“奇跡のテノール”と呼ばれる天才オペラ歌手ベー・チェチョルの日本コンサートが27日、東京オペラシティで開かれた。



 

甲状腺がんから奇跡の復帰を遂げ“奇跡のテノール”と呼ばれる天才オペラ歌手ベー・チェチョルの日本コンサートが27日、東京オペラシティで開かれた。


開演1時間前にリハーサルを終えて楽屋に戻ってきたベー・チェチョルは「1500席のほぼ全席のチケットが売れたと聞いた。日本でこんなに多くの観客の前で立つのは初めて」と少し緊張した様子を見せたが、今日のコンディションを聞く質問に「リハーサルも良くできたし、コンディションばっちり」と答え、自信感を示した。


ベー・チェチョルは、「多くの日本観客が私の音楽を大切にしてくれるし、次の公演を待ってくれる。その方たちのためにも、より熱心に準備して、来年も良い舞台で挨拶したい」と日本ファンに感謝の気持ちを伝えた。


1969年韓国で生まれたベー・チェチョルは、イタリアのヴェルディ音楽院を修了後にヨーロッパ各地の声楽コンクールで優勝を重ねる。その後、ハンガリー国立歌劇場、ビルバオ、トリノ市立歌劇場、パルマ市立歌劇場、マドリッド・オペラハウス、デュッセルドルフ・ライン歌劇場、サヴォリンナ・オペラフェスティバルなど本場の舞台で歌い続き、大きな成功を収める。日本には2003年の9月にオーチャードホールで行われたヴェルディ「イル・トロバトーレ」で初登場、日本デビューを飾った。

 

映画ポスター



しかし、ヨーロッパの歌劇場で活躍中の2005年、甲状腺ガンに襲われる。摘出手術の結果、一命は取りとめたものの、歌声に加え、右側の肺の機能を失う。しかし、多くの日本のファンの支援で、京都大学一色信彦名誉教授による声帯機能回復手術を受け、2008年には奇跡とも言える舞台復帰を果たした。こうした彼の姿は NHKドキュメンタリー番組などで報道され、多くの共感を呼んだ。


ベー・チェチョルの 奇跡の物語は映画化がされ、「 ザ・テノール 真実の物語 」というタイトルで今年10月に日本で公開された。主人公のチェチョルを演じるのは韓国の実力は俳優ユ・ジテ。また、チェチョルの復帰を心身ともにサポートする音楽プロデューサーを演じるのは、『あしたのジョー』『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』に出演した伊瀬谷友介。そして、2人を取り巻く2人の女性として、チャ・イェリョン、北乃きいが出演した。本国韓国では12月31日に全国公開する予定。


 

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