって集められた映像の数々が記録されている。その“日本先行型のK-POPアーティスト”という彼らの斬新な試みが、作品を通じても高く評価されることになった。


そのような“追い風”を味方に、7月には韓国でアルバム「PLAN B」でデビューを飾った。発売時には、現地でショーケースイベントも行われ、日本から多くのファンが応援に駆け付けたこともあり、現地マスコミからも注目を浴びた。


そして、いわば日本での凱旋公演ともいうべき今回のステージには、そのような新大久保時代からの根強いファンがたくさん駆けつけ、親しみやすい彼らのキャラクターも相まり、終始アットホームな雰囲気の中、公演が行われた。

 

ATTACK。|小川典子記者

 

開演時間が訪れ、ステージ正面後方のビジョンに、彼らのミュージックビデオが流れた。メンバーの一人ひとりがアップになるたび、歓声が沸き、その名前を呼ぶ観客の姿も。待ちきれない気持ちを隠せないようだ。そして暗闇のステージに、5人が姿を現した。大歓声に包まれる中、アルバムのタイトル曲「PLAN B」のイントロが流れた。貴公子を思わせる衣装に身をまとった5人が、リズムに合わせてステップを踏むと、それに合わせて、客席のペンライトも揺れる。ちなみに、彼らの応援カラーは情熱の赤、レッド。会場を彩るレッドカラーにふさわしく、鮮やかなフォーメーションで、パワフルな男らしさを表現する。


オープニングの曲が終わっても、悲鳴のような歓声が響く。そして同じくアルバム収録曲の「錯覚したみたい」に。静かなピアノの音色に合わせて、5人それぞれがリードボーカルを取るようにフレーズをつないでいく。後半のソンファンとチャンウによるユニゾンが、しびれるほど胸を切なくさせる。


そして「みなさん、こんばんはー エイ・ティー・ティー・エー・シー・ケー、ATTACKイムニダ~!」と、声を合わせて第一声のあいさつ。先ほどまでの迫力のステージとは打って変わって、メンバーたちの“お笑い芸人顔負け”のトークが始まった。「ぼくはATTACKのチャンウと申します。どうぞよろしくお願いします」と、チャンウから自己紹介が始まった。末っ子でありグループには、最後に加入したAは、「ATTACKの末っ子Aと申します。よろしくお願いします!」とまだまだ初々しい。すかさずソンファンからは、「Bじゃないですよ、Aですよ~!どうぞ覚えてください!」とツッコミが。それを受けたジヨンも「そうですね…」と冷静に返してみせる。メンバーから、“ATTACKの王子様”と持ち上げられながら、発音が似ていることから「“おじさん”じゃくて“おうじさま”ですね」と言われてしまい、のっけからツッコミ合戦が止まらない状態!グループのリーダーはソンファン。“ナイスガイ”というキャッチフレーズで親しまれている。彼が「ナイス」と言えば、観客は「ガイ」と、「ナイス、ナイス」と言えば、「ガイ、ガイ」と答える、そんな連帯感がほほえましい。

 

メンバー・チャンウ。|小川典子記者

 

日本での初めての公演。チャンウは、「早くみなさんに会いたくて、がんばって練習しました!」と瞳を輝かせる。ソンファンから、「Aくんは日本語ができなかったんですが、みなさんと話したくて毎日毎日“5分くらい”勉強していますよ!」と手荒いフォローが入った当人は「今日は最後の舞台ですから、最後までずっとずっと楽しんでください」と流ちょうなコメント。客席から拍手が沸いた。ジヨンは「もう、言葉はいらないですよね…。世界いろんな国でそんな幸せな人がいるかと、初めて来た人もいるかと思う…」と、“いるか”という言葉に、なぜか、クの字になってジャンプしイルカのマネをして見せるメンバー。ソンファンの提案で、トークでこの単語が出るたびに、5人でこのイルカのマネをすることになった。続くジョンフンは「ずっと前から楽しみにしていました。最後の公演なので、残っている力を全力で100パーセント出します!」と宣言。「世界でこんなにカッコイイ王子様が“いるか”と思う?」とジヨンがジャンプを誘ってみせ、ジョンフンは「それ、言いたかっただけでしょ?」と笑いを誘った。ソンファンは「本当に夢のようです」としながら、「現実かどうか、ちょっとつねってみて!」とAに振ってみたのだが、やんわりとした想定外のリアクションに、「今、おもしろくするところでしょ!」と、リーダーらしくダメ出し。そんなやりとりに会場は爆笑の渦になった。

 

メンバー・ソンファン。|小川典子記者

 

