韓国が家計負債1000兆ウォン時代に突入した。すべての国民が借金を負うことになる。その影響なのか、最近全国各地でフリーマーケットが出来、人気を得ている。|イ・チョルヨン記者

 

[スポーツソウルドットコム|イ・チョルヨン記者] 春がきた。日差しも風も花も春の訪れを知らせる。そよそよ吹く春の風に出かけたい気持ちになるが、すぐさまに躊躇することはなぜなのか?韓国では「出かけるとお金」という言葉がある。家から出れば苦労するし、何をしてもお金がかかる。だから、ためらわざるを得ないのだ。


コーヒー店やファミリーレストランなどに行くわけでもないし、買い物をすることもない。しかし、それでも財布から出ていくのがお金だ。お金が回らなければ経済も活性されない。私たちが生きるためには、なにしろ“消費”する行為が必要で、その“消費”が経済を回す。


しかし、経済を活性化させるためだとしても、貧しい家計で“乱暴な消費”をする人は世の中にいない。金持ちも多いが、スーパーでおかず一つ買うのも躊躇する人もかなりいるのが現実。もう少し冷静に我々の現実を見てみよう。


去る4日、韓国銀行の資金循環表によると、家計と非営利団体、非金融法人企業、一般政府など経済主体の負債合計は、昨年の暫定値基準で3783兆9000億ウォン(約370兆円)を記録した。世界的な金融危機が発生した年の翌年である2009年に2962兆1000億ウォン(約290兆円)だったのが、4年間で27.7%(821兆8000億ウォン)が増えた。国内家計負債も1000兆ウォン(約100兆円)を超え、すべての国民が借金を負うわけになった。


世界のあちこちが倒産するような状況だから、我々だけがそうでないという決まりはない。(そんなことはないだろうが)1997年のようにアジア通貨危機がまた来る可能性もある。当時、韓国はIMFの救済金融から抜け出すために全国民が一肌脱いで経済再生に乗り出した。国民が積極的に参加した「金 集め運動」、「*アナバダ運動」などが救済金融の体制から抜け出すのに大きな力になった。(*アナバダ運動:節約して使い、分かち合って使い、取り替えて使い、ものを粗末にしないでもう一度使おうという意味の韓国言葉を略した用語)


それから10年が経た今、我々はどうなったのか。簡単に買って、簡単に捨てるのではないかを自分自身に質問してみよう。最新のことばかりを追いかける時代で、物の価値は速く変わり簡単に消えるのが今だ。


お金が回ることで景気もよくなるし、我々の暮らしも豊かになる。経済に関してそんな単純な事実を知らない人はいないが、余裕のないお金と過度に上がった物価で、財布を開くことが容易ではないのだ。経済というものは、深く考えると難しいものだが、単純に見れば、私たちの日常だ。お互いに必要なものを交換していた物々交換が流通の始まりであり、経済の始まりであった。貨幣が通用されることによって消えるように見えた物々交換は、現在も行われている。


「フリーマーケット」は、“21世紀のアナバダ運動”であり、物々交換の場として知らず知らずに大きな人気を得ている。ソウルはもちろん、全国各地でフリーマーケットが開かれて、ソウルだけでも地方区ごとに1つくらいあるのがフリーマーケットだ。(フリーマーケットでも高価な物がないわけではないが)フリーマーケットでは若干の支出で必要な物が買えられるし、自分に必要のない物を売ることもできる。


フリーマーケットの物に関して、他人が使っていた物だから少し違和感を感じる人もいる。しかし、人の視線を意識して要らない物や服などを購入する愚かな消費よりも、フリーマーケットで共に分かち合う消費の価値がより高いのではないか。


経済は厳しく、政府の財政も十分ではない。家計の負債は日増しに増えていき、物価は連日右肩上がりだ。こういう時こそ、節約して使い、分かち合って使い、取り替えて使い、もう一度使おうとする努力が必要だ。いつまでも腕を組んで良くなるのを待つことはできない。

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