映像のインターバルを経て、チャンウがステージの裏から、「今、死んでもいいほど幸せです」と語りかける。「死なないで!」と悲鳴のような叫び声が出た。そっと続ける。「ある日こんなことを考えてみました。ぼくが光や声や音を失っても、みなさんが光になってくれるはず…。ATTACKも、みなさんの光や声や音になる、そんな準備はできているからね」という感動的なメッセージの後に、「みなさんに、この曲を捧げます」と、バラード曲『もしも僕が』と『街』を披露。この2曲は、以前、KINOとSOSが取り組んだ、東日本大震災のチャリティー活動をきっかけに出会った日本のボーカルグループ、Permanent Fish(パーマネントフィッシュ)によるもの。“僕はこの街で、ずっと待ってるから、君を待ってるから”という歌詞のフレーズが、日韓を行き来する彼らの活動と重なり、ファンの胸を熱くさせていた。そして、ガラリと雰囲気を変え、SUPER JUNIORの「SORRY, SORRY」をカバー。激しいダンスに、10月30日に誕生日を迎えたチャンウは、「もう27歳になったので、おとといまでは体力的には大丈夫だったんですが、昨日からはちょっと…」と笑いを誘った。

 

メンバー・ジヨン。|小川典子記者

 

ポップな衣装でふたたび登場した5人。「Summer Dream」(東方神起)、「アルンダウン バミヤ(Beautiful Night)」(BEAST)の後に、KINO時代のナンバー「Let's Go Party Tonight !」が続く。彼らのDNAが感じられる、おなじみの定番曲の登場で、さらに会場のボルテージが上がる。そんな客席の雰囲気に、クールな王子様キャラのジョンフンも「今までの公演より、一番楽しくやっているかも…」とテンションが上がる。「汗かいてるよ、久しぶりじゃん!」と、ソンファンもびっくりしていた。

 

ジヨンとジョンフン(右)。|小川典子記者

 

現在、5人で共同生活を送っている。「ジョンフンはいつも家にいない」と、ソンファンがいきなり話し始める。「帰った瞬間、女性の香水のにおいがするんですよ。でも、それがぼくのお母さんのと、同じなんです!」と続け、笑いを誘う。同じ部屋のチャンウも「そういえば、いないね…」と応戦し、「そのときは、ぼくのお父さんに電話してください」とソンファンのペースが止まらない。たまらずジョンフンは、「Aくんって、いつも何してるの?」とふってみても、「ぼくはただ家にいます。ただジョンフンはどこかに…」とかぶせてみせ、どんどん話が大きくなっていった。次のステージの準備のため、ステージからはけたソンファン。残りの4人からは、当のソンファンも、実は家にいないと暴露をされていた。


そして、ここからはソンファンがメッセージを伝える。「これまで10年くらい音楽を続けてきました。こうして舞台の上で、みなさんの前で歌うのが夢だったんです。日本に来てから、みなさんがその夢を叶えてくれましたよね。いつも、いつも、感謝しています」と、切実な想いに聴き入る観客。「日本で活動しているときに、ファンの方からこんな手紙をもらいました。『私の夢は、ソンファンの夢を叶えることです』と書いてありました。そのときぼくは、“何をしても、なんでもできる!”と思いました。これからは、新しい夢を追いかけていきますので、みなさん、一緒に歩きませんか?もう、前だけを見ていきますので」という、力強い前向きな想いに、客席からは大きな拍手が沸いた。そんな雰囲気に応えるべく、ソンファンとチャンウの二人で、イン・スニのスタンダードナンバー「ガチョウの夢」が披露された。すでに知られている事実であるが、解散やメンバーの脱退など、いろいろな紆余曲折があったKINOとSOSであった。彼らを応援するファンの気持ちも複雑であっただろう。二人がお互いを見つめ、未来を歌うその姿に、客席には涙を流す観客も見られた。

 

メンバー・A。|小川典子記者

 

いよいよ最後の1曲になった。チャンウは、「ホントに、ホントに、感謝しています」と、うれしさをかみしめながら、「みなさんが本当にチカラです!みなさんがいなければ、僕たちATTACKはいません!」と、ファンとの絆を確かめた。Aも、「本当に幸せです!」と胸がいっぱい。「どんなつらいことも、みなさんと一緒だったら、全部忘れちゃいます!」とジョンフン。ジヨンは「死ぬまでずっとそばにいてください!僕たちもずっと一緒にいます!」と胸キュンなコメント。「これからは、日本でも韓国でも、みなさんと会える時間がたくさんできると思います。だからみなさん、僕たちを忘れないでください!」とソンファンが締めくくった。ラストには、これもKINO時代のダンスチューン「K-POP PARTY PEOPLE」!歌詞に合わせて、「さぁ、みなさん、ご一緒に~!」というメンバーの掛け声に導かれ、「サ・ラ・ン・ヘ!」が会場にこだました。メンバーも客席に下りて、至近距離でコンタクトを取る。そんな愛がいっぱいのひとときを残して5人は舞台を後にした。

 

ATTACK。|小川典子記者


客席からの大きな歓声に応えて、ふたたびステージに現れた5人。アンコールはもちろん「PLAN B」!汗も涙も混じった会場にメンバーは、「ありがとうございました!」と深くお辞儀をし、最高潮を迎えながら、公演は幕を閉じた。その後は、ファン一人ひとりと握手をし、帰りを見送る機会も設けられていた。
 

  • (1/20)
  • Editor’s Choice
  • TOP10
  • Keyword News
  • FAN N STAR TOP10